小学生の家庭学習サポート、まず「できた部分」から見て声をかけよう

ママであり、小学校の先生でもある4人によるリレーコラム「ママ先生といっしょ」。新学期がスタートし、宿題なども始まり、日々のサポートが大変なご家庭もあると思います。また、なかなか新生活に慣れずという家庭もあると思います。慣れるまでのスピードには個人差があります。そんなご家庭のサポートのきっかけになる視点を紹介していきます。
勉強は明るく楽しい時間に
毎日の家庭学習のサポート本当にありがとうございます。家庭学習の時間に、できていないところを直すことばかりになっていないでしょうか。例えば、お子さんが持ち帰ってきたプリントに間違っている字があったとします。人はだれでもパッと見たときに、最初に浮かんでくるのは「できていないところ」だそうです。
しかし、そんな時こそ、できているところを探し、そこをまず褒めてください。そうやって褒められたときに、脳が活性化して吸収力も増すと言われています。そして、できなかったところについても、「こんなに間違えたんだね、学校での勉強は間違えを見つけるためにあるから、×がたくさんあるほどこれから賢くなれるんだよ」と価値づけをすることが大切なのだと考えています。
そのあとからできていないところを直すという順序が大切だと考えています。小学校低学年の学習は、これから始まる勉強の基礎となる部分が多いです。だからこそ、できる限り明るく楽しい時間になることで、学ぶことの楽しさを感じるきっかけになると思っています。
学ぶことの始まりは
最近私の娘が「真似しないで!」と言うようになりました。「学ぶ」の語源は「真似」ぶ、と言われています。真似をする中でたくさんのことを身に付けているのです。そのため、娘には「真似することはいいことだよ。素敵だなあと思ったらどんどん真似してみよう」と話をしました。
また、過去、子どもたちに「真似されるということはそれだけあなたに憧れているということだからいいこと」という話をしたこともあります。私自身も素敵な先生がいらっしゃったら真似させていただいています。
日記の宿題など自分で考えて書くことが始まりではないのです。なかなか進まない時はまずは保護者の方が書いてみて、それをうつすことも立派な学習です。小学生になったからとすべてを自分でやる、ではなく、お子さんの成長に合わせた学習のサポートも大切なことです。お忙しい日々で大変かと思いますが、ぜひ難しい時には「真似をする」取り入れてみてください。日記については次回、また詳しく紹介します。
どの子も伸びる可能性をもっている
どの子も、自ら育つ力をもっています。自分で自分を発達させているのです。子どもが向かっているゴールとは2つの「じりつ」です。1つ目は、自分のことが自分でできるようになる「自立」。2つ目は自分で自分を律することができるようになる「自律」。
つまり、どの子も伸びる可能性を持っているのです。その可能性をどれだけ信じてサポートできるか、ということを私は大切にしています。学校生活が始まり、苦手な部分も見えてくるかもしれません。苦手ができるようになるまでに個人差はありますが、そこを家庭で補っていただけることはとてもありがたいことです。算数のものを数える問題だったら、具体的なものをたくさん数えることが合う子もいれば、同じ問題を繰り返すことが必要な子もいます。時間が解決することもあるので、今すぐ「できる」ではなく、その努力している過程に意味があると信じて待つことも一つのサポート方法として頭に入れるようにしています。
人間らしく、学んで楽しい子育て時間を
私はまだ子どもが入学していないため、ご家庭でのサポートの大変さは想像でしかないですが、わが家は生活のサポートだけでも大変です。学習のサポートもするということは、とてもとても、大変だということは想像できます。
私は子育てに対して、毎日100点でなくても大丈夫、と自分に言い聞かせています。□+□=10という問題があります。□に入る数は無限にあります。けれど、10にならなかったら間違いです。だから、大人が学ぶことが大切です。
このコラムを読んでくださる方は、お子さんのために何か学ぼう、とされている方です。そうやって子どもを知ろうとしているその行動こそが、大切なのだと思います。私も過去、子育てしながら間違えてしまったことがあります。これからも間違えてしまうこともあると思います。でも、大人も人間です。
ある本で、「生きていく上で一番大切なのは人間らしさ。年を重ねれば重ねるほど完璧になっていくんじゃないんだよ。人は年を重ねれば重ねるほど人間らしくなっていく」と書かれていてとても心が温かくなりました。私も、100点の子育てを目指すのではなく、こどもと一緒に年を重ねながら、人間らしくこれからも子育てを楽しもうと思います。大変な日々かと思いますが、お子さんとの家庭学習の時間も楽しめることを願っています。