日本の行事を幼児期に体験させるために。構えずに楽しむコツ
時短で、賢く、楽しく子育て。働くママでも、毎日たった5分からできる!知育や子どもの心と体を育てるノウハウを、SakuraEdu代表の荒井聖子さんに教えてもらいます。今回のテーマは「日本の行事を楽しもう」。
日本の行事を楽しむ
今年の十五夜は9月10日でした。地域によってまんまるに輝く月を見ることができたでしょう。日本の行事に合わせて、お店には十五夜の月見団子やお彼岸のおはぎなどが並びますが、いつもとあまり変わらないので目に入りにくいかもしれません。
秋のハロウィーンや冬のクリスマスなどは、華やかでかわいらしい飾りつけがされ、子どもが好みそうなお菓子が並びますので、目に入る機会も多いでしょう。仮装やサンタクロースのプレゼントなどたくさん楽しめると良いですね。
それに比べれば地味な印象がありますが、日本の行事は、成長を祝う、豊穣を願う、感謝を伝える、自然を愛でるなど日本らしい由来があります。
生活に関わることや身近なことが多く、「元気に育って良かった!」「いつもありがとう!」など、いつも口に出さない気持ちを、行事を通してみんなで祝うという温かさがあり、家族の絆を作っていくと思います。また四季折々の自然やお祭りなどを家族で体験するのも、子どもの心に残ることでしょう。
「行事を楽しむ」と言っても構えることはありません。準備万端にしつらえてゆっくり楽しめればなお良いでしょうが、忙しい毎日の中でそれは難しい。
たとえば十五夜のお月見なら、日が暮れてからのお散歩で月を眺め、お団子がなければおにぎりでも、満月にちなんで「丸い」ものを食べる、こんなことで良いのです。すすきはその日でなくても、見つけた時に教えてあげましょう。
今は、行事の日程やまつわることを、簡単にインターネットで調べることができますね。行事には食べ物、しつらい、歌などがあり、どれか1つでも楽しめれば良いですし、体育の日の由来(1964年東京オリンピックの開会式の日)や、七五三の千歳飴の意味(細く長く粘り強く長生きしてほしい)などは、子どもに話してあげても面白いと思います。
今夏に灯籠流しと花火が同時に行われる日があり、コロナ禍3年ぶりの開催となり多くの人で賑わっていました。
川に流れる色とりどりの灯籠が河口に着く頃、打ち上げ花火が上がったその時、お父さんに抱っこされた4歳くらいのお子さんが、「うわー!きれい!ほんとうにきれい!いままででいちばんきれい!」と言って、笑い声を立てていたのです。お父さんもうれしそうなにこにこ顔。
花火をなかなか見る機会がなかった子どもの目にどう映ったのかな?鎮魂など難しいことを抜きにしても、夏の行事の楽しい記憶として心に残ったことでしょう。ぜひ、幼児期に日本の行事をたくさん体験してほしいと願っています。