子どもは3人ほしい。全員大学に行かせたいけれど、老後資金は大丈夫?

子どもは3人ほしい。全員大学に行かせたいけれど、老後資金は大丈夫?

ママは37歳で第2子を出産したばかり。もう1人生んで3人とも大学に行かせたいけれど、老後も心配で…お金のプロが「今からやるべきこと」をアドバイスします。

今回の相談者

S.Kさんの画像

37歳/会社員

S.Kさん

会社員のパパ(36歳)、長女(5歳)、次女(0歳)の4人家族で、3人目も希望。アプリを使って家計の動きをおおまかに把握している。来年から、購入したマンションに住み、ペアローンで月14万、35年返済で73歳完済予定。子どもは、中学は公立(本人が望めば私立)、高校は私立、大学は国立に行ってほしい。ただ、3人分の教育費を払った後の老後資金が不安。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)

  • パパ

    400,000

  • ママ

    150,000

月間支出

  • 住居費

    150,000

  • 保育料・教育費【注1】

    20,000

  • 保険料

    11,000

  • 水道・光熱費

    20,000

  • 食費

    50,000

  • 日用品

    20,000

  • 通信費

    10,000

  • パパお小遣い

    30,000

  • ママお小遣い

    30,000

  • 車費

    20,000

  • レジャー費

    20,000

  • その他

    20,000

月々の貯蓄

  • 個人年金・財形貯蓄・確定拠出年金【注2】

    114,000

ボーナス時収入(年間)

  • パパ

    2,000,000

  • ママ

    1,000,000

ボーナス時支出ボーナス時支出

  • 旅行等【注3】

    1,400,000

現在の貯蓄

  • 貯蓄

    10,000,000

【注1】今後増える可能性大
【注2】うち5万は教育費&住宅ローン用の貯蓄に(年60万円)
【注3】月間支出が増えたらここを節約

ミニアドバイス1

次女が保育園に入ると2歳児クラスまで保育料が発生し、数年後には長女の習い事費も膨らみそう。そうなっても臨時お小遣いや雑費などを抑えて、年200万円の貯蓄ペースを守りましょう。

ミニアドバイス2

厚生年金に加え、個人年金と確定拠出年金も。退職金もあるでしょうし、しっかり準備ができていますね。教育ローンや住宅ローンが老後に食い込まないようにしておけば、安泰でしょう。

advice 1 教育費がかかり始めると苦しくなる

収入も貯蓄もあり、家計管理もしているので、問題ないように見えますが、教育費がかかり始めると苦しくなります。2年後に3人目が生まれたとして、その子が就職するときママは62歳。一般的に、昇給は50歳で頭打ち、60歳以降は再雇用で、給与がそれまでの6~7割に下がります。年金は開始後よりその手前が苦しくなるのです。

また、子どもの大学は国立を想定していますが、本人の夢や学びたいことや受験結果によって、私立になる可能性も。教育費は中高で私立よりも、大学で私立を選択できるように準備しておくのがおすすめです。

advice 2 15年で教育費と住宅ローンのめどをつける

老後のためには、今から15年間が勝負です。教育費が膨らむ時期になると貯蓄が難しくなるので、早めに教育費と住宅ローンのめどをつけて。ママの財形貯蓄の月5万円と、ボーナスからの貯蓄を合わせて、毎年200万円ずつ貯めましょう。

まずは大学入学時の準備として1人500万円、3人分で1500万円を確保。これは7年半で貯まる計算です。その次は、住宅ローンの繰り上げ返済資金。住宅ローン控除がある10年間が終わったら、200万円×7年半=1500万円分を順次繰り上げ返済して、65歳完済まで縮めましょう

月々5万(年60万)+ボーナス140万
 ↓
年200万円ずつ貯める

result 「貯めどき」を逃さず使いすぎに注意して

出産が遅めの夫婦の場合、20代の頃よりも収入が増えて余裕がある分、家族旅行や、子どもの習い事にお金を使ってしまう傾向が。その結果、気付かないうちに「貯めどき」を逃してしまい、「老後もローン返済で苦しむ」という人が珍しくありません。S.Kさんも、今から15年間、使いすぎないように注意して、楽しい老後に備えてくださいね。

※この記事は、2020年9月発行の「ぎゅって10月号首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

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