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2023年最新版!子育て世代がもらえるお金は?特別給付から定番手当まで

2023年最新版!子育て世代がもらえるお金は?特別給付から定番手当まで

子どもひとりにつき、大学を卒業するまでに必要なお金はなんと1000万円以上! 衣食住も合わせると総額3000万円以上にもなるといわれています。親としては子どもの夢を叶えるためにも費用を工面したいところですが、相次ぐ値上げで日々の暮らしもアップアップ。そこで今回は子育て世代がもらえるお金について詳しくまとめました。出産や子育て、暮らしに関する国の支援や手当を知って、賢く生活コストを削減しましょう。

妊娠・出産に関する給付金と支援金

一般的に妊娠・出産にかかる費用は、平均50万~100万円ほどです。この金銭的な負担をサポートするために、国や地方自治体でさまざまな給付金や助成制度が設けられています。

代表的な制度が次の3つです。

1.出産育児一時金
2.出産手当金
3.妊婦検診費の助成

出産育児一時金

子どもを出産したママが加入している医療保険制度から受け取ることができる一時金です。一度の出産につき42万円が健康保険から支給されます。

対象者:被保険者または被扶養者
支給額:42万円
対象期間:妊娠4カ月目(85日目)以降であること。
期間中であれば、正常分娩の他に帝王切開・流産・早産・死産・人工妊娠中絶なども適用となります。

出産育児一時金のメリットは、加入している健康保険組合から出産した医療機関へ直接支払われるので、退院時に高額な費用を払わずに済むことです。

参考:厚生労働省 出産育児一時金の支給額・支払方法について

出産手当金

働いているママが出産のため産休を取った場合、産前42日・産後56日の期間、勤務先の健康保険から支給される手当金です。金額は休業開始前6か月の平均賃金の約3分の2です。もらえる金額はその人の収入によって異なります。

対象者:勤務先の健康保険に加入している方
支給額:産前42日・産後56日の期間中、標準報酬日額の3分の2

参考:全国健康保険協会 出産に関する給付

妊婦検診費の助成

妊婦検診の費用を自治体が助成する制度です。妊娠した際に市区町村の窓口で母子健康手帳といっしょに「妊婦健康診査」の受診券が渡されます。注意点として、検診を受ける自治体によって助成金額や条件が異なります。

対象者:妊婦検診を受ける妊婦
支給額・内容:自治体によって異なる

妊娠検査費の助成内容は全国の自治体によって異なります。そのため里帰り出産を検討しているママは事前に調べておくことをおすすめします。お腹が大きくなってから手続きへ行くのは大変ですよ。

参考:受診する市区町村に住民票がある方

育児に関する給付金、支援金

国や自治体が力を入れている子育て支援の各種制度をご紹介します。「知らなかった」ではもったいない!ぜひ活用して子育てや暮らしに役立ててください。

代表的な制度が次の5つです。

1、育児休業給付金
2、パパ・ママ育休プラス
3、児童手当
4、児童扶養手当
5、子育て世帯生活支援特別給付金

育児休業給付金

働くママまたはパパが育児休業を取る期間中、収入をおぎなうために雇用保険から給付されるお金です。

対象者:育児休業を取得するママあるいはパパ。条件として次の5つがあります。
1、雇用保険に加入し保険料を支払っている
2、育休後は仕事復帰する
3、育休中の就業日数は月10日以下であること
4、育休開始前1ヵ月の賃金の8割以上が支払われていないこと
5、育休前の2年間で1ヵ月に11日以上勤務した月が12ヵ月以上であること

支給額:子どもが生まれてから180日までは月給の67%を支給。181日以降は月給の50%を給付
1カ月あたりの支給額は次の計算式で出します。

育児休業給付金=休業開始時賃金日額×支給日数(通常は30日)×67%

例:育休前の6ヵ月間で月額20万円の収入だった場合、休業開始時賃金日額は120万円(6ヵ月合計)÷180日=6667円です。この日額を計算式に当てはめると、
6667円×30日×67%=13万4000円
※181日以降は50%で計算
となり、月額13万4000円の給付を受けることができます。仕事を休んでいる期間も毎月収入面のサポートがあれば安心して育児に専念できますね。

