ママであり先生である4人のコラム「ママ先生といっしょ」スタート! 先生からのメッセージ

小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」がスタート。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や、入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。苦しいことがあっても、笑顔で突き進めるヒントが見つかるかも。第一回は、小学校教員としての経験を持つゆきこ先生から。テーマは「いろんな先生がいて良いし、いろんなママがいて良い」です。

いろんな先生がいて、いろんなママがいて良い!(写真はイメージ)

私が教員をしていて感じたこと

「幼稚園・保育園の時は様子がよくわかって安心して学校に行けたのに、小学校の先生はあんまりこまめに様子を知らせてくれなくて心配」「去年の先生は何も言わなかったのに、今年の先生からはうちの子たくさん注意されて悲しくなる」こういう心配や不安は多かれ少なかれ、親としてどうしてもついてくるものですよね。
一方、親としても「ちゃんと宿題を見てあげられていないな。Aちゃんのママはいつも丁寧に宿題も見てあげて一緒に遊んでもいるらしい」「わが子がやりたいって言うからさせている習い事。それで寝るのが遅くなっちゃう。Bさんの家みたいに早く寝かせなきゃだよね…」こんなふうに、親としても隣の親を見て自分の子育てに対して不安になったり、時に責めたりしてしまうこともあるかもしれません。
でも、本当の本当に、いろんな先生がいて良いし、いろんなママがいて良いのです。私自身の励ましのために、そして私が教員をしていて感じたことを交えて、そんなメッセージを送らせてください。

違う考え方の先生がいるから、子どもが救われる

担任になると多い時は40人もの子どもたちと一緒に過ごすことになります。40人全員が私のこと好きでいてくれたり、その保護者全員が私の方針に共感してくれたりすることは、やはり難しいです。ですが、先生全員が全く同じ考え方・教育方針だったらどうでしょうか。確かにブレずにいられるかもしれませんが、その考え方がしんどいと感じている子どもにとっては苦しいことですよね。全く違う考え方の先生がいるから、いろんな子どもたちが救われていくのではないでしょうか。

「ママが先生やめるって言ったらどうする?」に対する娘の答え

さて、私の話をします。私は正規の小学校教員として働いていた時は娘が登校するよりも早く出勤をし(むしろほとんどの日が起きてくる前)、帰ってくるのも19時とかで、娘とまともに話せる時間は夜2時間程度しかありませんでした。その限られた時間でさえも、「宿題やったの?」「お風呂入らなくちゃいけないから、もう少し早くご飯食べて」と小言がかり。私は子どものためにもこの働き方ではいけないのかもしれない。そう言うふうに考えるようになりました。
だから娘に聞いてみたんです。「私がもし、先生やめるって言ったらどうする?」と。そしたら「どっちでも良い」と言われたんです。娘はこう続けました。「ゆきちゃんが先生やめてお家にたくさんいるのは、ゆきちゃんのこと好きだから、そりゃあ嬉しいよ。でも、子どもたちのために勉強教える先生って仕事かっこいいし、そういう仕事してるのは嬉しいから、ゆきちゃんがやりたい方したら良いんじゃないかな」
ああ、そうだよね、子どものために良いことって決して答えはひとつじゃなくて、それぞれの家庭、それぞれの子どもたち、それぞれの親子関係によって答えって変わるよね。(そしてそれはきっと状況やタイミングによっても変わっていくはず)そんな当たり前なことに気づかせてもらえたのでした。

SNSで苦しくなったらスマホを置いて

いろんな先生と出会うことでの学びが子ども自身にはある。そして子どもによってしっくりくる先生は違う。子どもが笑顔かどうかを親は見守り、気になったことを一緒に考えてもらうために相談する。そんな保護者と先生の関係であってほしいなと思います。
そしていろんな子育て本やSNSに書いてある素敵な子育てがあり、それはどれも間違いなく、本当に素敵です。それを取り入れたいとポジティブに思う時、ぜひ取り入れてほしいです。でも、それを見て苦しくなってしまうのだったとしたら。本を閉じて、スマホを置いて、目の前のわが子と親である私たちが笑顔になる選択をしましょう。もしかするとそれは、子育て本の正解ではないかもしれません。でも、親子にとっての正解です。親子の正解は親子の数だけきっとあると思って、そして助けてもらえそうなところは存分に助けてもらって、いろんな役割をいろんな人と担って、子育ていっしょに楽しんでいきましょう!

ライター

ママ先生ゆきこ先生の画像

ママ先生 ゆきこ先生

小学校教員として9年間勤務し、現在は非常勤講師。小学6年生と2歳児のママ。Instagramでは、「心がちょっと軽くなる職員室」として、学校がしんどい先生や繊細先生が少しでも自分らしく、心が軽くいられるように、先生のお仕事あれこれ、心を軽くする言葉、子どもと関わるときの考え方などを日々発信中。TCS認定コーチングスキルアドバイザー、キッズコーチングアドバイザー取得。Instagramのフォロワーは6.8万人

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