7歳の交通事故はなぜ多い?入学前に親子で押さえておきたいこと

7歳の交通事故はなぜ多い?入学前に親子で押さえておきたいこと

小学校入学前はいろいろな心配事が多いですが、交通事故もそのひとつではないでしょうか。わが子を見ていて、ヒヤッとすることはありませんか。親と一緒に行動している園児の時とは違い、入学後は子どもたちだけで行動する時間も増えるとなると、やはり心配ですね。

7歳児の交通事故の死傷者数が多いってホント?

(交通事故分析資料|警察庁Webサイトより)

この警察庁のデータを見てみると、明らかに7歳児の歩行中の事故が多いことがわかります。

■小学生(特に小学1、2年生)は、歩行中事故が多い(死傷者数では7歳がピーク)。歩行中では、男児は女児の2.5倍。
■小学生の歩行中事故は、
1.新学期開始から夏休みまで(4月~7月)と秋(10月~11月)
2.登校及び下校後の時間帯(7時台、15時台~17時台)
3.横断中事故と飛出し が多い

歩行中の死傷者数では、高齢者よりも多いのが実際のデータからも明らかです。

どうして7歳児の事故が多いの?

京都市子ども保健医療相談・事故防止センター「京(みやこ)あんしんこども館」の保健師さんに話を聞きました。
「7歳といえば、小学校に入学したばかりの1~2年生です。幼稚園・保育園まではどこかに行くには必ずと言っていいくらい大人が一緒でした。それが親から離れてひとりで歩く時間ができたことで事故にあいやすいと言われています。子どもの不注意もありますし、小さい子どものひとり歩きは車の運転者からの視界に入りにくいのも原因です」とのこと。

子どもの視野の狭さを体験してみると

「京(みやこ)あんしんこども館」は、子どもたちを「不慮の事故」から守るための具体的な情報を紹介する施設です。今回私は「幼児視野体験メガネ」をいう装置をつけて、子どもの視野を体感させていただきました。
水平(左右)方向で150°ほどの大人の視野と比較すると、子どもの視野は60°ほど狭くなり、90°程度しか見えていないそうです。実際に幼児視野体験メガネをつけて幼児の背の高さで道路に立ってみると、横からきた車がかなり近づくまで見えませんでした。車が来ているのが見えずに子どもが飛び出していくのも納得です。
車が来ていないか確認する際も、大人のようにチラッと目をやるだけではまったく見えていません。きちんと首を左右に振って確認しないと、視界の狭い子どもには横から来ている車が見えないのです。

右上にある「幼児視野体験メガネ」で実際に車がどこまで来たら視野に入ってくるのか体験しました

事故を防ぐにはどうしたらいい?

事故が起きる原因はわかりましたが、では、どうしたら防ぐことができるのでしょう。
小学校に入り、保護者と離れて行動する時間ができるのは仕方ありません。そこで子どもだけの時にどのような注意喚起をするかが問題になってきます。
そこで、今親子でできることを教えてもらいました。

1.もっとも事故が多いという登下校、その経路(通学路)を一緒に歩いてみる
2.通学路での危険な場所を親子で確認する
3.習い事やよく遊びに行く公園、仲のいい友達の家への経路も親子でチェックする
4.一緒に歩くときに、必ず基本的な交通ルールを確認する

子どもは気になることがあると、すぐにそちらに目がいってしまいます。そしてそのまま目的の方に走っていってしまうもの。外を歩いているときは、なによりも第一に左右の確認、それも首をきちんと左右に振って確認することが大事だということを、入学までの短い時間ではありますが、何度も何度も伝えておく必要がありますね。

絵本から学ぶ「急いでいても交通ルールはまもること」

●「たろうのおでかけ」
村山桂子作、堀内誠一絵、福音館書店

たろう君は仲良しのまみちゃんの誕生日に、アイスクリームを持ってでかけます。うれしくて仕方ないたろう君は、アイスクリームがとけるのも気になって、ついつい急ぎ足。黄色信号で渡ろうとして、おまわりさんに止められたり、横断歩道でないところで渡ろうとして郵便屋さんに注意されたり…。「いそいでいるのにつまらない」と言いながらも、信号で止まり、横断歩道まで行って道路を渡ります。
うれしくても、アイスクリームを運んでいても、急いでいても、交通ルールはきちんと守る! 繰り返し親子で一緒に読んでおきたい1冊です。

■参考資料
・交通事故分析資料|警察庁Webサイト
■取材協力
・京(みやこ)あんしんこども館

ライター

絵本専門士鳥山由紀の画像

絵本専門士 鳥山由紀

絵本専門士、絵本セラピスト(R)。 乳児親子向け施設、小学校等絵本読み聞かせの他、絵本に関する講演・執筆、大学講師等。2021年絵本販売店「絵本選書・販売 月のクローバー」を開業、イベント等にて出店。2017年より、京都市保育士会機関紙「ほほえみ」連載中。2018年から絵本読み聞かせと箏演奏のユニット「ことえほん」を立ち上げ活動中。3児の母。 ブログ「えほんらへん」

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