参考:厚生労働省 育児休業給付について

パパ・ママ育休プラス

パパが育児休業を取得する場合、育休期間を2ヵ月延長して子どもが1歳2ヵ月になるまで取得できる制度です。メリットは夫婦で子育てに専念できることです。
パパ・ママ育休プラスは分割で利用することも可能なので、ママの仕事復帰や必要なタイミングに合わせて交代で取得できる点もポイントです。

対象者:夫婦ともに育休を取得すること(専業主婦・主夫は対象外)
内容:育児休業期間が最大1歳2ヵ月まで延長。パパ・ママ育休プラス取得中は、本人ならびに会社負担分の社会保険料が免除

参考:両親ともに育児休業をする場合(パパ・ママ育休プラス)の特例

児童手当

0歳以上、中学生までの子どもがいる家庭に支給される手当金です。毎年6月、10月、2月に各自治体から前4カ月分が支給されます。
支給額は年齢によって異なります。

・3歳未満:月1万5000円
・3歳以上:月1万円(3歳以上小学校未満の子供の場合、第3子以降は1万5000円になります)
・中学生:月1万円

なお、児童手当の支給額には所得制限があるので注意が必要です。限度額を超えた場合でも条件によっては特例給付として月額5000円の支給を受けられることもあります。

参考:内閣府 児童手当制度のご案内

児童扶養手当

死別や離婚などによりひとり親で養育している場合に支給される手当金です。子どもの人数や所得などにより支給される金額は異なります。

対象者:18歳までの子どもがいるひとり親世帯
支給額:4万3070円(令和4年度 子ども1人、1ヵ月全額支給のケース)

参考:厚生労働省 児童扶養手当について

子育て世帯生活支援特別給付金

物価の高騰(こうとう)により生活面で影響を受けている低所得の子育て世帯に支払われる特別給付金です。支給を受けられるのは一定の条件を満たす家庭のみです。

対象者:児童扶養手当の支給を受けている養育者、または児童扶養手当を受給している方と同じ水準の収入の方
支給額:子ども1人あたり5万円
※支給対象の詳細については市区町村の窓口にお問い合わせください

参考:厚生労働省 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金

住宅取得時に受けられる減税

「子どもの成長に合わせてマイホームを手に入れたい」と考えている方は、ぜひ減税制度を利用しましょう。
代表的な制度が次の2つです。

1、子育て支援 フラット35※2023年6月の時点での情報
2、住宅ローン減税

子育て支援 フラット35

子育て支援 フラット35は、2017年4月に始まった新しい制度です。地方公共団体と住宅金融機構が連携して行う金利引き下げプランで、若い世代が安心して家を手に入れるための制度として注目を集めています。

対象:各都道府県の一部
適用内容:フラット35の適用金利から年0.25%引き下げ。期間は5年間(2023年6月現在)

注意点は次の2点。適用される条件が地方公共団体によって異なるということ、募集件数には限りがあることです。
申請方法はフラット35の販売金融機関に申し込みをする際、「フラット35子育て支援型・地域活性化型利用希望の申出書」を提出します。詳しくは販売金融機関に確認をしましょう。

参考:一般財団法人住宅金融普及協会 特徴的な住宅ローン(【フラット35】子育て支援型・地域活性化型)

住宅ローン減税

住宅ローンを借り入れて家の新築・取得または増改築などをした場合、年末のローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除する制度です。

対象者:住宅ローンを借入れて住宅を取得した方
減税内容:住宅ローン残高の1%(最大年額20万円)を最大13年間所得税から控除
※所得税で控除しきれない分は住民税から控除

