子どもに「舐められている…?」と感じているパパは、少し見方を変えてみよう!

子どもに「舐められている…?」と感じているパパは、少し見方を変えてみよう!

親の威厳とは何でしょうか。「子どもがパパのことを友達感覚で見てしまっていて、舐められているように感じる」とお悩みのパパもいるようです。大阪教育大学教授で大阪教育大学附属天王寺小学校長の小崎恭弘さんに、子どもとの関係性と、考え方について教えてもらいました。

みなさんの「父親」のイメージって?

みなさんの父親イメージとは、いったいどのようなものでしょうか。あるいはどのような父親のキャラクターを思い出しますか?私は今年55歳なので、まず思いつく父親のイメージはサザエさんの「磯野波平さん」です。波平さんは54歳(年下!)です。以下は公式HP(※)にある波平さんのプロフィールです。「威厳と貫禄たっぷりのお父さん。曲がったことが大嫌いで気難しいところもありますが、情に厚くお人良しの面もあります。」と書かれています。
※参照:サザエさん公式HP キャラクター紹介「磯野波平」

ここでは「威厳」「貫禄」という言葉が目を引きます。「頑固親父・古き日本の父親像」という感じがします。サザエさんは戦後の新聞の四コマ漫画で連載が始まったので、昭和の父親像が色濃く出ているのだと思います。昭和という時代は「男性片働き・専業主婦」という、夫婦・家族モデルが一般的であり、「強い父親像」が求められていたように思います。

そして時代は進み、令和の父親モデルは一体どのようなものなのでしようか?今パパをしているみなさんにとって、身近な父親モデルはどのような、そして誰になるのでしょうか?ぜひ考えてみてほしいです。

令和のパパ像とは?

そのように考えてみると、令和のパパは昭和とは全く異なるものだと思います。社会の環境が大きく変化していますし、価値観も多様化し、明確な父親モデルが存在しません。またパパ達も昭和とは違い子育てに積極的に関わるようになってきました。一生懸命子ども達と関わるがゆえに、その分様々な悩みや葛藤があるのではないでしょうか。そのこと自体はとても良いことだと思います。子育てを通じて、夫婦や家族としっかりと向き合っているということなのですから。

とはいえ、子どもとの距離感はとても難しいですね。頑固親父的な関わりも、なんかちょっと違う気がしますし、また近すぎるとまさに「友達感覚」「舐められている」という思いに駆られます。これらはパパの思いではありますが、当の子どもたちは一体どのように思っているのでしょうか。みなさん自身の父親との関係性や、どのような距離感を持っておられましたか。ぜひ思い出してほしいと思います。

子育ては人生に二回あります。一回目は自分が育てられる立場。そしてそれをベースにして、二回目は親となり子どもを育てる立場になります。自分が幼かった時の父親との距離感は、もちろんみなさん一人一人違うとは思います。ただ時代的に考えると、今ほど近いものではなかったかもしれません。

見方を変えてみよう!

「子どもに舐められている」という感覚に抵抗感があるのはよく分かります。しかし見方を少し変えてみると、子ども達がパパに対して安心して接しているということでもあります。パパと子どもの距離が近く、関係性が良いという一つの形です。もちろんずっとそのままでいいというものではないと思いますが、まずは二人が仲良くいられている一つの証左でもあります。根底にその良き関係性がしっかりとあるのなら、その関係性を一つの基盤として、成長とともに少しずつその場面や内容に応じた関わり方や、適切な言葉や所作を伝えていけば良いと思います。反対に言うと、関係性がない中で、いろいろなことを言ったり、しつけたりしても上手く心の中には入らないのではないでしょうか。

「舐められる」ということは決して良いイメージはありませんが、少し見方を変えると、子どもが安心して関われる存在でもあります。優しい素敵なパパだと思います。

教えてくれたのは

小崎恭弘さん
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学) 教授。大阪教育大学附属天王寺小学校長。兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年勤務。3人の男の子それぞれに育児休暇を取得。それらの体験をベースに「父親の育児支援」研究を始める。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などで積極的に情報を発信。父親の育児、ワークライフバランス、子育て支援、保育研修など、全国で年間60本程度の講演などを行う。これまで2000回以上の講演実績を持つ。NPOファザーリングジャパン顧問。Yahoo!ニュース 公式コメンテーター。東京大学発達保育実践政策学センター研究員。兵庫県、大阪府、京都府などさまざまな自治体で委員を務める。
http://kasei.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/teachers/5.html

ライター

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&あんふぁん編集部 &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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