【パパ旅】日本にいながら海外旅行気分!成田のタイ寺院で「サワディーカップ」

【パパ旅】日本にいながら海外旅行気分!成田のタイ寺院で「サワディーカップ」

旅行作家の吉田友和さんによるコラム。小学生のお子さんがいる吉田家。ママは出張が多いので、パパと子どもだけで過ごす日も。「ならば、旅をすればいい!」そんな吉田さんが語る「パパだけ子連れ旅」、今回は日本にいながらタイ旅行気分が味わえるスポットへ!

夏休みに家族でタイ旅行へ出かけたら、すっかりタイ熱が高まってしまった。もともと好きな国だが、やはりタイは最高だ。過ごしやすい気候だし、人々はやさしいし、ご飯も美味しい。子どもたちも「また行きたい!」とリクエストするほど気に入った模様。

とはいえ、外国である。そんなに気軽に行けるわけではないのも正直なところである。時間もお金もかかる。でも、やっぱりまた行きたいなぁ……とむずむずして、あっと思い出した。

そういえば、日本にいながらにしてタイ旅行気分が味わえるスポットがあった。場所は千葉県成田市。成田ならば、時間もお金もそれほどかからずに行ける。そんなわけで、ママ不在の週末、娘二人を連れて一泊二日で行ってみることにしたのだった。

成田は子連れ旅の穴場!その理由は?

海外旅行へ行く場合、最近は羽田空港から出発することの方が多い。航空便によってはいまだに成田空港発着というケースもあるが、どちらも選べるなら羽田一択だろう。理由は単純で、成田は遠いからだ。

しかし、成田そのものが旅の目的地ということであれば、この遠さがむしろ都合がいい。都内から1~2時間程度。近すぎず、遠すぎず、適度に旅気分を味わえる距離感である。

実は、成田は子連れでの旅行先として、ひそかに狙い目ではないかと思っている。穴場と言い換えてもよいだろう。その理由は大きく二つある。

ホテルの種類が豊富でコスパが高い

まず、宿泊先の選択肢が充実している。我が家もたまに利用するが、朝早い便に乗るために前泊したり、逆に後泊したりするためのホテルが空港周辺に点在している。航空会社のクルーの宿泊先としてもニーズがある。種類は豊富で、ビジネスホテルから高級ホテルまでさまざまだ。

それでいて、宿泊料金が比較的手ごろなのがありがたい。昨今はホテル代が高騰していて旅好きには頭が痛い状況だが、成田のホテルは値ごろ感が強い印象なのだ。同クラスのホテルが、都内の相場価格と比べて半額以下で泊まれちゃう。

今回泊まったホテルは、大人1名+小学生2名で一泊朝食付きで約1万7,000円だった。ちなみに土曜である。しかも、温水プールおよび大浴場まで付いていて、この値段である。

もちろん、水着を持参してプールを満喫した。飛行機に乗るわけではないので時間に追われることもなく、のんびりホテルライフを満喫でき、非常に満足度の高い滞在となった。

アクセスの利便性が高い

成田のホテルは場所柄、駐車場をほぼ完備している。宿泊客であれば長期間停めておけるので、海外旅行の際に空港までマイカーで行きたい人にとっては重宝する。車で行きやすい場所なのだが、空港があるだけに車以外のアクセス手段も豊富だ。

この連載では繰り返し書いているが、「パパだけ子連れ旅」ではできる限り車移動は避けるようにしている。旅先を選定するにあたっては、電車で行けるかどうかがひとつの判断基準となっていて、その意味でも成田は魅力的だった。

今回は新宿から成田エクスプレスで向かった。座席指定の特急列車は本当に楽チンだ。しかも、成田エクスプレスなら「在来線チケットレス特急券(トク割)」でなんと35%オフになる。

以前はこんなにも大幅な割引はなかった。これは筆者の憶測だが、利用客が激減しているせいもあるのだろう。羽田に客を取られているだろうし、そもそも海外旅行する人自体が減っている現状もある。

案の定、成田エクスプレスの車内は空いていた。存続が心配になるほどのガラガラっぷりだが、そのお陰で快適な移動時間を過ごすことができたのだった。

異国情緒が漂う空港から出発!

