東京・遊び場探訪【狛江プレーパーク@狛江市】市民の「いいな」を行政が後押し

「プレーリーダー」という、遊びの環境を整えてくれるスタッフを配置した子どもたちの遊び場「プレーパーク」を知っていますか?東京都内でも多くの場所にあり、さまざまなコンセプトのもと、子どもたちの遊び体験に寄り添います。
今回は狛江市にある「狛江プレーパーク」を紹介します。
市民と行政が協力しあい、常設のプレーパークを市の事業に

狛江市にある「狛江プレーパーク」は、多摩川を望む西河原公園の一角にある、常設のプレーパーク。狛江市の事業として運営されています。
運営を委託されている、NPO法人「こどもの遊びと育ちを支える会・狛江」(通称・遊育会)の代表理事を務める岡本千栄子さんは、「市民が“いいな”と思ったものを行政が後押ししてくださり、市民と行政が協力しあっているからこそ実現した場所です」といいます。
「通常の公園ではできないような、リスクを伴う遊びができるのがプレーパークの醍醐味ですが、それを市が認めて運営しているという点で、利用者の方々には安心して使ってもらえていると感じています」。

もとは、2010年に「子どもたちが自由に外遊びができる場所が必要だ」と感じた地元の父母が集まり、「狛江にプレーパークをつくる会」を設立したのがきっかけで、当初から「常設のプレーパークの開設を目指してスタート。設立から2年後には狛江市の協働事業提案制度に申し込み、行政と共に、プレーパークを常設するための課題の調査研究を始めたといいます。
最初は年間で10回程度、市内の各所でプレーパークを開催し、市民にプレーパークの存在を知ってもらうという活動を継続。「狛江にプレーパークをつくる会」設立から約6年後に、市の事業として「狛江プレーパーク」の開園を実現させました。

「最近は子どもが外で『やってはいけない』と言われることが多いですが、自分が子どもの頃を思い返すと、花もつんだし、穴も掘ったし、木登りもしてきたし、いろんなことをやって遊んできました。そのいろいろやってみたことが、全部今につながっているとも感じます」。
岡本さんは子育て中、幼児期は大人がそばにいるがゆえに、基本的に“やらせない”ことのほうが多く、子どもだけで遊ぶということ自体が減っていると感じていたそう。そこで、周囲の保護者たちと自主保育グループを立ち上げ、近隣のプレーパークなどにもわが子を連れて通っていたといいます。

「ところが子どもの行事で小学校に行ったときに、子どもたちが『先生、筆箱しまってもいいですか』『上着を脱いでもいいですか』と一つ一つ大人に確認するのを見て、衝撃を感じました。子どもたちが、自分の考えで動くことを良いと思っていない状態だったんですね。それを見たときに、これは自分の子どもをプレーパークに連れて行っていればいいというわけではないと強く思いました」。
自分の子どもも、周囲にいる子どもたちも、同様に同じ地域の中で一緒に育っていくことの重要性に気付いた岡本さん。自主保育を行っていたメンバーと共に、自分たちの地域にもプレーパークをつくろうと考えるようになったのだそう。
「プレーパークを人の居場所として根付かせるためには、常設である必要性を強く感じたので、最初から常設を目指して、活動をスタートさせました」。
岡本さんにとってプレーパークとは、「子どもたちにとって良いことも悪いことも、『自分たちがやってみたいと思ったこと』を実践し、経験できる場所。経験や学びを『与える』のではなく、子どもたちが自由に行動できる場所と環境を整えることを大切にしているのだそう。
誰かが見守ってくれる安心感

そんな「狛江プレーパーク」で活躍するプレーリーダーのこはるさんも、子どもたちの行動を「見守る」ことを大切にしている一人です。こはるさんは、2025年4月に就職したばかりのプレーリーダーですが、岡本さんは「1年目のプレーリーダーとは思えない安心感がある」と笑顔。
「実は私、小学校に通っていない時期があって、6年間でも半分くらいしか登校していないんです。中学・高校は一貫校に通いましたが、大学受験の前にも1年間、広く世の中を見て考える時間をつくりました。自分自身が一拍置くというか、一度歩みを止めてじっくり考える時間を大事にしてきたからこそ、見守ることに重きを置いているのかもしれません」。

こはるさん自身が子どもの頃にプレーパークで遊んだ経験があるほか、アウトドア活動をするグループに参加していた経験から、大学卒業後の進路として、プレーリーダーを目指したといいます。
「自ら提案して遊びをつくるプレーリーダーもたくさんいますが、私はどちらかというと視野を広く持って、まずは子どもたちを見守ることを大切にしています。例えば一人で遊んでいる子が遊びを探していたら、見つけるまでは見守ります。そして何かを見つけたら『それいいね』など、肯定の声かけをするようにしています」。

仮に子どもが一人で遊びに来た場合、その遊びが「自分だけ」の世界にならないよう、「それを見ていてくれる人もいるんだな」というのを良い意味で伝えられたら、と話すこはるさん。監視ではなく、誰かが見守ってくれる安心感を大切にしているのだそう。
またプレーリーダーの仕事は、自分のしたことの反響が子どもたちを通してダイレクトに返ってくることにやりがいを感じるというこはるさん。
「プレーリーダーはすべてが『継続』の仕事だと思います。何か起こった時に、明日はこうしてみようって前を向いて行動に移していくことに楽しさを感じています」と話してくれました。
狛江プレーパーク
場所 東京都狛江市元和泉2-38-1 西河原公園内
開園日 月〜水曜、土・日曜のいずれか
時間 10:00~17:00
料金 無料
問い合わせ 050-3707-2435(開園中のみ)
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