あばれる君の初エッセイは笑えて泣ける!自分を変えてくれた家族の存在とは
常に一生懸命なキャラクターで人気を集めるお笑い芸人・あばれる君が初のエッセイを発売!執筆の苦労話や、自分以外興味がなかったというあばれる君を変えた家族の存在について、またあばれる君流・子どもたちとの向き合い方などを聞きました。
失敗を転機に誕生した初のエッセイ本
執筆することになったきっかけは?
最初は「気象予報士の試験に合格したタイミングで本を出そう」という話を出版社の方と話していたのですが、それが試験にガッツリ落ちちゃいまして…。すでにいくつかお渡ししていた原稿の中で、(妻の)ゆかちゃんのエピソードがめちゃくちゃ良い!ということで、エッセイのテーマを家族にシフトしました。
エッセイを執筆してみて苦労した点は?
やはり文字数と締め切りが一番大変でした。「家族」という書きやすいテーマとはいえ、自分で文章を書く、絞り出すっていう苦労は計り知れないものがありましたね。
原稿の本数も尋常じゃなかったので…。はじめは月に4本エッセイを書いて提出するという比較的緩やかなペースだったのですが、出版が近付いてくると、本当に前触れもなくケタ違いにペースが速くなっていったんですよね。月に10本とか。
でもネタを書くのと似ているところはかなりありましたし、エッセイの方が人前でやらない分“覚えなくていい”ので、気持ち的に楽な部分はありました。
これは絶対に書きたいと思ったテーマは?
お題があった方が僕は書きやすかったので、編集さんにテーマをいただいて書き進めたのですが、奥さんの話とミニ四駆の話は書きたかったですね。ミニ四駆の話は父親に読んでほしい。
両親にはまだ感想は聞けていないのですが、おばさん(母親の妹)がサイン会に来てくれました。来るって聞いていなかったので、順番待ちをしている姿を見たときは本当にびっくりしました。
目指したのは「クスッと笑える」エッセイ
ー本書の帯には俳優の斎藤工さんやアルコ&ピースの平子祐希さんからのメッセージが記載されていますが、他にも反響はありましたか?
秋元真夏ちゃんが、僕の家族の話が好きらしくて、いち早く自分で買って「読みます」って言ってくれました。松丸亮吾くんも「予約したよ」と言ってくれたりして。
あとはチョコレートプラネットの松尾駿さん。先輩ですが同世代で子どももいて、松尾さんから「面白かった」って言われたのはうれしかったですね。「感動した」とかそういう感想もうれしいんですけど、やはり笑ってもらえるのも自分の中の目標でしたから。
いきものがかりの水野良樹さんは、もう読んでくれたそうです。「クスッと笑えて、ほのぼのとしていい文章でした」って言ってもらえました。水野さん自身が小説を書く方なので、ちょっと恥ずかしかったですが、うれしかったですね。
あばれる君流、子どもたちとの向き合い方
ーエッセイではお子さんが困っているときにポジティブな発想の転換でアドバイスをされているのが印象的でした。お子さんがくじけたときはどのようなアドバイスをしますか?
「落ち込むことはできる、でも自分を立て直すのは自分だよ」と伝えていますね。嫌なことがあっても「一刻も早く切り替えた方が、次に向かえるんだよ、気持ちを切り替えるのは自分でしかできないんだよ」って言っています。
子どもってゲームで負けたときとか、スポーツでエラーしたとき、ずっとシクシクしてへこみますよね。でも失敗してくよくよする時間よりも、気持ちを切り替えて目の前にあることに集中した方がいいんです。それは芸人として活動する中で身につけたことでもあるので、子どもにもできる限り伝えています。
ーエッセイにはご自身の貴重な経験から得たものを受け継いでいきたい、といったエピソードがありましたが、お子さんに何かを伝えるとき、気を付けていることはありますか?
大人が思っているより子どもは話をちゃんと聞いています。だからゆっくり話すことですかね。
うちはお父さんもお母さんも結構厳しかったので、パッと怒るんですけど。大きい声で怒られても耳元でトランペットを鳴らされている感じで、ビクッとはするけれど、何で怒られているのか分からなかったりするんですよね。そうならないように僕はゆっくり伝えるようにしています。
エッセイは妻への感謝を込めた手紙
奥さまの感想はいかがでしたか?
読んでるところを覗き込んだら、涙をちょっと目に浮かべていましたね。ちゃんと響いてくれたのではないかなと。この本はゆかちゃんへの感謝の気持ちを込めた手紙みたいなものですから。
最初、家族をテーマにしたエッセイを書くことは照れくさくて話していなかったのですが、しばらくしてから話して、本になる前に原稿を読んでもらいました。感想はいろいろありましたけど、「出会いの場面の描写は失礼じゃない?そんなこと思ってたの」って(笑)。
夫婦で意見が食い違うときは?
