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思いきって受けた「スクールカウンセリング」相談前と後の変化
「カウンセリング」と聞くとどんなイメージですか? 私は恥ずかしながら、カウンセリングを受けに行くということは、問題を抱えているというのをまわりに対して開示してしまう気がしていましたし、「問題がある」ということを自分自身が認めるような気さえしていたのです。
けれど、カウンセリングを経験してみてわかったのは、懸念は杞憂で、スクールカウンセラーは「じっくりと話を聞いてくれて、私自身が気づかなかったことを気づかせてくれ、行動をあと押し」してくれる心強い存在でした。
今回は、時には学校との橋渡しにもなってくれる「スクールカウンセリング」について私が経験して感じたことを紹介します。
初めてのスクールカウンセリングを受けたワケ
子どもの学校で、「スクールカウンセリング」を受けられることや月1回募集をしていることは知っていましたが、ずっと私には無縁な存在と思っていました。
けれど、あるとき子どもが「クラスメイトに付きまとわれて困っている」と泣くようになりました。一度は、担任の先生に話をしたものの、仲良くすることは悪いことではないとの見解で、いじめではないので何の配慮もありませんでした。しかし子どもの悲しい気持ちや不安定さは続き、私も何をどうしてあげるのがよいのかわからない日が続きました。
ちょうどそのころ、私には気軽に相談する親戚や友人も近くにいなくて、かといって何度も先生には言いづらく、メンタルクリニックの門をたたくほどでもないと思ったこともあり、自分の中ではかなり思いきって、「スクールカウンセリング」に申し込んでみたのです。
スクールカウンセリングは、その学校で行うときも多いのですが、その時はたまたま近くの中学校に案内されました。学校の相談をしようと思ってたので緊張しつつも、知った人に会うリスクが低くホッとしました。もちろん、プライバシーは配慮されますし、相談内容などは基本的に守秘義務があります。
最近では、コロナ禍でオンライン化も進んでいるようで、学校に出向かず自宅からZoomなどでカウンセリングを受けることも可能になっているところもあるようです。
話を聞いて肯定的なアドバイスをもらえる
カウンセリング自体が初めてだった私はとても緊張していたのですが、スクールカウンセラーは、ゆっくり丁寧に話を聞いてくれました。
そして、「子どもがSOSを出してくれるのは家庭できちんと話を聞いているからだよ」とか「子どもがイヤだということを言えるのがすごい」とか、とにかく肯定的に親のことも子どものことも、たくさん褒めてくれたことが印象的で、その言葉に安心しました。
カウンセリングに行く前は、子どもが話してくれることにあれこれアドバイスをしてみたり、私自身の子どもに対する対応も試行錯誤で定まらなかったのですが、カウンセリングを受けてからは、ただただ話を聞いて、子どもの味方でいようと、ストンと心が決まったのがよかったです。
私自身がカウンセリングでゆっくり話をすることで、子どものストレスを聞くうちに自分もずいぶんストレスをためていたんだと気がつくいい機会でもありました。
学校への意見の出し方のサポートアドバイスも
私がもっともスクールカウンセリングのありがたさを感じたのは、スクールカウンセラーが「私から学校に伝えることもできます」と言ってくださったときでした。
あくまでも「本人の希望があれば」ですが、私が相談したケースの場合では、子ども(や親)のメンタルヘルスの観点から、学校に報告やアドバイスをスクールカウンセラーの方から提示することもできると言われました。
また、私自身が学校に何かを伝える場合にも、必要であれば、「スクールカウンセラーから助言頂いたので」というようにスクールカウンセラーから言われたということを言い添えてもいいですよと許可をいただきました。
そして、スクールカウンセラーに頼る・頼らないににかかわらず、学校へ伝えるときのアドバイスとして、「学校運営に協力したいと考えている」「子どものメンタルヘルスの懸念から」ということをまず先にきちんと伝えると、学校としても話を聞いてくれやすいとアドバイスもいただきました。
スクールカウンセラーは心強い味方
ドキドキしながら受けたスクールカウンセリングですが、受けてよかったという感想に尽きます。
気持ちに寄り添って話を聞いてくれるというのは、通常のカウンセリング同様かもしれませんが、「スクールカウンセリング」であるからこそ、あるときは「学校との橋渡し」になってくれる心強い存在だということがわかりました。子どもも親もトラブルや問題に遭わないのが一番ですが、学校に直接相談しづらいことも、客観的な立場で解決のアドバイスを提示してくれるスクールカウンセリングは、いざというときの心強い味方です。何か困ったことがあったときのひとつの方法としてその存在を知っていてもらえたらいいなと思います。