東京・遊び場探訪【いなりプレーパーク@北区】親子で外遊びがちょっと楽に!地域で育む子どもの遊び場

「プレーリーダー」という、遊びの環境を整えてくれるスタッフを配置した子どもたちの遊び場「プレーパーク」を知っていますか?東京都内でも多くの場所にあり、さまざまなコンセプトのもと、子どもたちの遊び体験に寄り添います。
今回は北区にある「いなりプレーパーク」を紹介します。
地域のみんなで子どもを育て合える環境を

北区・中央公園の拡張部で開催されている「いなりプレーパーク」は、1997年に地域の保護者たちが中心となって発足した「北区で子どもの遊ぶ場をつくる会」が運営しています。
現在は北区のプレーパーク協働事業として活動。開催当初は外部のプレーリーダーを招いていましたが、最近ではかつて自分の子どもを連れて遊びに来ていた地域の保護者たちが常駐のプレーリーダーやプレースタッフとなり、子どもたちを見守っています。
同パークで活躍するプレーリーダーの一人・ごっちゃんさんは、「今は『子どもは自分たちだけで育てなきゃ』と考える風潮にありますが、もっと斜めに広くつながり、地域のみんなで育て合える環境を実現していきたい」と言います。
ごっちゃんさんは子どもが幼児だった17年ほど前に初めてプレーパークを訪れ、利用者として通ううちにスタッフになったそう。「ロープワークなどに興味を持ったのがきっかけでした。今では子どももプレースタッフとしてアルバイトを始めたんですよ」と笑顔で話します。
ママの気持ちも楽になる環境

また、同じくプレーリーダーのあいあいさんも、もともとは同プレーパークを利用していた一人。
「当時3歳だった子どもは、ほかのお子さんに手が出てしまうタイプでした。児童館などに通うたび、止めなければいけないというプレッシャーで私自身が辛くなっていた時に、ここに出会いました。同じようなタイプの友達ができて、相手のお母さんと『ここではケンカをしてもいいことにしようね』って話をして。当時いたプレーリーダーも見守ってくれたので、私は気持ちがすごく楽になりました」。

ケンカを止めると、どうしても親はダブルスタンダードにならざるを得ないのが苦しかったというあいあいさん。
「例えば物の取り合いなら、わが子のものは『貸してあげなさい』、相手のものは『貸してもらえなくてもガマンしなさい』と言いがちです。ケンカをしても決着がつかないことは多いですし、子どもってまたすぐ一緒に遊び始めるんですよね」。
自身の経験から「ケンカを止めたくなるお母さんたちの気持ちもすごくよく分かる」そうで、そんな保護者にも、子どもたちの主体性を重んじるプレーパークのあり方を理解してもらえるよう、日々工夫しているそうです。
「気持ちを正直に言っていい」という気付きを

「子どもが『貸して』と言ったときに、言われたほうの子どもに『嫌なら嫌って言っていいんだよ』と言うと、保護者の方に驚かれることもよくあります」と笑うのはごっちゃんさん。
「だって使ったばかりだもんね」などと心情を声に出して、子どもにもその保護者にも代弁することによって、「正直に言ってもいいんだ」という気付きが親子ともにじわじわと浸透していくそうです。
「ブランコにしても乗っている子には『好きなだけ乗っていいよ』、待っている子には『乗りたいって圧をかければいいんだよ』と伝えると、子どもは『じゃあ後ろから押してあげるよ』なんて、待つ人と待たれる人だけではない関係性を自ら作りはじめます。そういう仲介の仕方を現場では意識して行っていますね」。
外遊びの魅力を伝えるミニ講座も開催

「いなりプレーパーク」は保護者と子どもが一緒に訪れるケースが多いため、「保護者の方への対応スキルが高いスタッフがそろっています」とごっちゃんさんは自信を見せます。
「子ども主体というのはプレーパークの運営としてブレてはいけないポイントですが、私たちも子育て経験があるので、わが子には『ちゃんとさせたい』『なんでもありになったら困る』という保護者の気持ちもわかります。あまり熱心に説明しすぎると、お説教をされるから行きたくないとなってしまうケースもあります」。

そこで手軽に読んでもらえるチラシや、子どもの主体性を守る外遊びの魅力を伝えるミニ講座「外遊びが楽になるヒント」を月に1回開催するなど、きめ細かい活動を行っているそうです。「講座の形にすると、意外とすんなり受け入れてくれることも多いんです」とあいあいさんも言います。
「子どもたちには、ここには自分の話を聞いてくれる大人がいると思ってもらえたら嬉しいですね。もし心が折れるようなことがあっても、学力や成果などを基準にせず、自分自身を受け入れてくれる大人がいると、開催していない日でも心の中でお守りみたいに思ってもらえるような存在になりたいです」とごっちゃんさん。
「子どもたちにとって伸び伸びと遊ぶことが大事な時間だと思う大人を増やすこと」が目標だというごっちゃんさん。「いなりプレーパーク」では、懐深く見守る母親を中心としたプレーリーダーが、今日もパワフルに活躍しています。

いなりプレーパーク
場所 東京都北区十条台1-2-2(中央図書館の横)
休日 毎週月曜・第3日曜、夏季春季など特別開催あり
時間 10:30~17:00
料金 無料
問い合わせ 090-1767-9094
詳細な開催情報は公式HPをチェック


























