中学受験はいつから意識する?幼児期から身につけたい4つの力

中学受験はいつから意識する?幼児期から身につけたい4つの力

皆さんはお子さんの進路について中学受験を意識していますか?幼児期からの中学受験準備と聞くと「そんなに早くから勉強させるの?」と驚くかもしれません。
幼児期は「受験対策」として勉強するのではなく、知的好奇心を育て、学ぶ楽しさを知ることが大切です。
遊びを通じて学びの土台を作ることで、自然と学習習慣が身につき、小学校以降の学びがスムーズになります。
本記事では、幼児期にできる「ゆる中受対策」として、 楽しみながら学びの基礎を築く方法を紹介します。

幼児期から身につけたい4つの力

中学受験に向けた勉強が本格的に始まるのは小学4年生頃からです。ハードな中学受験を順調にスタートするためにも、低学年までに十分な準備をしておくことが大切です。そこで、幼少期から低学年までに身につけておきたい4つの力があります。

1.学習習慣

中学受験に向けて、早めに身に付けておきたいのが「学習習慣」です。
中学受験に向けた学習では「わかるまでやる」「できるまでやる」を繰り返すため、片手間な学習では乗り切ることができません。
学習習慣の目標は、「毎日机に向かって勉強するのは当たり前」という状態を作ること。
とくに小学校の勉強に余裕がある、勉強が得意な子は、授業の内容を簡単に理解でき、宿題もすぐに終わってしまうため、学習習慣が身に付いていない状態で中学受験のスタートラインに立つ子も少なくありません。
幼児期から学習習慣を意識するには、まずは決まった時間に机に向かう習慣をつけることが大切です。お子さんが楽しんで集中できるようなこと、例えばパズルやお絵描きなどを日常生活に取り入れて習慣化しましょう。

2.数や言葉の基礎力

中学受験の学習はハイレベルです。そのため基礎学力は欠かせません。どれぐらいの学力が必要か目安としては、小学校の小テストやカラーテストは全て100点が当たり前、90点は危険信号目安にするとよいでしょう。
驚かれるかもしれませんが、小学校のカラーテストは、いわゆる「ひっかけ問題」ではありませんから、一問も落とさず得点できなくては十分な基礎学力とは言えないのです。

基礎学力として必要な力は、大きく次の3つです。

  • 計算力(速さと正確性)
  • 知識(漢字や理科社会の用語など各教科の基礎知識)
  • 読解力(国語の文章読解や算数の文章題)

これらをしっかり伸ばすために幼少期からできることは、遊びながら数や図形の概念、言葉の力を育てることです。
たとえば、おやつを配るときに一緒に数を数えたり、折り紙や積み木をしながら図形感覚を鍛えたりします。絵本の読み聞かせやしりとりなども語彙力を増やすことに役立ちます。

3.知的好奇心

中学受験では、膨大な知識の暗記が必要です。社会や理科は、中学分野(場合によっては高校範囲)を扱います。
国語では高校受験や大学受験並みに難解な長文が出題されることもあり、高い語彙力が必要です。

小学生にはとても大変なことですが、「新しい知識を学ぶことが楽しい」と思える知的好奇心の高いお子さんは、中学受験の勉強を「新鮮でワクワクするもの」と捉えています。知的好奇心を育むためには、幼児期から「なんで?」「どうして?」の気持ちを大切にしてあげることが大切です。疑問を後回しにせず一緒に調べてあげたり、地図や図鑑、辞書などをいつでも手が届くリビングに置いたりするなど、家族全体で新しい知識や発見を楽しむ空気作りを意識しましょう。

4.粘り強さ

近年の中学受験では、「思考力」を問う問題が重視されています。これらの問題は、簡単には正解を出せないのが特徴で、根気強く諦めない以下のような粘り強さが必要となります。

  • 長く複雑な問題文を最後まで読む
  • 条件を図や表で整理する
  • 何度も試行錯誤する

幼児期、低学年から粘り強さを身に付けるために、親はすぐに答えを教えずに、見守る姿勢が大切です。
パズルやブロックに子どもが集中しているときは口出ししたり中断させたりしないこと、上手くいかなくても「もう1回やってみようよ」と励ましてあげるなど、「諦めずにがんばったらできた!」という経験を幼少期からたくさんさせてあげましょう。

幼児期におすすめの家庭学習

これら4つの「学習習慣」「基礎力」「知的好奇心」「粘り強さ」を伸ばすために、幼児期から低学年におすすめの家庭で遊びながら学べる具体的な方法を紹介します。

■ 数や計算に親しむ遊び

買い物ごっこ:店員役、お客さん役となって会話をしながら簡単な足し算、引き算を取り入れます。

おやつ配り:飴やクッキーを数えます。おやつの時間を使って、時計を読む練習もできます。

積み木・パズル:平面だけでなく、手に持ったり、回して眺めたりすることで立体図形にも強くなれます。

■ 言葉の力を育む取り組み

しりとり遊び:語彙力を鍛えることができます。

なぞなぞ:言葉をよく聞いて考える力、いろんな角度から考える力が育ちます。

読み聞かせ:文章を聞く力と想像力を伸ばします。

■ 思考力や粘り強さを伸ばす遊び

迷路やブロック:粘り強く試行錯誤する力が育ちます。

クイズや推理ゲーム:論理的に考える習慣をつくることができます。

折り紙や工作:手を動かしながら図形や空間認識を学ぶことができます。

幼少期の学習について具体的なやり方をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事でもいくつか紹介しています。

●ピザの切り分け方で「分数感覚」をつかむ、幼少期にできる算数準備

https://enfant.media/learn/1333/

●幼少期にできる算数準備「温度の感覚」を身に付けよう

https://enfant.media/learn/36142/

幼児期は学びの「土台作り」を意識しよう

今回は幼少期からの「ゆる中受」について紹介しました。小学4年生から始まる本格的な中学受験対策の前に「学習習慣」「基礎力」「知的好奇心」「粘り強さ」の4つの力を身に付けておくことが大きな差となります。

幼少期は無理に勉強させるのではなく、日常生活の中で楽しく学びを増やすことが大切です。小学校入学後の学習がスムーズに進むよう、できる範囲で「ゆるく」準備を始めてみませんか?

ナビゲーター

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担当カテゴリー

学び・遊び・教育

算数教材「RISU」代表取締役 今木智隆

RISU Japan株式会社代表取締役。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、ユーザー行動調査・デジタルマーケティング専門特化型コンサルティングファームの株式会社beBitに入社。金融、消費財、小売流通領域クライアント等にコンサルティングサービスを提供し、2012年より同社国内コンサルティングサービス統括責任者に就任。2014年、RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した小学生の算数の学習教材で、延べ30億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーのハイレベルなアフタースクール等からも算数やAIの基礎を学びたいとオファーが殺到している。

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