2025年夏も猛暑の予報!5月こそ「熱中症対策」を始めるべきタイミング、その理由

教えてくれたのは…久保智子さん

気象予報士(日本気象協会)、地球温暖化防止コミュニケーター。気象キャスターとして予報作成や解説業務をするほか、小・中学校などで地球温暖化を分かりやすく伝える活動もしている。

【People編】子どもは特に熱中症に注意すべき理由

身長が低く、地表からの熱を受けやすい子ども。体温調整も未熟なため、「深部体温」(※脳や臓器など体の内部の温度)が上がりやすいです。何かに夢中になっていたら、喉が乾いたことを伝えられない場合もあるので、大人がよく注意しましょう。

【People編】普段の食事やおやつに塩分をオン!

睡眠や食事をしっかり取ることが何よりの予防に。また、こまめな水分補給に加え、汗をかいたら塩分を程よく取ることも大事。食事にスープやチーズを足す、おやつも塩分のある煎餅にするなど、普段の食事やおやつに、少しの工夫をプラスしてみて。

【People編】もし子どもの具合が悪くなってしまったら?

顔が赤い、大量に汗をかくなど、普段と違う様子があれば、すぐに涼しい場所で休憩しましょう。服を緩め、両側の首すじ、脇の下、足の付け根などを冷やして。また、細かい血管が通る手のひらを冷やすのもおすすめです。自分の力で水分補給をすることもできない様子であれば、すぐに救急車を呼びましょう。

【People編】今すぐ5月から、対策を始めるべきワケとは?

5月は、体がまだ暑さに慣れていない時季にも関わらず、夏日(最高気温25℃以上)や真夏日(最高気温30℃以上)になることもあるため、特に注意が必要です。今から体を暑さに慣らす「暑熱順化」をすることで対策しましょう。暑熱順化ができている体は、熱放射がしやすい、汗に含まれる塩分が少なくナトリウムを失いにくい、といった、熱中症になりにくい状態になります。下記リストを参照に、暑くなる前から運動や入浴などで汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。

【People編】熱中症対策Q&A

【Q1】私が寒がりで娘が暑がり。熱中症になりやすいタイプってあるの?

【A】熱中症になりやすいかどうかに、寒がりか暑がりかは関係ありません。熱中症になりやすい環境がそろえば、誰でもなる可能性があります。ただ、身長が低いため地表から近く、体温の上がりやすい子どもは特に注意が必要です。

【Q2】外出しないべきかどうかどう判断したら良い?

【A】熱中症の危険度は、気温だけではなく、湿度もポイントになります。ムシムシしているかも要チェック。また、「環境省熱中症予防情報サイト」では、気象庁の気象予測結果を基に算出した「暑さ指数」を毎日発表しているので、こちらもチェックしてみて。

環境省熱中症予防情報サイト:https://www.wbgt.env.go.jp/

【Q3】子どもたちは海やプールが大好き。水辺の遊びでの熱中症対策って?

【A】水の中でも汗はかきますし、水着を着用していると肌の露出も多くなるため、油断禁物。十分に水分補給をし、ラッシュガードなどを着用するとベターです。また水辺でも、日よけがあり、風通しの良い環境がおすすめです。

【Q4】ネッククーラーやハンディファンは有効?

【A】首を冷やすことのできるネッククーラーはおすすめ。外出先では、冷えたペットボトルなどを購入して活用するのも良いでしょう。ハンディファンは、暑い中では熱風となり、あまり効果が見込めないことも。冷たいタオルと併用するなど、工夫して使いましょう。

【People編】注目の暑さ対策アイテム

「熱中症ゼロへ」プロジェクト参画企業の商品の中から、ファミリーへのおすすめを紹介します。

「あんふぁん」「ぎゅって」は、日本気象協会が推進する2025年度「熱中症ゼロへ」プロジェクトに参画しています

クイックアップシェードDR [コールマン/1万1880円]

畳むとコンパクトになるポップアップ式。「ダークルーム(TM)テクノロジー」採用で、日光をブロックし、温度上昇を軽減してくれます。

XShelter暑熱 フーディーKids [ ワークマン/1900円]

遮熱、UVカット、超軽量、超速乾など、暑熱対策に有効な14の機能がある「XShelter」という生地を使用した子ども用パーカー。カラーは右のターコイズブルーのほか、ブラックとホワイトも。サイズは120~150㎝。

さっぱり仕立て納豆 [タカノフーズ/希望小売価格234円]

食欲の落ちる夏でも、栄養たっぷりな納豆をさっぱり食べられます。爽やかな青じその香りとりんご酢の甘味、酸味を兼ね備えた香味たれがポイント。 ※2025年3月1日~ 8月31日に販売店着の期間限定商品

【Earth編】改めて復習! 地球温暖化の仕組み

地球の周りにある「温室効果ガス」(二酸化炭素など)が、太陽からの熱を地球にとどめてくれているおかげで、地球は人間が暮らせる温度になっています。その温室効果ガスが増え過ぎることで、地球に熱がこもってしまっている状態が、地球温暖化です。

◆子どもにはこう伝えてみて!
「地球がお熱を出していて、これ以上熱が高くなってしまったら、暮らしていけなくなるんだよ」と伝えてみて。「地球の周りには、地球を温めてくれている空気があるけれど、それが今までよりも増えてしまっているよ」と、イラストと一緒に説明してみましょう。

【Earth編】2100年の地球は? 今より気温が○℃高くなる?

2024年は「過去最も暑い夏」でしたが、2025年の夏(6~8月)も、全国的に平年より気温が高い予想がされています(※)。このまま地球温暖化が進むと、2100年には、日本の平均気温は約4.5℃上昇するといわれています。異常気象による自然災害や農産物の不作、海面の上昇、暑い地域の病気が日本でも増えるなど、地球温暖化に関連した課題も多々あります。
※気象庁暖候期予報(2月25日発表)より

◆子どもにはこう伝えてみて!
暑くなると北極や南極の氷が溶けてしまい、「シロクマさんのおうちがなくなっちゃうかもしれない」と伝えると分かりやすいです。理解ができそうなら、車の排気ガスなど、身近なものに絡めて、便利な暮らしによって温室効果ガスが増えてしまい、地球温暖化が進むことも伝えてみましょう。

【Earth編】地球のためにやりたいこと

親子で地球レスキュー!普段の暮らしでできること
「地球を守る」というと身構えてしまいますが、親子が家庭で実践できることは、実はたくさんあります。普段の暮らしの中で、子どもにとって身近に感じられそうなトピックから、少しずつ始めてみましょう!

デザイン/kiki. イラスト/さかたともみ

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