ダブルクリップ活用でも身に付く、正しい鉛筆の持ち方
小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しい事があっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。今回は、はるな先生。正しい鉛筆の持ち方を身につける方法について解説します。
どう教える?鉛筆の持ち方
小学校入学を控えた親御さんにとって、「鉛筆の持ち方」は気になるテーマのひとつですよね。入学前には正しい持ち方を身につけさせた方が良いと思いつつも、どう教えたら良いものか、悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。ただ持ち方を教えたり、間違いを指摘するだけでは、なかなか上手くいきません。それどころか、親子で険悪な雰囲気になってしまったり、鉛筆を持つこと自体に苦手意識を持ってしまい、書くことを嫌がりかねません。特に、まだ手先が発達途中の幼児にとっては、細かな動きや力加減は難しいものです。実は、鉛筆の持ち方は、単に形を覚えさせるのではなく、日常生活を通じて少しずつ練習を重ねることで自然と身についていくような機会を設けることが大切です。ここでは、無理なく鉛筆の持ち方を教えるためのコツや、日常生活の中で活用できるアイデアをご紹介します。
練習に鉛筆は不用⁈
実は鉛筆の持ち方を練習するのに、鉛筆を握る必要はありません。日常生活の中で、自然に練習できる機会がたくさんあるからです。そのひとつが、スプーンやフォークを持つ動作です。食事の際に親指・人差し指・中指を使った「3点持ち」を意識することで、鉛筆の正しい持ち方につながりやすくなります。たとえば、「こうやって持つと食べやすいね」「持ち方が上手だね」と声をかけながら、一緒に食事を楽しむだけでも、子どもは無意識に手の使い方を覚え、鉛筆を正しく持つための基礎が身につきます。
さらに、お絵描きや工作の時間を活用するのも効果的です。特に三角形の形をしたクレヨンや色鉛筆を使うと、正しい指の位置を自然に誘導してくれます。また、粘土遊びや小さなビーズをつまむといった細かい動きの遊びも、指先の力や器用さを育むのに役立ちます。これらの活動は、子どもが「練習している」と感じることなく取り組めるのがポイントです。日常生活の中に遊び感覚で取り入れることで、正しい持ち方の基礎を少しずつ楽しく身につけていきましょう。
ながら練習が定着の鍵!
鉛筆を持つことに慣れるまでは、補助道具を活用することがおすすめです。今は色々なメーカーから「鉛筆サポーター」が出おり、親指・人差し指・中指を正しい位置に導き、無理なく3点持ちができるよう設計されています。サポーターは鉛筆だけでなく、タブレット用のタッチペンや色鉛筆にも装着できるため、さまざまな場面で使えます。たとえば、タッチペンを使ってタブレット学習をするときや、色鉛筆で塗り絵をする際にも活用すれば、日常を通じて何度も持ち方を練習する機会を設けることができます。
また、サポーターが手元にない場合は、「ダブルクリップ」を代用品として活用する方法もあります。クリップの背に人差し指を添えることで、指の位置が固定され、正しい持ち方が自然と定着しやすくなります。
重要なのは、「ながら練習」のスタイルを取り入れることです。遊びや学びの中でさりげなく正しい持ち方を意識させることで、子どもは楽しみながら少しずつ上達していきます。焦らず、日常の中で繰り返し練習を続けることで、正しい鉛筆の持ち方が定着していくでしょう。
日常生活の中で繰り返し取り組める工夫を!
鉛筆の持ち方は、一朝一夕で身につくものではありません。日常生活や遊びの中に練習を取り入れ、知らず知らずのうちに練習を重ねていくことで、子どもは自然と正しい持ち方を習得することができます。スプーンやフォークの持ち方、粘土遊びやお絵描きなどは、子どもが楽しみながら自然と練習を進めるにはとっておきの方法です。また、実際に鉛筆を使い始める際は鉛筆サポーターやダブルクリップなどの道具を使うことで、よりスムーズに正しい持ち方を定着させることができるでしょう。大切なのは、焦らず子どものペースに合わせて取り組むことです。親子で楽しみながら練習を続けることで、子どもは自信を持って鉛筆を扱えるようになります。入学準備を前向きに進めるためにも、日々の生活の中でのさりげない工夫をぜひ試してみてください。