算数が得意な子は何が違う? 氷作りでも身に付く幼少期の「マイナス感覚」
算数が好きで得意な子は「数字とイメージを結びつける力=算数感覚」を持っています。この算数感覚は、好奇心旺盛な幼少期にこそ磨くことができるものです。小さいうちに算数感覚を身に付けておけば、大きくなってからの算数・数学の学習に大いに役立ちます。今回は身近なものでマイナスの感覚を体験する方法をお伝えします。
幼少期の算数体験が大切なワケ
好奇心旺盛な幼少期は、算数感覚を磨くのにとても適した時期です。幼少期は、なぜ?どうして?という疑問が自然に湧いてくる時期。大人にとっては当たり前に感じるようなちょっとした体験でも、子どもは大きく驚いたり、不思議に感じたりといった新鮮な反応を見せてくれます。
1つの疑問から芋づる式に新しい疑問が生まれることもあるでしょう。同じテーマでも、それぞれの子どもがどんな観点から見つめるかによって、さまざまな方向にテーマを深掘りしていくことができます。忙しい中で保護者の方がとことん付き合うのは大変かもしれませんが、疑問に思ったことを聞いてあげたり、スマホで一緒に調べてあげたりして、疑問の解決が親子の楽しいコミュニケーションの一環になれば良いですね。
身近なものでマイナスを体験する具体的な方法を紹介!
ここからは幼少期にマイナスの感覚を身に付けるために、具体的にどのような体験をさせれば良いのか紹介していきます。過去2回のテーマ「分数感覚を磨く」「小数感覚を磨く」についてはこちらのリンクからご覧ください。
ピザの切り分け方で「分数感覚」をつかむ、幼少期にできる算数準備
1.5リットルの「.」って何? 日常会話で「小数感覚」をつかむ、幼少期の算数準備
まずマイナスに触れやすいのは気温
子どもにとって、身近にマイナスに触れやすいのは気温です。「マイナスの感覚」について深く考えてみると、マイナスには2つの意味があることに気が付きます。それは「0より小さい数」という意味のマイナスと「減る」という意味のマイナスです。気温を数字で見る機会は天気予報になりますが、天気予報ではこの2つの意味のマイナスの両方に触れることができるのでオススメです。
「0より小さい数」という意味のマイナスは、気温が0℃を下回るときですので触れるのは冬に限られてしまいますが、限られた日にしか感じられないことは逆に特別な体験になります。「気温が0℃を下回ると水が凍る」のは小さな子にとって興味深い体験です。気温がマイナスの予報が出たら、子どもと一緒に浅い容器に水を入れて外に出しておくなど、ちょっとした実験をして楽しみましょう。氷の冷たさ、空気の冷たさを体感することで、マイナスの世界ってこんなに寒い、冷たいんだというイメージができるようになります。
季節を問わず体験できるのは「減る」という意味のマイナスです。「前日より〇℃低い」というマイナスを天気予報で確認して、実際にどう感じるか外に出て確認します。「昨日は暑かったけど、今日はちょっと涼しいね」といった会話を楽しみながら、その日の天気(曇り具合)や服装などのテーマに話題を広げても良いでしょう。
冷凍庫で遊ぶ
夏の暑い日にマイナスの気温を感じることはできませんが「冷凍庫で水が氷になる」というのは小さい子でも手軽に遊べる実験です。色んな容器でおもしろい形の氷を作るのも楽しいですし、水の中に花やかわいい小物を入れて氷の中に閉じ込めるのも涼しげです。
塩を使って氷の温度を下げ、アイスクリームが作れるのをご存じでしょうか。インターネットで検索すれば詳しいやり方がたくさん紹介されているので参考にしてください。親子で遊びながら、しかも美味しい体験ができるのは楽しい思い出になりますね。
身近な遊びでは「すごろく」がおすすめ
身近な遊びでマイナスを体感できるのは「すごろく」です。すごろくには「3マスもどる」といった指示がありますよね。正負の数は中学校の数学で1年生の最初に習うテーマですが、ある中学校では単元の導入としてみんなですごろくをして遊ぶそうです。
同じように、じゃんけんで勝った方が〇歩進む遊び「グリコ」。皆さんも子どもの頃にやったことがあると思います。この遊びをアレンジして「負けた方は○歩下がる」という条件を加えてみましょう。差が大きく開いたり、一気に追い付いたり…最後まで結果が分からない、ドキドキする勝負ができますよ。
マイナスの感覚があれば小数・分数にも強くなれる!
今回は、身近なものでマイナスを体験する方法をご紹介しました。「マイナス=0より小さい数」という世界は中学生まで取り扱わないテーマですが、小さい頃に感覚として知っていれば、反対に小学生で習う小数・分数の感覚にも強くなれます。なぜなら「小数・分数はいくら細かく刻んでも0より小さくはならない」ことに気付けるからです。単元を超えて複合的に知識がつながることも、遊びから学ぶメリットと言えます。親子で楽しく遊びながら、算数感覚を磨いてみましょう。
教えてくれたのは
■今木智隆/RISU Japan株式会社代表取締役
京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。
▶タブレット教材「RISU算数」
ナビゲーター
担当カテゴリー
学び・遊び・教育
算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆
RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。