支出が多く、貯金ができない…どこを削ってどう管理する?お金のプロがアドバイス

支出が多く、貯金ができない…どこを削ってどう管理する?お金のプロがアドバイス

家計簿をつけても長続きせず、今回の相談にあたり収支を確認して愕然としたママ。使途不明金も多く、貯蓄が増えない家計に、お金のプロがアドバイスします。

今回の相談者

R.Iさんの画像

40歳/会社員

R.Iさん

会社員のパパ(40歳)、長男(7歳)、長女(2歳)、次男(0歳)の5人家族。持ち家で住宅ローンは3700万円、70歳完済。老後資金や教育費は貯めているが、貯蓄が少ない。今まで「必要なお金を払っているのだから、家計簿をつけても意味がない」と思っていたが、今回収支を書き出してみたら使途不明金が多くて驚いた。継続しやすい家計管理の方法も知りたい。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)

  • パパ

    286,000

  • ママ

    275,000

月間支出

  • 住居費

    110,000

  • 保育料・教育費

    26,000

  • 保険料(ママの年金保険・医療保険7万円、パパの死亡保険1万1000円、長男・長女の学資保険)

    121,000

  • 水道・光熱・通信費

    39,000

  • 車費

    25,000

  • パパのお小遣い

    30,000

  • 食費

    100,000

  • ママのお小遣い・雑費・その他

    130,000

  • 貯蓄(固定資産税用など)

    50,000

ボーナス時収入(年間)

  • パパ

    600,000

  • ママ

    600,000

ボーナス時支出

  • 帰省・旅行・臨時お小遣い

    200,000

  • 赤字補填

    700,000

ボーナス時貯蓄

  • 貯蓄

    300,000

現在の貯蓄

  • 貯蓄

    600,000

ミニアドバイス1

パパは既往症があるので、掛け捨ての死亡保障でも保険料が1万1000円と高めですが、団信にも入れないので、保障が薄め。貯蓄が増えるまでパパの保険は維持しましょう。

ミニアドバイス2

使いすぎを防ぐには「可視化」が必須。家計簿アプリとカードを連携するなどして、使途を確認しましょう。きちんと把握するのは気になる費目だけでOK。食費と雑費だけでもチェックしてください。

advice 1 貯蓄型保険で掛け金の負担大。食費も掛けすぎ

将来の教育費は別として、手元の貯蓄が60万円のみ。毎月約7万円の赤字をボーナスで補填している、非常に危うい家計です。月々の収支が赤字になっている原因は主に3つです。

1つ目は保険に入りすぎていること。ママの貯蓄性の保険(年金保険、満期払い戻しのある医療保険)が手厚く、老後の備えは十分ですが、掛け金はトータルで12万円以上。収入に対して負担が重すぎます。2つ目は食費。目安は手取り月収の15%以内なので、約8万4000円ですが、まだ子どもが小さいので、6万5000円以内に抑えましょう。

advice 2 カード明細をチェックし、使途を把握して

そして3つ目は使途不明金を含む、13万円の雑費。クレジットカード払いが基本とのことなので、まずは過去3カ月分の利用明細を調べ、日用品、医療費、レジャー費などに分類してみて。そして今後は8万円に収まるように予算配分を考えましょう。

食費と雑費で計8万5000円が浮けば、赤字7万円が埋まります。残り1万5000円は次男の教育費積立に。ボーナスから赤字補填する必要がなくなるので、ママの保険を解約しなくても、年間100万円が貯蓄可能。しっかり貯めて、住宅ローン控除がなくなるタイミングで繰り上げ返済を。

月々の赤字を解消し、ボーナス貯蓄と次男の教育費に

月間支出 Before After
保険料 121,000円 136,000円
食費 100,000円 65,000円
ママのお小遣い・雑費・その他 130,000円 80,000円
ボーナス時支出 Before After
赤字補填 700,000円 0円
ボーナス時貯蓄 Before After
貯蓄 300,000円 1,000,000円

result ボーナスに頼らず、月の収支を黒字に

老後の備えも大切ですが、不測の事態に備える現金や、繰り上げ返済の資金を貯めることも大切。もしも今後、食費や雑費が減らせずに月の収支が黒字にならなければ、ママの保険の解約も検討が必要になります。まずは家計アプリなどを使って可視化し、ボーナスに頼らずにやりくりできるようになりましょう。

※この記事は、2022年2月発行の「ぎゅって首都圏版3月号」に掲載した記事を再編集したものです

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ファイナンシャルプランナー 氏家祥美

FP事務所「ハートマネー」代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。子育て世代からリタイアメント層まで、家族のお金とキャリアの相談が得意。オンライン相談も実施中。

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