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イベントレポート
光熱費に年間6万円の差も!?
子育て家庭の家計と健康を守る
断熱性能の高い家選び
断熱性能の高い家で暮らすと家計や医療費に大きな差が生まれるデータがあることを知っていますか?今回は東京都主催の最新住宅イベントから、エコで健康的に暮らせる住まいのヒントをレポート。子どもや高齢者の健康を守る住宅の最新事情をお届けします。
東京都主催「賃貸住宅断熱推進イベント」が開催
2025年8月、東京都は「断熱でここまで変わる!賃貸選びの新常識~健康・お財布・地球にやさしい都の賃貸革命~」と題したトークイベントを開催しました。
このイベントでは、賃貸住宅オーナーでもあるタレントの天野ひろゆきさんと、同じくタレントで子育てをするママでもある生活者代表として関根麻里さんが登場。慶應義塾大学名誉教授で環境建築の専門家の伊香賀俊治先生とトークセッションを実施し、住宅の断熱性能向上が、なぜ賃貸住宅のオーナーや入居者にとって必要なのかを分かりやすく解説しました。


ヒートショックは夏でも起こる!?健康に大きく影響する家の断熱

イベントではまず、新百合ヶ丘総合病院救急センター長の伊藤敏孝先生による映像メッセージから、家の断熱性能による健康面からの影響について語られました。
「熱中症の発生場所は一般的に屋外が多いと思われがちですが、実は約40%が住宅室内で起きています。また、65歳以上の熱中症は主に自宅で起きています」と熱中症のリスクについて語る伊藤先生。
関根さんは「高齢の父も、子どもと同じように心配ですよね」と、72歳の誕生日を迎えたばかりの父親・関根勤さんの健康を気遣う様子を見せていました。
伊藤先生は続けて、熱中症対策だけでなく、ヒートショック対策としても断熱の重要性を説明。
「例えば冬、リビングは暖房で暖かいのに、トイレや脱衣所の温度が下がっていて、入浴時に急激な温度変化で体に負担がかかることがあります。実は夏も同様に、クーラーをつけた部屋からトイレや寝室に移動した際にかなり室温が高いなど温度差が大きいと、いわゆるヒートショックを起こす恐れがあります」
それを防ぐためにも住宅の断熱性能を高めることが大切だと話す伊藤先生。冬の寒さが厳しい北海道などでは二重窓が一般的であることが広く知られているように、断熱は冬の寒さ対策として語られることが多いですが、「室温を一定に保つ」という面で、季節に関係なく、さまざまな効果があるという情報が語られました。
伊藤先生のVTRを見た関根さんは驚きの表情。「ヒートショックって冬のイメージがあったけど、夏でもあるんですね。二重窓などが寒さだけでなく暑さ対策にも効果的だということも初めて知りました」と感想を述べていました。

