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スポーツすることをあきらめない~SMBC TOKYO SOLUAが示す“夢と仕事の両立”という選択肢~

三井住友銀行(SMBC)が、女子バスケットボールWリーグに新しいチーム「SMBC TOKYO SOLUA(ソルーア)」で参入します。ただこのチーム、普通の実業団チームではなく、なんと選手たちは銀行員として働きながら、競技にも本気で取り組む“両立型チーム”なのだそう。スポーツも仕事も…“どちらも選べる”という時代が始まりました。今回は「SMBC TOKYO SOLUA」の新体制・新プロジェクト発表会を編集部が取材し、紹介します。
スポーツか仕事か。女子アスリートが直面してきた「あきらめ」に「待った!」

「好きなことを続けたい。でも、将来のことを考えると……」女子アスリートたちも多くの女性たちも、ずっとそうした“あきらめ”と向き合ってきました。
SMBCの調査では、プロや実業団を目指す男子学生は約10%に対し、女子はわずか1%。さらに、女子アスリートの75%が「周囲の反対」で競技をやめ、81%が結婚・出産などのライフイベントで競技をあきらめている、というデータも出ているそう。そんな「競技を続けたい。でも就職も必要。どうすればいい?」という、スポーツを愛する全ての女性が突き当たる課題に対して、SMBCは本気で取り組み始めました。
両立を叶える新しいチームの形、SMBC TOKYO SOLUA

「SMBC TOKYO SOLUA(ソルーア)」は、選手たちが銀行で働きながら、夕方から限られた時間で練習を行う“両立型チーム”。単に勤務と練習を並行させるのではなく、データや科学的手法を取り入れた効率的なトレーニングや、セカンドキャリア支援、ライフステージを見越した柔軟な対応など、実行性のある仕組みづくりが進められています。
チーム名の「SOLUA」は、ポルトガル語で太陽(Sol)と月(Lua)を意味し、「仕事と競技の両立」を象徴しています。
社会にも広がる挑戦、SOLUACTIONも始動

さらにこの取り組みを底上げするため、「SOLUACTION(ソルーアクション)」も始動。これはSMBCとアディダスが連携して取り組む社会貢献プロジェクトです。
女子アスリートや次世代の子どもたちに「選択肢のある未来」を届けることを目的に、女子中学生向けのスポーツイベントや、子どもたちによるユニフォーム制作体験、金融・経済教育の提供、バスケットゴール設置によるチャリティなどを展開予定。
競技支援にとどまらず、教育や地域と結びついた多角的な支援を通じて、“スポーツをあきらめなくていい環境づくり”を目指しています。
「1つしかできない」なんて思わないで。
トークセッションでは、出産後も現役を続けている陸上選手の寺田明日香さんと、元陸上選手の為末大さんも登壇。

寺田さんは、「自分の考えや体調よりも、周りの目の方が重かった」「“母親なら育児優先でしょ”という空気に押しつぶされそうだった」と、両立を考えた当時の周囲の状況を赤裸々に語りつつも、「一つのことしかできないと思いがちだけど、実はそうじゃない。いろんな自分を持つことで、視野が広がる。だからもっと、自分に貪欲になっていいんです」と続けました。

為末さんも「スポーツって、選手が幸せになるためにやるもの。仕事との両立を通じて、社会で生きる力にもなる」と、スポーツを取り組み続ける価値を訴えていました。

また、SMBCソルーア所属の平田彩乃選手も登壇。大学時代までバスケに打ち込んだのち競技を辞め就職した一人でしたが、再びソルーアで活動することに。「このような貴重な機会だからこそ挑戦したい」と意欲を燃やしていました。
私たちにも、子どもにも、未来を選べる社会を
この取り組みは、アスリートだけの話ではありません。「子どもがやりたいことを続けられる社会にしたい」と思っているママたちや、「昔、何かをあきらめた自分」、そして「これからどう働くか悩んでいる家族や後輩たち」にとっても、夢を追い続けるためのロールモデルとなる取り組みではないでしょうか。

ソルーアは国内トップリーグ「Wリーグ」の2部(フューチャー)に、10月に開幕する2025~26シーズンから参戦します。注目して応援していきたいチームですね。
企画・編集/&あんふぁん編集部、取材・文/たいらゆい
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