家電ライター直伝!防災しながらアウトドアも楽しめる「ポータブル電源」の選び方

家電ライター直伝!防災しながらアウトドアも楽しめる「ポータブル電源」の選び方

万一の停電や災害に便利なポータブル電源。“もしも”のためと思うと、値段的にハードルが高く感じますが、“どこでも電気が使えるアイテム”と思えば、ぐんと身近に感じられるはず!
今回は、あると便利なポータブル電源の選び方、使い方をご紹介します。

ポータブル電源が急速に普及している!

EcoFlowのポータブル電源「DELTA 3 1500」はスタイリッシュなデザインも人気です

「ポータブル電源があると安心だろうけど、迷っている」という人も多いと思いますが、実は今、ポータブル電源の普及が急速に進んでいます。マーケティングリサーチ会社「GfK/NIQ Japan」によると、家電量販店における2024年4月~11月の販売数量は、前年同期比90%増と約2倍に成長。これは2024年1月に発生した能登半島地震の影響も大きいようです。

日本は災害が多いので、停電時でもスマホやパソコンの充電から調理、照明まで、さまざまな家電が使えるようになるポータブル電源は、持っておくと安心なのは確かです。しかしそれ以上に「アウトドアが手軽に楽しめるようになった!」というポジティブな声が多く、特にお子さんがいる家庭で活躍するシーンが多いんです。

ポータブル電源の選び方

今、日本市場で主に流通している家庭用ポータブル電源には、EcoFlow(エコフロー)、Jackery(ジャクリ)、Anker(アンカー)、さらに近年はアイリスオーヤマが参入しています。しかし、いざ購入しようとホームページを開くと種類が多く、どれを選んだらいいか迷ってしまうかもしれません。

一番チェックしたいのは、バッテリー容量です。「バッテリー容量」とはバッテリーセルが持つエネルギー量で、「1000Wh」なら理論上は「1000Wの電力を1時間使える」という意味です。ただし実際は、その8割程度(EcoFlowは9割以上)が使えるとされていますので、「800Wの電力を1時間使える」と考えるといいでしょう。EcoFlow(エコフロー)の「DELTA 3 1500」は、バッテリー容量1536Wh(定格出力1500W)とあり、スマホなら130回、電子レンジ(1300W)なら1.2時間使えるなど、高出力の家電を含めたほとんどの家電が使えるので、万一のときも安心です。

一方で容量が多くなればなるほど、値段も高く、本体も重くなります。「DELTA 3 1500」についても、定価は18万1500円(※)、重量は約16.5kgとなかなかの重さに。そのため「より手軽に使いたい」という人は、容量600Wh前後で選ぶといいかもしれません。同メーカーの「EcoFlow RIVER 2 Pro」はバッテリー容量768Wh(定格出力800W)と使用時間は短くなりますが、重量は約8.25kgなのでアウトドアへも持ち運びやすく、定価も8万8000円(※)と「DELTA 3 1500」の半額以下です。

※価格はセールで割引になる場合もあります。最新の価格は下記から確認を
EcoFlow 「DELTA 3 1500」

ポータブル電源でアウトドアライフを手軽に満喫

Ankerの発表会でも小型から大容量タイプまで、幅広いラインナップが展示されていました

ポータブル電源は万一のときのために、としまいこんでしまうと、いざというときに使い方がわからなかったり、出してみたら「充電されていなかった!」なんてことにもなりかねません。そうならないためにも、常に出しておき、日常的にガンガン使いこなしましょう。

近年はバッテリーセルに寿命(サイクル数)が長い「リン酸鉄リチウムイオン電池」を使用しているものが主流で、「DELTA 3 1500」なら3000サイクル(3000回充電が繰り返せる)、つまり1日1回使用・充電しても約8年間は持つ計算になりますので、心配不要です。

筆者自身も、もともとアウトドア派ではないですが、ポータブル電源を使うようになってから、河原に行って電気ケトルでお湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、ホットサンドメーカーでホットサンドを作ったり、手軽にアウトドアライフを楽しめるようになりました。小さいお子さんがいるご家庭なら、ドライブのときに必要な家電と一緒に車に積んでおけば、プールや海で遊んだ後に濡れた髪を車で乾かしたり、赤ちゃんの粉ミルク用のお湯を沸かすこともできます。

こうした体験は、万一の災害時にも役立ちますので、普段から楽しみつつ活用するといいですね。

ポータブル冷蔵庫の給電に使ってみたこともありますが、問題なく使えました。クーラーボックスのように保冷剤を心配することなく、肉などの生鮮食品や飲み物を冷たいまま持ち運べますね(画像はJackery)

実際に家で使ってみたら…

炊飯器にも問題なく使えたので、万一の停電時でも温かいご飯が食べられます

では本当に問題なく使えるのか、EcoFlowの「DELTA 3 1500」でご飯を炊いてみました。わが家で使っている炊飯器が圧力IHで消費電力が大きかったこともあり、多少の揺らぎはあったようですが、従来通り53分でツヤツヤな炊き上がりに。バッテリー残量は99%から74%まで減っていましたが、まだまだ使えます。その後、電気ケトルでお湯を沸かしたり、ドライヤーで髪を乾かしたり、使いたい場所にコンセントが移動できたという感覚で使えました。

ちなみにポータブル電源への充電はコンセントから行いますが、長期間のアウトドアや災害時に備えて、太陽光発電パネルを用意しておくと安心です。各メーカーで別売り(もしくはセット)で用意しているので、チェックしてみてください。

USBポートも複数あるので、家族のスマホの充電場所にしてもいいですね

そのほかのおすすめ機種

Anker 「Anker Solix C1000 Gen 2 Portable Power Station」

●わずか54分で100%満充電に

Jackery 「Jackery Solar Generator 1000 New 100W ポータブル電源 ソーラーパネル」

●ソーラーパネルが付属し、エンドレスに充電が可能

※記事中のリンクから商品を購入すると、売上の一部が当社に還元される場合があります

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担当カテゴリー

ITデジタル

家電ライター 田中真紀子

仕事と育児の両立に悩んでいたときに、家事をラクにしてくれる家電にどハマりし、家電専門家の道へ。最新家電情報をいち早くキャッチし、自宅で使いこなしながら幅広いメディアで発信している。的確な視点で忖度なく評価するため、読者やメーカーからの信頼も厚く、家電記事監修や家電コンサルタントとしての依頼も多い。NHK「あさイチ」をはじめテレビ・ラジオにも多数出演。TikTok「家電のまきこさん」でも家電情報を発信中。

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