スペシャルトーク&クイズ「教えて!伊香賀先生」
続いて行われたのは、環境建築の専門家・伊香賀俊治先生を迎えての2択クイズコーナー。イベント観覧者も挙手で参加し、どちらの選択肢にもほぼ同数の手が上がるなど、難易度が絶妙で、断熱住宅のメリットを分かりやすく解説する内容が印象的でした。
- 東京都の冬の平均室温は北海道より寒い?
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クイズに答えるお二人。北海道の断熱性能の高さに驚いていました 正解は「マル」。冬のリビング(在宅中平均居間室温)平均室温は北海道が20℃に対し、東京都は17℃というデータがあるそう。これには会場も驚きの声が上がりました。
天野さんは「北海道の室内は、しっかり断熱して暖房をつけて暖かくしているからってことですね。確かに僕の実家は愛知県の田舎ですが、実家はなんであんなに寒いんですかね。実家に泊まると、僕外で寝てるのかなって思う時ありますけど」と笑いを誘っていました。
- 賃貸住宅の断熱性への不満、第1位は結露?
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正解は「バツ」。実は「冬の床の冷たさ」が第1位でした。ちなみに断熱性能が高いと、温度差によって発生する結露や、それによるカビが発生しにくくなるのは本当。掃除や手入れが楽で美しく保ちやすい上、アレルギーリスクも低減するのだそう。
「確かに底冷えするフローリングって冷たいですよね。夏はいいけど冬は…」と天野さんも実感を込めて話していました。
- 集合住宅の全ての窓と外壁改修をした住居の試算では、光熱費が年間で最大6万円削減できますが、医療費は断熱性能の違いによって年間200万円以上変わるというデータがある?
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クイズの答えについて解説する伊香賀先生 これは引っかけ問題で、正解は「バツ」。200万円以上の差は年間ではなく30年間での累計でした。
正確には断熱性能が低い「等級3」の住宅と、断熱性能の高い「等級6」の住宅では、30年間で医療費に約270万円の差が出るという研究結果が出ているのだそう。
ちなみに等級3と等級6の住宅で比較すると、等級6の住宅の方が、気管支喘息で約20%、アトピー性皮膚炎で約25%、手足の冷えでは約55%も健康改善効果が高いこともわかっています。
伊香賀先生から年間で医療費に9万円の差が出る場合もあると知らされた天野さんは、「先ほどの光熱費と合わせると年間で合計15万円も変わってくるということですもんね。断熱工事にかかる費用と30年の合計差額を見ないとわからないけど、やった方がかなりお得のようですね」と実感を込めて話していました。
- 世界と比べて日本の住宅の断熱性能基準は厳しい?
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関根さんは「そもそも基準があるのかなって…みんなのモラルに任されているのかと思っていました」と迷いつつマルを選択しましたが、正解は「バツ」。この答えに天野さんも驚きの表情を見せます。
伊香賀先生によると、実は日本は欧米などに比べて基準が緩く、ようやく今年度から新築住宅の省エネ基準適合が義務化されたばかりとのこと。そのため、最初から厳しい基準で義務化するのは厳しいという観点から、比較的緩い基準からスタートしているのだそうです。ただし将来的には段階的に、欧米並みの基準に引き上げられる予定であると政府から発表されているとのことでした。
- 賃貸住宅が断熱化されているかどうかは、オーナーに確認しないとわからない?
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これには、大家としての立場から「いや、うちは対応していないんですよって答えたくないですね…」と漏らす天野さん。ところが伊香賀先生によると「住宅を理解する時、賃貸契約の時などに確認することができる省エネ性能の表示が、努力義務として日本でもはじまっている」そうで、正解は「バツ」。
伊香賀先生は「努力義務ですから、中にはそういう表示がない賃貸住宅もあるかもしれませんが、もし同じ家賃だとしたら、選ぶ側は、ちゃんとこの表示が出ている省エネ性の高い住宅を選んだ方が良いですよね」と言います。
会場のスライドでは、不動産情報サイトでは、ZEH(ゼッチ)や省エネの文言を含む広告の掲載数が、2021年から約3倍になったというデータも公開。ZEHとは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、太陽光発電などで創るエネルギー量で相殺し、年間のエネルギー収支を実質ゼロ以下にすることを目的とした住宅のことを指します。
最近では若い世代の賃貸住宅探しでも、断熱性能の高い家で育ってきた人が増えていることから、賃貸住宅の性能をチェックする人が増えているそう。
これを受けて天野さんは「今自分が貸している物件の省エネレベルがどのくらいなのか知りたいな」と住宅診断に興味を感じている様子を見せていました。
賃貸住宅オーナーを伴走支援する「コンシェルジュ」について
イベントでは、東京都が提供する賃貸物件のオーナー向けの「コンシェルジュ」サービスについても紹介されました。これは賃貸住宅のオーナーを伴走支援するサービスで、東京都へ登録されたコンシェルジュ事業団体に所属している事業者が派遣されます。
コンシェルジュ事業者は賃貸物件を実際に訪問し、省エネ性能の診断はもちろん、改修前後に最大4回、無料で改修方法や改修のメリット、補助事業の案内を説明・相談してくれるサービス。すべてのプロセスに寄り添って支援してくれるのが特徴です。
天野さんは「最近では悪徳リフォーム業者のニュースもよく見かけますから、最後で寄り添ってくれるのは安心ですよね。しかも無料で利用できるなんて。自分のマンションの今の状況を知っておくのは、これからのセールスポイントにもなり得るわけですから、調べさせてもらったほうがいいですね」と前向きにコメントしていました。

こうした支援によって賃貸住宅オーナーの断熱化が進めば、高断熱な賃貸住宅の選択肢も広がることが期待されています。
断熱素材の実力は触れてみて実感!
イベント会場では、実際に断熱素材の実力を体感できる展示コーナーも。二重窓や最新の断熱ボードなどに触れてみると、一度触っただけでも一目瞭然というレベルで熱の伝わり方が全く違い驚きました。極力手間をかけずに住みながらリフォームができる建材もあり、予算に合わせた断熱改修を検討することもできそうです。
展示の説明をしてくれたスタッフからは「東京都に住んでいる方なら、国と都の両方から補助金が下りるので、断熱リフォームをするなら今は絶好のチャンスですよ」という声も聞こえました。
自宅のリフォームを検討している人や、断熱素材の実力を実感してみたい人はぜひモデルルームなどで実際に触れてみることをおすすめします。


子育て世帯が断熱性能の高い住宅を選ぶべき理由
イベントを通じて見えてきたのは、断熱性能の高い住宅が、日々子どもの健康に気を配る子育て世帯にとっても重要だということです。そこで、イベントでは映像メッセージで登場した伊藤敏孝先生に、子どもが寒暖差から受ける影響がどれほどなのかを質問。特に未就学児から小学生の子どもを育てる世代が住環境を整える上で大事にすべきポイントをうかがいました。
住宅選びで必ずチェックしたい断熱性能
今回のイベントから分かったのは、断熱性能は単なる節約や省エネ対策ではなく、「家族の健康」と「暮らしの質」に直結する重要な要素だということです。
関根さんも「今日のイベントで、断熱や省エネが家計に優しいだけでなく、こんなにも健康面に影響することを知りました。子どもたちのため、そして父のためにも、こういう対策をどんどん意識していきたいと思います」と締めくくっていました。
これからの住まい選びでは、「断熱性能の高さ」が新しいスタンダードになりそう
PRESENT
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https://concierge.metro.tokyo.lg.jp/
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子どもは大人と比べて体温調節が未熟ですから、外気の影響を受けやすいです。室温が高い場所にいると発汗がうまくできず体温が下がりにくくなり、発熱するケースもあります。また予備力もないので、脱水傾向になりやすく、さらに体温調整が難しくなる原因になります。そのため、生活をする場所は一定の快適な温度にいておくことをおすすめします。