成田旅行が狙い目な理由を2つ紹介したが、目に見えるメリットのほかにも成田ならではともいえる魅力もある。それは、なんといっても空港があることだ。

今回は車ではなく電車で行ったため、ホテルまでは空港から発着するシャトルバスを利用した。つまり、飛行機には乗らないのに、空港を経由したわけだ。せっかく空港まで来たのだからと、バスの待ち時間に建物内を軽く見て回ったりもした。

空港には旅情が漂う。航空会社のカウンターが集まる中、大きなスーツケースを持った人が行きかう。フライトボードに表示される出発便の一覧には、世界中の都市名がずらり並ぶ。それを何気なく眺めているだけで旅の空へと空想が広がっていく。

離発着を見学できる展望デッキにも行ってみた。飛行機なんて見慣れているはずだが、いざ自分が乗らないとなると妙にうらやましさが募る。ああ、いいなぁ、海外行きたいなぁ……とパパは遠い目になったが、娘たちはとくに感傷に浸るわけでもなく、「早くホテルに行こうよ!」と急かすのだった。

これから海外旅行へ出発!するかのような気分で。

ここが本当に日本?極彩色のタイ寺院へ

海外へは行かないものの、タイ気分が味わえるスポットを目的に成田へ来ていた。いわば、海外旅行の疑似体験である。

一泊して翌日、成田空港でカーシェアを借りた。空港から目的地までは、30分かからないぐらいの距離だ。車を走らせていくと、いかにも郊外の町といった感じの、ありふれた田園風景の中に、突如として極彩色の派手な建物が現れた。「おお~っ」と、思わず声が出る。

やってきたのは、「ワット・パクナム日本別院」だった。「ワット」はタイ語で「お寺」を意味するから、日本語では「パクナム寺」とでも訳すのがよいだろうか。

お寺といっても、日本のものとは明らかに違う外見をしている。白い大理石の外壁の上に、何層にも重なった色鮮やかな三角形の屋根。黄金色の破風の派手な装飾も目を引く。

靴を脱いで本堂の中へ入ると、そこもまた異国のお寺という感じだ。黄金の仏像が鎮座しており、壁は仏教の説法を描いた細密画で埋め尽くされている。

このワット・パクナムは、実はバンコクに同名のお寺があって、その日本別院となっている。本家の方も家族で訪れたことがあるが、バンコクに数あるタイ寺院の中でも屈指の映えスポットとして人気だ。

タイのお寺でしたのと同じように、仏像の前に座って手を合わせた。「タイ風」ではなく、「タイそのもの」といった空間で、ここが日本だとは思えないほど。撮った写真を見せて、タイへ行ってきました、と言ったら信じてもらえそうだ。

まるでテーマパークのようだが、れっきとした寺院である。
敷地内は絵になる風景だらけで、写真好きにもたまらないスポットだ。

今回のまとめ

長女は、この前タイで買ってきたトゥクトゥクが描かれたTシャツを着てきた。次女はタイで大人気のバターベアというキャラクターのヘアピンを付けてきた。積極的にタイ好きをアピールしていくスタイルである。

お寺の前で農家が露店を出していて、野菜が売られていた。これまた、いかにもタイっぽいが、売っているのがタイ人で、売られている野菜もタイ料理でおなじみの食材ばかり。

例えば、丸っこくて緑色をしたナス。グリーンカレーとかで使われる、一風変わった見た目をしたナスだ。

その場のノリで、「アローイ?」という、「美味しい」という意味のタイ語で店員さんに聞いたら、ニッコリうなずいてくれて、なんだかうれしくなった。さすがは「微笑みの国」なのである。

タイへ行きたい欲を満たすためにやってきたはずが、結果的にますますタイへ行きたくなってしまった。

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おでかけ・旅行

旅行作家 吉田友和

1976年生まれ。人生初の海外旅行は世界一周。その後、旅行作家として国内外を旅して回りながら執筆を続ける。妻が出張で長期間家を空けることが多く、近年はパパだけで2人の娘たちを連れて旅へ出るパターンが増えている。『3日もあれば海外旅行』(光文社)、『夢と冒険の旅 世界一周ガイド』(小学館)、『東京発 半日旅』(ワニブックス)など著書多数。最新刊は『橋旅のススメ!』(産業編集センター)

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