これからの働き方に悩むママ。決め手は「3人分の教育費」…!?

これからの働き方に悩むママ。決め手は「3人分の教育費」…!?

30代前半の夫婦で3人の子育て中。すでに持ち家を購入し、貯蓄も多い優良家計ですが、今後ママの働き方が変わると、どうなるのでしょうか? お金のプロが答えます。

今回の相談者

S.Yさんの画像

33歳/医療系

S.Yさん

会社員のパパ(32歳)、長女(7歳)、長男(4歳)、次女(0歳)の5人家族。ママは3月まで育休で、復職後の働き方に悩み中。時短勤務中は月収減になるうえ、取得できるのは3歳まで。時短の期間が終わったらパートになることも考えたいが、3人分の教育費が気になる。子ども自身が私立中学や留学を希望したら叶えてあげたいので、今も貯蓄はしているが…。

家計簿 Check!

月間収入(手取り)

  • パパ

    280,000

  • ママ

    250,000

  • 児童手当

    35,000

  • その他(太陽光発電)

    8,000

月間支出

  • 住居費※

    75,000

  • 保育料※

    40,000

  • 保険料※

    94,000

  • 水道光熱費※

    22,000

  • 通信費※

    13,000

  • 車費(ガソリン代含む)※

    17,000

  • パパお小遣い

    30,000

  • ママお小遣い

    20,000

  • 食費

    40,000

  • レジャー費

    30,000

  • ママの財形

    70,000

  • その他(日用品など)

    10,000

ボーナス時収入(年間)

  • パパ

    700,000

  • ママ

    450,000

ボーナス時支出(年間)

  • 旅行・帰省費用

    300,000

  • 保険料

    101,000

  • ママの財形

    250,000

  • その他(家電購入など)

    200,000

現在の貯蓄

  • 貯蓄

    10,000,000

※固定費

ミニアドバイス1「固定費」

固定費が手取り収入の45%という優良家計。住宅ローンは繰り上げ返済をしなくても、63歳で完済。変動金利への切り替えはタイミングが重要なので、金利動向をチェックしながら見極めましょう。

ミニアドバイス2「保険料」

保険料は高めですが、死亡保障と学資準備を兼ねた、貯蓄型の保険を活用中。子ども3人に200万円以上ずつ用意しています。その時々で利回りのいい保険を工夫しながら選んでいますね。

advice 1 子ども3人私立中高だと2100万円超

まずは教育費について、きょうだいに不公平が生じるのはよくないので、3人に同額をかけると想定して計算しましょう。

文部科学省の学習費調査(平成28年度)によると、私立に通った場合の1年間の教育費は、中学で132万円、高校で104万円。合計すると中高6年間で708万円、3人分では2124万円になります。これは全国平均での計算なので、首都圏ではもっと高くなるはず。

このほか中学受験のための塾代や、留学する場合はその費用も必要です。ちなみに、中高6年間公立だと、1人279万円、3人分で837万円です。

advice 2 外部サービスを活用しながら正社員の継続を

ママが正社員を辞めてパートになった場合、手取り収入は約200万円減り、将来の年金受給額も減ってしまいます。正社員を続けていれば、3人を私立中高に通わせるのも不可能ではありませんが、パートになると、進路の選択肢は狭まります。

フルタイム勤務では、家事や子育ての時間のやりくりが非常に難しくなりますが、家事代行サービスやベビーシッターなど、外部サービスも使いながら、なんとか乗り越えるのがおすすめ。一時的に出費が大きくなって貯蓄ペースが落ちても、中長期的に見ると正社員のままが断然、有利です。

財形7万+収支差額10万円を毎月貯金 合格!

result 学費か働き方か優先事項を決めよう

結婚出産が早かったので、末っ子が22歳で就職すれば、ママ55歳、パパ54歳で教育費がゼロに。夫婦とも65歳まで正社員で働けば、学費も老後資金も問題ないでしょう。

一方、ママがパートになると時間の余裕はできますが、学費を抑えながら老後資金を蓄える必要があります。何を優先するかは夫婦の価値観によるので、よく相談しましょう。

※この記事は、2019年10月発行の「ぎゅって首都圏版」に掲載した記事を再編集したものです

ナビゲーター

ファイナンシャルプランナー氏家祥美の画像

担当カテゴリー

マネー・スキルアップ

ファイナンシャルプランナー 氏家祥美

FP事務所「ハートマネー」代表。ファイナンシャルプランナー、セカンドキャリアアドバイザー。子育て世代からリタイアメント層まで、家族のお金とキャリアの相談が得意。オンライン相談も実施中。

マネー・スキルアップ:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