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東京・遊び場探訪【井戸端プレーパーク@小金井市】自分らしく遊べる場へ

東京・遊び場探訪【井戸端プレーパーク@小金井市】自分らしく遊べる場へ

「プレーリーダー」という、遊びの環境を整えてくれるスタッフを配置した子どもたちの遊び場「プレーパーク」を知っていますか?東京都内でも多くの場所にあり、さまざまなコンセプトのもと、子どもたちの遊び体験に寄り添います。
今回は小金井市にある「井戸端プレーパーク」を紹介します。

梶野公園・井戸端プレーパークが目指すインクルーシブな時間


東京都小金井市の梶野公園で月に2回、出張開催されている「井戸端プレーパーク」。こちらは2025年7月に小金井市のみんなの公園プロジェクトplayhereと連携し、「インクルーシブな公園とは」をテーマにスタートしました。

そこで今回は、8月に3回目の開催を終えたプレーリーダーで保育士の木本茜さん(べびちゃん)に、開催の経緯や目指す場の姿についてお話を伺いました。

梶野公園のプレーパークは、現在も運営を管理している特定非営利活動法人「こがねい子ども遊パーク」の手で「ちびっこプレーパークバンビ」という名前で誕生しました。

その後は周辺で子育てをする保護者のボランティアに引き継ぎ、「ちびっこプレーパークつくし」の名前で週に1回開催されてきたそう。

べびちゃんも9年以上、ボランティアのプレーリーダーとして運営に参加していたといいます。そして、今年度新たに梶野公園で開催するプレーパークとして加わったのが、「井戸端プレーパーク」です。

「梶野公園をインクルーシブ公園にしたいという案が行政から浮上した際に、常設の遊具だけで終わらず、人と人をつなげるプレーパークという形もあると提案しました」(べびちゃん)。

インクルーシブ公園は誰もが安心して自由に参加・利用できる場所

「インクルーシブ公園」というと障がいやサポートの必要性の有無などに目が行きがちですが、「目指しているのは障がいの有無に関係なく、誰もが安心して自由に参加、利用できる場所なんです」とべびちゃんは強調します。

「インクルーシブ公園と掲げることで、今まで公園に足を運びにくいと感じていたお子さんが利用してくれるきっかけになることは必要だと思いますが、そこに特化するというよりも、誰もが自分らしく過ごせて受け入れられる場所にしたいですね」(べびちゃん)。

そのためにも、現状で考えられる範囲で誰でも受け入れられるための環境づくりを進めているそう。例えば受付のタープ下には、自分の気持ちを伝えるのが苦手なお子さんが訪れても、コミュニケーションが取りやすくなるよう、イラスト付きの「気持ちを伝えるカード」を用意。

「遊びの中で実際にプレーリーダーが使ってみて、そのカードの存在をお知らせしている最中です」とべびちゃん。

また順番待ちの際にベンチがあると良いなど、専門家のアドバイスを参考にして導入したほか、これから工作スペースには、握力の弱い人や手の不自由な人も使いやすい「カスタネットハサミ」なども用意する予定なのだと話します。

「プレーリーダーは医療ケアはできませんし、参加されるお子さん一人ひとりで状況は全く違います。だから環境を整える際に私たちだけでは分からないことがある時、ヘルプが必要な時は専門家や保護者の方を正直に頼りつつ、その時々で必要なことを一つずつ、一歩ずつ進めていきたいです」(べびちゃん)。

その上で、障がいの有無に関わらず、プレーパークに訪れる子どもたちには、まず自分の「やってみたい」に気付いてほしいといいます。

「外という環境では、五感を刺激するたくさんのことに触れられます。もちろん、他の子が遊んでいる姿も含めて。あれ楽しそうだな、やってみたいなという気持ちなどから、今の自分の「好き」や「好きじゃない」を感じてほしいですね。好きなものが増えたり変わったりしながら、だんだんと、自分がどういう人なのかという気付きを体験してほしいですね。

そうすることで、まず自分という存在を受け入れる。そしてもし、配慮やサポートが必要な子がやってきた時に、『あの子はこういう子なんだな』『私はこういう子なんだよね』と、違うことが当たり前として受け入れられる環境でありたいですね」(べびちゃん)。

一緒の空間や時間を共有するだけで影響し合える

「一緒の空間や時間を共有するだけで、些細なことでもお互いに影響し合えると思います。近づいてみて、うまくいかなかったら一度距離をとっても良いですし、子どもたちそれぞれが心地よい距離感を見つけながら、存在を認め合えれば良いと思います」(べびちゃん)。

プレーカーを積極的に活用したい

「出張という形で、子どもの近くに遊びの場を広げていきたい」というべびちゃんは、遊びを届けるための独自の遊具や道具を運ぶ目的もあって2025年8月から導入したプレーカーを積極的に活用したいと力を込めます。

インクルーシブな環境や、出張プレーパークの運営などに興味を持ってくださった方はぜひ一度見学にいらしてください」とべびちゃんは笑顔で話してくれました。

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