あまり夫婦で意見が食い違うことはないのですが、子どもに対して片方が怒っていたら、片方がフォローに回るっていうのがうちの暗黙のルールですね。
僕が子どもを怒るのを奥さんが見ていて「そんな言い方しないでよ」って言われることはあります。福島弁で「なにやってんだっぺオメェよぉ」と言うと、「なにその聞き方」とか言われるんですよね、同郷のくせに(笑)。
やっぱりね、2人がかりで怒られたら、子どもからするとその迫力は計り知れないですから、どっちかがカバーに回った方がいいかなと思います。
仕事や趣味の時間はスイカにかける「塩」!?
仕事や趣味のアウトドア、メリハリの付け方やマイルールはありますか?
家族と過ごす時間も大切ですが、野外に行って自分の身を危険にさらすと、家族の元に帰ってきたときの安心感が増幅します。スイカに塩をかけるようなものだと思っています。
家庭の幸せを引き立てるために大雨の野外とかに行って、野営して帰るとかね。登山家もそうらしいですよ。下界での幸せを味わうために登るっていう人が多いと聞きます。
だから帰る場所がスイカだとしたら、仕事や趣味は塩のようなものです。生ハムでいうメロン、シーザーサラダでいうクルトン…ちょっと違うか、これだとただウマいだけですね(笑)。
エッセイ内で第3子が生まれることを発表
お子さんたちの反応はいかがですか?
そんなに実感わかないみたいですが、「ここにベイビーいるよ」って、お母さんを労るように教えています。3歳の次男はちょっと悔しいみたいですね。「ベイビーなんていないよ」って言っています。
子どもたちと触れ合うイベントも挑戦してみたい
今後の展望や目標はありますか?
まずはこの本を2万部売って、海外に高飛び…2万部で行けますかね?旅行なら行けるかな(笑)。
この前の出版の記者会見で「100万部」って言ったら全然ウケなかったので、「10万部」って言い直したのですが、それでも担当の編集さんが渋い顔してたんですよ。それで「2万部」って言ったらニカって反応してもらえたので、そのあたりかなと。
そして3人目も立派に育てる。1日1日成長を見届ける。そして同世代のパパ・ママたちと一緒に子育てについて共感してもらって、勇気とか幸せとかを分けられたらいいなって思いますね。
だからこそ子どもと触れ合うイベントとか、親子キャンプなどのイベントも今後やってみたいと思っています。家族連れで遊びに来ていただいて、いい週末・いい思い出にしてもらいたいなって思います。
ー気象予報士の資格へチャレンジは継続されますか?
その話題、忘れてなかったんですね(笑)。本当に…難しいんですよ。でもリュックにはいつでも勉強できるように参考書を免罪符として入れています。あと動画講座も解約していませんし、いつでも準備はできています。
いやでも、本当にね、半年頑張ったんですよ。早朝に起きて、すきま時間を使って…勉強していました。今は朝5時に起きて、6時に息子を野球チームに送迎して、朝7時半まで一緒にやっているので、勉強する時間がなかなかとれなくて…。言い訳ですけどね!
あとは家族にも迷惑かけました。週末は勉強の時間を確保するために、奥さんが子どもたちを外に連れ出してくれて。でも実は奥さんから「これがつらいんだよ」って言われたんです。
ただ、ここまで頑張ったのでもったいないっていう気持ちはあります。気象予報士を目指すLINEグループもあるんですよ。気象予報士の森田正光さんが俺のために作ってくれたんですけど、いつ退会するべきか…(笑)。でもね、ファイティングポーズはまだおろしてないです。KO寸前ですけどね。
あばれる君から同じ子育て世代のみなさんへメッセージ
僕から偉そうなことは言えないのですが、子どもが育つのはあっという間だとよく聞きます。だから1日1日を大切に過ごしたら、自分も成長できるんじゃないかなって思っています。
積極的に行事に参加するとか、子どもが生まれるまではできなかったんですね。それまでは「周りに溶け込まなくていい」と思っていました。自分だけが特別な存在で、目立っていればいいと。
でもそういうことではないと気付いたんですよね。自分が格好つけて、溶け込まないでいるよりも気持ちが楽になりました。せっかくこんな夢の職業をやらせてもらってるんだから、積極的に周りの人に話しかけていった方がいいなと。
そしたら本も出せて、こうやってインタビューもしてもらえるようになったし、それはやっぱり自分に変化があったからこそ、こういう結果に辿り着けたわけで。確実に自分の力になっているなと思います。
だから家庭を充実させることが、自分の仕事にも、自分自身の充実にもつながるよ、と伝えたいです。
書籍情報
[タイトル]自分は、家族なしでは生きていけません。
[出版]ポプラ社
発売日:2024年5月22日
定価:1540円
目次(一部抜粋)
■自分は、やさしいゆかちゃんの気持ちをないがしろにしていました。
■「芸人」になった日
■ゆかちゃんが泣いた
■合格率5%のクソヤベェ挑戦! 気象予報士試験?
■ポケモン対戦にハマってしまったと言わざるをえません。
■僕はお父さんに自分のミニ四駆が走る姿を一緒に見てほしかった。
■お父さんとして伝えられること
■息子と二人でドジャースタジアムへ
■自分のお笑いはこれだ!!
■今の僕の生きがい
ほか全42本
取材・文/金子朋子、撮影/遠藤麻美
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