東京・遊び場探訪【プレーパークむさしの@武蔵野市】記憶に残る大切な居場所へ

「プレーリーダー」という、遊びの環境を整えてくれるスタッフを配置した子どもたちの遊び場「プレーパーク」を知っていますか?東京都内でも多くの場所にあり、さまざまなコンセプトのもと、子どもたちの遊び体験に寄り添います。
今回は武蔵野市にある「境冒険遊び場公園プレーパーク」を紹介します。
プレーパーク開催を前提に公園を整備

武蔵野市にある「境冒険遊び場公園プレーパーク」通称「ののプレ」は、NPO法人「プレーパークむさしの」が運営するプレーパークです。2001年に武蔵野市がプレーパークの設置を検討し、それに賛同した市民が集結。全国的にも珍しく、自治体の主導で運営がスタートしました。
2004年から市内2カ所の公園で「一日プレーパーク」を運営していましたが、2005年、ついに常設プレーパーク開催地「境冒険遊び場公園」の設置が決定し、プレーパーク開催を前提とした公園の整備計画がスタートします。
同時に運営を行う気持ちのある市民が集まり、自立した運営を目指すべく、2008年に任意団体「プレーパークむさしの」を設立。2009年にNPO法人化しました。今では、プレーパーク事業で出会った児童が中高生になる際に、地域の中で安心して人と繋がることができる居場所「プレプレ」も運営しています。
特別な場所ではなく、思い出に残る「いつものあの場所」

今回お話を伺ったのは「プレーパークむさしの」の遊び場スタッフであり、理事も務める鶴谷友美さん。鶴谷さんは長く児童センターで働いていたそうで、「屋内の遊び場から屋外の遊び場に職場が変わって、ちょっとワイルドな感じになりました」と笑顔を見せます。
「児童センターでは、児童福祉施設としてのガイドラインがあり、子どもにどういう学びや体験を与えるかという提供型を軸にしていましたが、プレーパークは子どもが自分の責任で自由に遊ぶというところを軸にしているので、子どものやりたいことをどう引き出すかを考えています。そこが前職とは全く違う部分であり、面白みでもありますね」

プレーパークは火遊びや泥遊びなど、普通の公園ではなかなかできないことができる場所ではありますが、鶴谷さんいわく「特別な体験ができる場所とは思っていない」のだそう。
「本当に身近な、地域にある遊び場の一つと思ってもらえたら良いですね。放課後になんとなく遊びに来ることができて、成長した後にも『そういえばあそこで面白いことしたな』と思い出して、やりたいことを応援してもらえたな、ここに来れば誰かがいたなと、記憶に残るような体験をしてもらえたら良いなと思います」

「ののプレ」は主に小学生を対象にしたプレーパークですが、中学生になってもふらっと漫画を読みに来たり、部活が休みの日に立ち寄って馴染みのスタッフに会いに来ることもあると鶴谷さんは嬉しそうに話します。
子どもたちの興味を意識して、訪れるきっかけづくりを
また「ののプレ」では、今までプレーパークを利用したことがなかった子どもたちも、自発的に「行ってみようかな」と思えるきっかけ作りにしたいという思いから、イベントも積極的に開催しています。

「何をやるかは、子どもたちの興味を意識しています。10月に開催した弓矢を作るイベントでは、子どもしか参加できない形に限定しました。保護者の方はゾーニングをして、外側から見ていていただきました。すると子どもたちはのびのびと、お互いに教え合いながら取り組んでいましたし、『チラシを見て、作ってみたいから来たよ』という声も聞こえて嬉しかったです」

イベントの広報は「プレーパークむさしの」のホームページのほか、近隣の小学校にポスターの掲示や、お知らせの配信アプリに掲載しているそう。そのほかにも住宅街の中にある「ののプレ」は、火遊びで煙が出るような日は、周辺の住宅にチラシをポスティングして周知をするなど、配慮も欠かせないといいます。

「火遊びでは基本的に炭を使用して、あまり煙が出ないように工夫しています。持参した食べ物を焼いて食べる子もいますし、たくさん落ちているどんぐりを焼いたり煮たりしている子もいますよ。冬は足湯も楽しんでいます」
子どもと「斜めの関係」を大切に
また、遊び場スタッフ(プレーリーダー)の間では、子どもたちの主体性を引き出し、育てるための関わり方を日々活発にディスカッションしていると鶴谷さんは話します。
「毎日の振り返りで、子どもたちの様子を記録し、スタッフの関わり方で迷ったところなどは、スタッフ同士でいろいろ議論をしていますね。やはり大人がどこまでどう手を出すのか、どこまで見守るかみたいな線引きはよく話題に上ります。できない時にはまず教えたほうが良いのではないかとか、子どもたちから『わからない』と言い出しにくいのではないかという見方もあって、日々試行錯誤しています」

遊び場自体も子どもたちのアイディアで日々変化しているそうで、子どもたちが「秘密基地を作りたい」と言い出した時には、閉園日でも出しておける形状や材料選び、作った子どもたちだけで占有はしないなどのルールを、スタッフと子どもたちで話し合って決めたのだそう。
「プレーリーダーは子どもたちと一緒に思い切り遊べる人というのが一番大事なんですが、『大人として子どもに関われる』という部分も大事だと思うんです」と鶴谷さん。

「子どもたちに対して真横でも縦でもなく、『斜めの関係』を大事にしています。上下という縦の関係を避けるために子どもたちと真横に並ぶのでは、友だちのような関係になってしまいます。でもプレーリーダーは地域の大人として、言わなければいけないことをきちんと子どもたちに言う発言力も必要です。だからこそ、子どもたちと同調しすぎず、大人として自分の軸をしっかりと持ちつつ、子どもたちに全力で寄り添うという部分をこれからも大事にしていきたいですね」
「ここは子どもたちの大切な場所だからこそ、子どもたちが大人を見る目もとても厳しいです。だからこそ、遊ぶ時も手を抜いているとバレますからね、遊ぶ時は全力で遊びますよ。鬼ごっこは10分が限界ですけど」と鶴谷さんは笑顔で話してくれました。
ののプレ(境冒険遊び場公園プレーパーク)
東京都武蔵野市境3-20 境冒険遊び場公園内
火・水曜、第一木曜休
11:00~17:00
無料
0422-26-9317
イベントは公式HP(https://p-musashino.org/)をチェック
運営:プレーパークむさしの


























