子どもが褒められた時どうする!?わが子を伸ばすうまい返し方

子どもが褒められた時どうする!?わが子を伸ばすうまい返し方

親戚やご近所さん、ママ友など、いわゆる「よその人」にわが子を褒められるのはうれしいものです。しかしこんな時、日本人には当たり前の反応で子どものやる気や才能をつぶしてしまうことがあります。反対に対応を間違えなければ、家族以外の誰かから褒められた経験は子どもにとっても大きな自信になってくれるため、正しい対応をぜひ知っておきたいものです。
今回は、子どもが褒められたときのNG対応と、子どもを伸ばす対応方法について紹介します。

要注意!日本人がよくやる「謙遜」が子どもの心の傷に……

「○○くんはえらいわねえ、ちゃんとお手伝いをして」
「○○ちゃんとても足が速いんですって?すごいわねえ」
こんな風に誰かからわが子を褒められたとき、思わず照れながら謙遜していませんか?

謙遜は、日本では古くから美徳であるとされてきました。褒めてくれた相手とスムーズな人間関係を築くために、自分のことはもちろん、家族もまた「サゲる」べきものであると考えている方は多いのではないでしょうか。このような考えが強い場合、子どもが誰かから褒められると、つい以下のような反応をしてしまいがちです。

「そんなことないよ!うちの子なんか全然たいしたことないから!」
「うちの○○より、××ちゃんのほうができるじゃない」
「全然ダメよ!うちの子、頭悪いもん!」

どれも、昭和や平成を生きてきた日本人なら当たり前に口に出してきた反応であると思います。しかし、こうしたことを子ども本人の前で口に出すのは慎むほうが良いでしょう。親が自分をサゲているのを耳にしたとき、子どもは見た目よりもずっと傷つきます。そして、次のようなことを自分の意識にしっかりと刻み込んでしまうのです。

「僕(私)は、たいしたことない人間だ」
「僕(私)は、××ちゃんよりもできない人間だ」
「僕(私)は、頭が悪いんだ」

いずれも、親にとっては「そういうことを言いたいんじゃない」ということばかりではないかと思います。でも、本音と建て前は小さい子どもにはまだわからないものですし、少し成長して謙遜だと理解していても、気持ち良くはないものです。こうした謙遜が大人が思っているよりも深い傷を残し、将来にわたって子どもの人生の足を引っ張ることもあるのだと認識しておきましょう。

わが子を伸ばす!子どもが褒められたときの返し方

子どもが誰かに褒められたときは、返し方を間違えなければ、わが子をより伸ばすチャンスです。子どもだって、親以外の人から褒められるのはうれしいもの。その喜びを、うまく子ども自身のモチベーションにしていくことができれば、子どもがぐんぐんやる気を出してくれるでしょう。
では、誰かが子どもを褒めてくれたときの返し方のコツをご紹介します。

まずお礼!「ありがとうございます」は子どもを見てくれた相手への感謝


誰かが子どもを褒めてくれたら、まずお礼から言葉にしてみましょう。「わが子を見てくれてありがとう」「褒めてくれてありがとう」という意味をこめたお礼は、何らおかしなものではありません。
また、褒められたことに対して「そんなことはありません」と返すのは、謙遜であっても、褒めてくれた相手を否定すること。できれば避けたいですね。さまざまな観点から、子どもを褒められたときのお返事をお礼の言葉から始めてみましょう。
「わあ、ありがとう!(子どもに)よかったねえ」
「ありがとうございます。そんなふうに仰っていただけるなんて、うれしいです」

自分をサゲて笑いのネタにする


くだけた間柄なら、自分自身をサゲることで笑いのネタに変えることもできるでしょう。自分サゲは子どもをサゲることとは違います。子どもには何のダメージもなく謙遜のできる方法です。もちろん、過剰な自虐は自分にとっても良くないものですし、わが子も相手もいたたまれない気持ちになってしまいます。やりすぎないことが大事です。
ちょっと自分をサゲると、相手は「そんなことないよ!」と言ってくれるかもしれません。笑いでオチをつけたら、後述する「相手を褒める」ターンに持っていけるとスマートです。
「そうなの!私に全然似てなくてびっくりしちゃう」
「うちの子もなんだか頑張っているみたいで、えらいなーって思ってる!トンビがタカを産んだよね!」

パートナーや親族の「おかげ」にする


子ども自身が褒められたとき、返答に困ったら、その場にいないパートナーや親族を持ち出すのもおすすめです。褒められたネタについて「自分に似ている」と言うと、場はしらけてしまうでしょう。しかし、その場にいない縁者のおかげでわが子が伸びているのだ、という流れにすると、当たり障りもなく、子どもにとっても誇らしい気持ちでいられるのがメリットです。
「夫が意外と運動神経がよくて。遺伝かなあ」
「妻の親が歌がうまかったらしくて。時々教えてくれるので上達するみたいなんです」

相手のお子さんや、相手自身を褒め返す


誰かから褒められたとき、誇らしくうれしい気持ちとともに「ちょっと居心地が悪いな」と思う方は多いでしょう。そんな気まずさを取り払うためには、相手のお子さんや、子どものいない方であれば相手自身を褒めてお返しする方法がおすすめです。
ただしこの方法、一つ注意点があります。それは、あなた自身がよそのお子さんや、相手の方自身をある程度見ておかなければ、褒める点が見つからず困ってしまうということです。褒めるためということではありませんが、普段から周囲にいる人やその子どもに意識を向け、何を頑張っていて、どんな長所があるのか、心にとめておくことをおすすめします。
ちなみに、子どもの友だちについては、子ども自身に聞いておくのも良い方法です。誰がどんな特長をもっているかを普段の会話で教えてもらうと、会話のネタにもなりますし、わが子も、他の子も褒めることで褒め合う風土を作れます。このとき友達ばかりを褒めて、わが子を褒めないということがないよう注意しましょう。
「××くんも、すごく絵が上手だって○○から聞いてるよ!」
「××ちゃんも、この前ダンスを踊っているのを少し見たけどとっても上手だったよ!すごく頑張っているんだね」
「××さんもいつもお元気に頑張っていらっしゃって、見習わなくちゃいけないといつも思っているんですよ」

わが子の誇らしい気持ちを大切に

よその人に褒められたときは、子どもの鼻が高くなるときです。「つけあがらせてはいけない!」と思う必要はありません。褒めてもらえたね、頑張っててよかったね、とストレートに認めてあげることで、子どもは無意識に「もっと頑張ろう」という意識をもつことができます。褒められたときの返答は、そんな子どもの意識を奪ってしまわないようなものを選びたいですね。
慣れていないと恥ずかしいと思うかもしれませんが、最初はお礼と、褒め返しだけでも十分にスマートな返答になります。とりわけ褒め返しができると、話題の中心がわが子から相手方に移るので、気持ちが楽になりますよ。普段から、付き合いのある相手の褒められるところを探すというのは、大人同士でも応用できるワザです。ぜひ試してみてください。


ライター

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心理カウンセラー、占い師 あん茉莉安

ふたりの女子の母。専門はスピリチュアルと発達心理学。得意分野は幼児教育、習い事、小学校お受験、中学受験など。趣味は歌とバイオリン。教員免許、図書館司書、学校図書館司書の資格をもっています。占いやパワーストーンを通してさまざまな癒しを皆さまへお届けしています。

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