入学前に不安なママ・パパへ「しなくて大丈夫なこと」と「今できること」

入学前に不安なママ・パパへ「しなくて大丈夫なこと」と「今できること」

小学校の先生の経験を持ちながら、自身もママとして子育てに奮闘する4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。先生目線で、ときにママの目線で。入学準備や入学後の困りごとや悩みの解決方法の糸口を探ります。今回は、あすか先生。入学準備の時期ですが、今回は「しなくても大丈夫」「あせらなくても大丈夫」の視点も持って、お伝えしていきます。

入学説明会後の準備で大丈夫

そろそろ、入学説明会の時期かなと思います。入学の準備は説明会の後で大丈夫です。学校によって、その年によって準備物が異なるからです。例えば、私は定規を学校で一括購入したことがあります。メモリの読み方が同じであり学習の習熟につながりやすいこと、柄がなく学習に集中しやすいからという理由でした。

しかし、学校だけでは子どもは育ちません。保護者の方の協力あっての学校生活だと母になってより強く実感する日々です。入学説明会でお願いしていることは、学校ではなかなか難しいからこそご家庭に連絡しています。学校のことを知らないと不安もあると思いますが、まずは、そこで聞いたことを準備すれば入学前は大丈夫です。

子どもと一緒にわくわくしながら準備を「親がしなくても大丈夫」

私は、母親として入学準備の経験はありませんが、昨年娘の入園準備をしたときの経験をお伝えします。それは、子どもと一緒に行うということです。ケンブリッジ大学の研究によると、人は1日に最大3万5千回もの決断をしているそうです。朝ごはんに何を食べるか、何の洋服を着るか…お母さんというのは、子どもの決断もあるので脳がパンクしそうになるのも当たり前だなあと思います。

しかし、成長に伴って子ども自身も自分で決断できることが増えてきます。自分で選ぶというのは、子どもにとっても楽しいことです。入園に使うコップ1つとっても、どれを使うかわくわくしていました。このコップでどんなことをするのかなあとお話しました。

入学準備も、主役は子どもです。まだまだ親のサポートは必要ですが、サポート役に徹し、どんな学校生活をするのか会話しながら楽しく準備をすることで親子の豊かな時間になるといいなと思います。

対話で学校と家庭がつながる、「入学してからで大丈夫」

新卒で1年生の担任を任せていただきました。私は子どもたちが大好きでした。しかし、至らないところも多くありました。保護者の方に質問をされても答えられず、確認してからお伝えする、学校のことが分からず、周りの先生や高学年の子を頼りにする…そんな日々でした。

最近「足りなさは宝」という素敵な言葉と出逢いました。当時を振り返ると、保護者の方に多くの話をしてもらい、その対話と通して私が成長させていただいていました。例えば、トラブルがあった時です。集団生活なのでトラブルは起こります。私が未熟で見えていなかった部分がありました。それを声に出し質問してもらったことで、解決につながり、子どもの成長になりました。情報が溢れる時代だからこそ、何かあった時はその学校と対話することで見えることもあると思います。自分が質問することで、相手の力を引き出すきっかけにもなります。そしてその対話で学校と保護者がつながることができるのです。

足りなさで周りと繋がれる「全部できなくても大丈夫」

入学までの期間、不安になる気持ちも分かります。私も入園前大丈夫かなあと不安になったことが何度もありました。しかし、そんな時こそ、これまでの6年間を振り返ってみてください。きっと目の前のわが子ができることがたくさんあるはずです。どんな子だって大好きなお母さんに褒められたい、認められたいと思っています。

「これもできなかったら1年生になれないよ!!」ではなく、できるところに目を向け「これができるんだから1年生だね!」と温かい声をかけることで、心の安定につながります。そして、できていないことがあっても大丈夫です。その足りなさはきっと周りとつながることで補えます。そのための集団なのです。入学までの残された期間、温かい時間が過ごせますように。

ライター

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ママ先生 あすか先生

あすか先生こと池田明日香(いけだあすか)。公立小学校教員、現在は3歳児と1歳児のママで育休中。2025年4月よりフルタイム復帰予定。ママをサポートするための母子手帳トレーナー(乳幼児の発達、ママの心理等)の資格を取得。資格を活かし、育休中に外部講座を実施。Instagramでは子どもたちが学ぶことを楽しめるよう日々発信中。

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