実家の親の介護が不安、お金の負担はどのくらい?

実家の親の介護が不安、お金の負担はどのくらい?

貯蓄や投資について学んだり、FPに相談したりしながら、家計管理をしてきたママ。それでも消えない介護の不安について、お金のプロがアドバイスします。

今回の相談者

A.Nさんの画像

35歳/団体職員

A.Nさん

パパ(42歳・建設業の正社員)、長女(9歳)、次女(6歳)の4人家族、持ち家あり。実家がお金に困った経験があるので、私はお金で苦労したり、子どもに迷惑をかけたりしたくありません。でも不安なのが将来の親の介護。おそらく年金ももらえないので、私にどのくらい金銭的な負担が来るのか…。子どもが私立中高や遠い私立大学を希望するなら叶えたいですし、本当は海外旅行にも行きたいのですが。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)

  • パパ

    280,000

  • ママ

    350,000

  • 児童手当

    20,000

月間支出

  • 住居費

    139,000

  • 保育料・教育費

    48,500

  • 保険料(終身保険)

    67,200

  • 水道・光熱費

    25,000

  • 通信費

    15,800

  • 車費

    25,000

  • パパ、ママのお小遣い

    40,000

  • 食費

    90,000

  • レジャー費

    30,000

  • 日用品、被服費

    15,000

  • その他(医療費、奨学金返済)

    43,000

月間貯蓄

  • iDeco

    20,000

  • 貯金(児童手当)

    20,000

ボーナス時収入(年間)

  • パパ

    800,000

  • ママ

    1,600,000

ボーナス時支出(年間)

  • 旅行・帰省など

    150,000

  • ドル建て保険

    400,000

  • 子どもイベント費

    250,000

  • ふるさと納税

    200,000

  • その他(雑費)

    50,000

ボーナス時貯蓄(年間)

  • 貯蓄

    1,350,000

現在の総貯蓄

  • 普通貯蓄

    730,000

  • NISA

    5,600,000

  • ジュニアNISA(2人分)

    7,000,000

  • ドル建て保険、その他

    10,070,000

advice 1 介護費や医療費は自己負担の上限額がある

介護保険の自己負担は基本的に1割で、在宅介護の場合、自己負担平均額は月4万8000円(※)。医療費がかさんでも高額介護合算療養費制度があり、住民税非課税世帯で所得が一定以下なら年間の負担上限額は70歳未満で34万円、70歳以上で19万円です。できればご両親のねんきん定期便を見せてもらい、具体的に把握できると漠然とした不安を軽減できるでしょう。
※生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/2021(令和3)年度

advice 2 教育費は準備万端。全体の家計計画も◎

大学の資金として、ジュニアNISAの積立は今年で終わり、ドル建ての保険料支払いもあと5年だけ。これで1人1000万円ずつ準備ができるので、遠方の私立大学で1人暮らしすることになっても大丈夫でしょう。私立中高に行っても学費は目先の家計から出していけます。下の子の大学入学後は老後資金を貯められ、住宅ローンはパパ58歳で完済。とてもいい計画です。

advice 3 海外旅行は貴重な体験。行けるタイミングでぜひ

海外旅行は我慢しないで。子どもの受験期には行きづらいので、子どもが2人だと行けるタイミングが限られます。まずは今年~再来年の間に1回、さらにその先にも1回くらい、計画してみてください。賞与や退職金もあり、家計管理もしっかりできているので、海外旅行に行っても将来の家計が揺らぐことはないはず。家族の貴重な体験にもお金を使いましょう。

result 介護費用は親自身の家計から出せる範囲で

ママは実家がお金に困った経験から、お金の不安がやや強すぎるのかもしれません。子世帯がしっかり者だと親世帯を心配しがちですが、介護費用は親自身の家計から出せる範囲で考えるのが原則。子どもだからと全部背負い込まないようにしましょう。ご自身の家計は緩めすぎなければ大丈夫なので、今の暮らしも楽しんでくださいね。

※この記事は、2023年11月発行の「ぎゅって首都圏版12月号」に掲載した記事を再編集したものです

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ファイナンシャルプランナー 氏家祥美

FP事務所「ハートマネー」代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。子育て世代からリタイアメント層まで、家族のお金とキャリアの相談が得意。オンライン相談も実施中。

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