制度の一部が改訂になっている場合もあるので国土交通省の公式サイトを確認してくださいね。

参考:国土交通省 住宅ローン減税

医療費系の助成

子どもは病気やケガ、定期健診などで医療機関を利用する機会が多いですよね。そこで多くの自治体では子どもを対象に医療費の助成が行われています。国や地方自治体が予算内で決定するため、市区町村によって内容が異ります。

代表的な制度が次の2つです。

1、医療費助成制度
2、ひとり親家庭に対する医療費助成

医療費助成制度

各自治体による「医療費助成制度」によって、子どもにかかる医療費は一定年齢まで無料もしくは助成となります。

対象者:小、中学校卒業まで
助成内容:医療費の全額補助もしくは一部補助

対象となる子どもの年齢、助成内容は各自治体によって異なります。地域によってはいち医療機関につき500円の負担が必要だったり、薬の容器代は別だったりします。

参考:医療費助成制度(東京不動産業健康保険組合)

ひとり親家庭に対する医療費助成

ひとり親家庭の大人と子どもが、病院や医療機関でかかった医療費や薬代などを自治体が助成する制度です。

対象者:ひとり親やその子ども、あるいは親がいない子どもの養育者
助成内容:住民税課税世帯=1割負担 / 住民税非課税世帯=負担なし

この制度は児童手当と同じく所得制限があり、ひと月あたりの自己負担上限額は各自治体によって異なります。利用する際は住んでいる市区町村の窓口へ直接聞くと詳しく教えてもらえます。

幼稚園、保育園、認定こども園

子どもを幼稚園、保育園、認定こども園に預ける場合は無償化制度が適用されます。各園を利用する3歳から5歳の子どもと、 住民税非課税世帯の0歳から2歳児までの子どもの利用料が無料になります。これによって高額だった教育費の負担が軽減され、子どもたちは十分な教育・保育環境で過ごせるようになりました。

注意点は次の4つ。利用する施設の種類、ママパパの就労状況、世帯収入、自治体によって金額が変わることです。住んでいる市区町村の窓口や希望先の園へ問い合わせると詳細を教えてもらえますよ。

無償化制度

対象者:幼稚園、保育園、認定こども園を利用する3歳児~5歳児 / 住民税非課税世帯の0歳~2歳児

無償化の上限額(月額)は各施設によって異なります。
・幼稚園:2万5700円
・保育園:認可=全額無償・認可外=3万7000円 / 0~2歳(住民税非課税世帯のみ)=4万2000円
・認定こども園:3~5歳=2万5700円 / 0~2歳=住民税非課税世帯は無償
※自治体によって第2子、第3子以降は半額や無料など内容が異なります。

無償化の対象となるのは利用料のみで、給食費や教材費、施設費、登園バス代などは自己負担となります。入園後にかかる費用を知っておくと安心ですね。
また、基本的には上限額をオーバーした分は家庭の負担となります。しかし、住んでいる自治体によっては上限額を超えた分を負担してくれるケースもあるなど、市区町村によって対応が異なります。

参考
■幼稚園
■保育園
■認定こども園

もらえるお金をきちんと知って、賢く生活コストの削減をしよう

値上げラッシュが続く今こそ、国や自治体からの給付金や手当金などの種類を把握して、子育て世代がもらえるお金を整理しましょう。制度の中には自分で探して期限内に申請書を提出する場合が多いので注意が必要です。「申請時期を逃してしまった」なんてことにならないよう、いちど書き出してみるといいでしょう。

※記事に掲載した内容は公開日時点の情報です。最新情報はご自身で確認をお願いします

ライター

すずきなおこ鈴木奈緒子の画像

すずきなおこ 鈴木奈緒子

・フリーランスWebライター
・Instagram運用ディレクター
・EQ絵本講師®
出産をきっかけに在宅ワークをスタート。「今日がんばったことは、1年後の自分へのギフト」がモットー。
Instagramでは塾ナシでクラス1位の娘の勉強法などを発信中。

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