中学受験の経験ママ対談①わが家の中受物語【やると決めた理由・通塾のリアル】

【中学受験連載】第8回/近年、都市近郊で増えてきている中学受験。「気になるけれど、実際どうなの?」「うちの子どうする?」未就学児〜小学生のママ・パパへ、焦ることなく、無知でもなく、「自分たちらしい選択ができるようになるための知識」をお届けします。
今回から4回に渡り、中学受験経験者の先輩ママの対談をご紹介します。リアルな体験から見えてくることもたくさんあると思いますので、ご家庭の選択の一つのご参考にされてください。※内容はあくまでお二人の個人的な経験に基づくご意見です
(お話を伺った方)
フルタイム勤務ママA(東京都在住)
兄:公立小学校→ ※中学受験なし/都立中学 →都立高校へ進学→大学生。
妹:公立小学校→ 私立女子中・高一貫校へ進学。※好きなことが学べる私学一択
フルタイム自営ママB(東京都在住)
姉:公立小学校→ 女子教育で有名な私立女子中・高一貫校へ進学。
弟:公立小学校→ 進学校として有名な私立共学中・高一貫校へ進学。

中学受験を決めた理由と背景には、東京ならではの事情も?
Q. お子さんの中学受験を(することを)決めた理由は?
Aさん(以下A):うちは兄と妹がいて、兄は中学受験はしていないんです。中学まで公立で、都立高校を受験、現在は大学生です。妹はそのコースが向かないと思ったので、中学校から私立へ入れる決意をしました。
私は自分が東京出身で公立小から都立高校受験の経験者なので、都内の公立中学校から都立高校へ受験するには「内申点をいかに取るか?」の競争になる一面があることは経験上よく知っていました。 でも、兄の時は、世の中の多様性を知るという意味で、あえて中学生ぐらいまでは幅広い人たちと触れてもらいたいと考え、公立を選びました。
それで、公立の中でも、いわゆる”良い”とされるエリアの有名公立中学校に入れたんです。ですが、そのクラスは当時、結構荒れてしまっていて。さらに、最後の1年は、私の時代よりも、はるかにシビアな”内申点合戦”がありました。そんな中でも、長男は、授業態度にも気をつけて、結果的には良い内申点を取れたので、結果オーライ。
ただ、娘は、全9教科に気を配って内申点を稼ぐようなことが得意な性格ではないと思ったので、私立受験を決意。中学受験をすることで、6年間娘が好きなことを思い切りやらせてあげたいなと思ったんです。
このように公立・私立の選択は、子どもの性格上の向き・不向きがあるので、親の判断が必要だと思っています。
Bさん(以下B):うちは、お姉ちゃんと弟の2人きょうだいで、子どもは二人とも中学受験しました。
私自身は地方出身者なので、私立中学受験は未経験です。大学は東京の大学出身なのですが、大学時代から、東京出身者でお友達になった子たちが、みんな私立育ちだということに薄々気づいていたんです。その後就職して仕事を始めても、やっぱり東京出身で仲良くなった人は、みんな私立出身者。
なので、「東京では私立に入った方が、自然なんだろうな」と思うようになりました。なんとなく「地方と違って、東京はそういうものらしい…」と。
なので、上のお姉ちゃんは「 ちょっとやらせてみようかな」みたいな感じで始めました。現実を何も知らなかったので、中学受験のスタート時期は、小学校3年生の2月からが一般的ですよね。なので、「どうせその後めっちゃ勉強させるし、 あんまり最初からやらせると勉強が嫌になっちゃいそうだから、それまでは、いいや!」と思って、小3の2学期までは、本当にお勉強系の塾には一切行かせませんでした。
ところが、今思うと、そんな考えは甘かったと言いますか。本当にゼロからのスタートだったので、 最初の1年間は、塾に慣れることだけで本人も私も精一杯でしたし、成績も散々。
ただ「塾に行かせてれば万事OK」と思い込んでいたので、 予習復習を塾以外の時間で勉強させなきゃいけないと気づいたのが、 すでに5年生の終わりぐらい。 その辺から、やっと焦り始める、っていうのが1人目の経験でした。
その経験を踏まえて(お姉ちゃんがそれでひどい目に遭っているのを見たので)、 2学年下の弟は、2年生から夏期講習や春季講習などに少しずつ行かせ始めたんです。
そしたら、いざ始める時にも、やはりスムーズで、受験をすることも本人が当然のように捉えてくれていて、最初から成績も取りやすかったと感じます。やはり、親としても、一度経験していると心構えと準備に差が出ますよね。知っていることは、確実にアドバンテージだと思います。
私立学校の選択肢が多い東京都ならではの背景もあり、東京・東京近郊は特に白熱しがちな中学受験事情が見えてきます。第2弾は、5月23日(金)に公開予定。お二人の塾の選び方などを語っていただきます。