子どもが「自分の気持ち」を話しだす7つのスキル

子どもが「自分の気持ち」を話しだす7つのスキル

私も含め、SNSで発信をしている先生達と「学校現場で使えるちょこっとスキル」を発信しあいました。教えてもらったスキルの中には、学校現場だけでなく、家庭でも使えるものもたくさんあり、すごく勉強になりました。
今回は、教員でありコーチングスキルアドバイザーでもある私が紹介した、“子どもが自分の気持ちを話しやすくなるちょこっとスキル”を詳しくお伝えしたいと思います。

「子どもが自分の話をしてくれない」という悩み

自分の気持ちや状況を言葉にするのは、大人でも難しいときがありますよね。でも親としては、子どもが園や学校でどう過ごしているのか、何を考えているのか、もし悩んでいるのならばそのことを話してほしいと考えます。
私が保護者と話をすると、「家で学校のことをあまり話しません」「子どもがどう思っているのかわからなくて」という声をよく聞きます。おしゃべりが好きなお子さん以外は、多くの保護者がわが子に「もっと話してほしいな」と思っているのです。
そこでお伝えしたいのが以下の7つ。生徒が先生である私に、わが子が親である私に「自分のことを話す」ようになった“ちょこっと”スキルです。どれも簡単なものなので、ぜひ試してみてください。

話を聞くときの大人の立ち位置は斜め前

子どもと話すときは、つい向かい合って聞いてしまいがち。でもその立ち位置は、相手に緊張感を与えてしまい、リラックスした雰囲気で話を聞くことが難しくなってしまいます。
隣に座って話を聞くとそういった緊張感はなくなりますが、表情が分からず、こちらが気持ちを読み取ることが難しくなります。そこで、話を聞くときは斜め前に立って(座って)みましょう。相手に緊張感を与えることなく、表情も読み取ることができます。

まずは「そうなんだね」から

これは「ペップトーク」という“人を励ます言葉がけの手法”で学んだことです。
【受容】【承認】【行動】【激励】のサイクルで言葉かけをすることで、子どものやる気を引き出してあげられるそうです。子どもの話を聞いている中で、つい大人がやってほしいことを先に伝えてしまいがちですが、まずは「そうなんだね」「苦しかったんだね」と受容してあげてください。その後に「頑張ったんだね」「優しいんだね」などとその行動に対してプラスの承認をしてあげることで、子どもも話をしやすい雰囲気になります。結果、大人の話も聞いてくれる環境を作り出しやすいです。

あいづちは話している子と同じペースで

これは「ペーシング」というのですが、同じペースでいてくれるだけでその場に安心感が生まれ、話しやすくなります。ただ個人的に、呼吸や仕草、瞬きを合わせるって結構難しいなと感じていました。あいづちだと、話しているお子さんと同じ速さ、同じペースで会話と会話の間に、「うんうん」と言えばよいので、ペーシングがしやすいです。

選択肢を3つ出す

話したくないわけではない、だけどどうやって言葉にしたらよいか分からない…という状況もたくさんあると思います。そんなときは、保護者から、選択肢を3つ出してみましょう。
「悲しかった?」「悔しかった?」「本当は怒ってた?」など、大人が想像した気持ちを3つ出してみて、「この3つの中なら、近い気持ちってどれ?それともそれ以外かな?」と尋ねてみます。すると、その中から選んでくれることもあるし、「それ以外なんだけどね…」と話してくれることも多いです。

話を聞くときのワードを用意する

とにかく「聞くことに徹しよう。ジャッジしないぞ」と思っていても、つい子どものためを思って口を出してしまいたくなるのが親心であり教員心。そのため私は、話を聞く場面で自分が言うワードをいくつか用意しておき、それ以外なるべく言わないようにしています。
私の場合は、「そうだったんだね」「○○なんだね(○○には、子どもが言った言葉をそのまま入れます。言い換えません)」「話を続けて大丈夫だよ」です。そうすることで、こちらもつい口出してしまう…ということが激減しました。

話を聞いたら確認する

話を聞いたし、本人も話せた、と思っていても、互いの認識がずれていることはたくさんあります。だからある程度話した後に「こういうことで合っているかな?」と確認するようにしています。
そうすることで、認識のズレを解消して、「話したのに分かってもらえなかった」という気持ちにさせてしまうことを防ぎます。

可能ならば7秒間ハグをする

このご時世、学校現場ではなかなか難しいですが、家庭では簡単かつ最強なちょこっとスキルです。7秒間ハグをすることで、オキシトシンという幸せホルモンが分泌されます。それにより安心して子どもが話してくれるようになります。

“ちょこっとスキル”をもっと知りたい場合は

SNS上(特にTwitterとInstagram)で盛り上がった「#ちょこっとスキル」。もっと知りたいなと思った人は、ぜひ検索してみてください。また、この企画を立ち上げたトモ先生(髙橋朋彦先生)と古舘良純先生は学校現場で先生達が使えるような「ちょこっとスキル」をまとめた書籍を出版しています。先生達にも好評ですが、学校の様子が知りたい保護者にもおすすめです。


■トモ先生(髙橋朋彦先生)
■古舘良純先生

授業の腕をあげるちょこっとスキル (授業づくりサポートBOOKS)


髙橋 朋彦・古舘 良純 (著)/明治図書出版

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ライター

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こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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