食中毒に注意!麦茶やカレーの保存法どうしてる?
ムシムシ暑い梅雨の季節がやってきました。この時期から夏場にかけて、特に小さな子どもがいる家庭では、食中毒なども心配ですね。
今回は、食育指導士で看護師の資格を持つ小林エリさんに、日常生活でついやりがちなことを中心に気をつけたいことを教えていただきました。
麦茶はどうやって作っていますか?
わが家は、子どもが3人の5人家族。毎日、やかんに5リットルのお湯を沸かして麦茶を作っていました。
その後、常温で自然に冷めるのを待って冷蔵庫に入れていたのですが、それがNGだと聞いてびっくり!
■麦茶は作ったらすぐに冷やす
麦茶を作ったら、まずはやかんごと水を張ったボールや桶などに入れて、できるだけ早く冷やすことが大事。
なぜかというと、常温と言われる温度が、菌が好む温度30度~40度であり、その温度を保つ時間が長いほど、細菌が増えやすいのです。常温で放置するのは、菌が増える格好の環境を作り出すことに!
できるだけ、その温度の時間を短くすることが細菌を増やさないことにつながるのだそうです。
■水出し麦茶は?
個人的には、一度沸騰させて麦茶を作る方が安全な気がしていましたが、「水出し麦茶」について聞いてみると…。
実は、沸騰させて常温放置するよりも、水出しの方が菌の繁殖が少ないとのこと。
この場合も、暑いところに置きっぱなしにせず、保冷することが大切です。
洗い桶に大きなやかんを入れて冷ますとシンクの洗い場が使えないためにジャマ…という理由で、そのままコンロに放置で冷ましていたわが家。この夏からは「早急に冷やすこと」を取り入れたいと思います。
2日目カレーは要注意!
カレーを作るなら2日分まとめてという家庭は多いのではないでしょうか。わが家でもそれが当然だったのですが、小林さんによると「2日目カレーは注意が必要です。どう保存するかが重要」とのこと。
注意点とベストな保存方法を聞きました。
■常温での放置は危険!再加熱時には中までアツアツに
わが家は涼しい季節は鍋のまま放置が基本でした。ただ、一度暑い季節に常温でコンロに置いておいたら、2日目に「これはちょっとやばい?」と思ったことがあり、それ以来、夏場は冷めた後に鍋ごと冷蔵庫に入れるように。
小林さんいわく、やはり常温での放置は、麦茶と同様に、細菌が増えやすい温度に長時間さらされるので危険だそうです。
そして、鍋で再加熱するときに気をつけたいのが、その温度。よくかき混ぜながら内部まで熱々になるようにすることが大事だとか。
わが家でも、しっかり温めたつもりでも部分的にアツアツじゃない時があるので、気をつけなければと肝に銘じました。
■残ったら小分けにして冷蔵庫が安心
基本的には、残ったものは小分けにして冷蔵庫に入れて保存。小さく分けることで冷めるまでの時間がかからなくすることが大事なんだそうです。
夏場のおにぎりはラップを使って
環境問題にも詳しい小林さんは、使い捨てのラップを使うことに抵抗を持ちつつも、必要な時に必要なだけ使用し適切に処分するということを意識して、夏場はラップを使ってのおにぎりをすすめています。
私は、普段からおにぎりを握る時はラップを使っていましたが、小林さんは「おにぎりの具材も、素手でなく箸を使って入れましょう」とのこと。
私はつい、梅干しなどを指で入れたりしがちでしたが、そこも注意が必要だなと反省しました。
コロナ予防だけじゃない、基本の手洗い
小林さんは、「多くの人が新型コロナウイルス予防を意識して、すでに習慣化していると思いますが、食中毒予防にも手洗いはとても大事。“食べる前には必ず手を洗う”ということを子どもに習慣づけることはもちろん、作り手が調理の前には丁寧に手洗いをすることを忘れないようにしてください」と話します。
また、「作り置きは便利で、毎日の料理を担うママやパパの強い味方ですが、夏場は特に衛生管理は十分にした上で活用してほしいと思います。また、日頃から免疫力や胃腸の調子を整えることを意識してほしいですね。それから、食事のメニューはもちろんですが、家族で楽しい食卓を囲むということが心身の健康には欠かせないと思います」と話されました。
今回のお話で、普段何気なくやっていること、家庭内では当たり前になっていることにも注意が必要と知りました。
家族の健康を守るために、意識して生活を見直したいと思います。
■取材協力
京都sakura工房 小林エリさん