開幕まで約4カ月、“今”の大阪・関西万博会場ってどうなってるの? 視察会でワクワク感が爆上がり!

こどもりびんぐは、大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創パートナーです。
今回は、先日、2025年4月の開幕に向けて工事が進む万博会場のメディア向け年末視察会があり、私たち編集部も取材させていただいたので、その様子をレポートします。

まずはこちら…。
大阪メトロ中央線が延伸し、2025年1月19日に誕生するピッカピカの「夢洲駅」です。
大きな屋根のエントランスが特徴的で、空が広い…!

そしてその向かいにあるのが、こちら大阪・関西万博「EXPO 2025」が「東ゲート」。
目下工事中ですが、シンプルですっきりした入り口になりそうですね。

メイン事業・シグネチャーパビリオン「いのちの動的平衡館」、 「0歳の赤ちゃんも十分に楽しめます!」とプロデューサーの福岡伸一さん

円周約2km、高さ12m~20mという迫力満点の「大屋根」をくぐり(こちらは後ほど紹介します)、着々と工事が進む、斬新な建築のパビリオン群を横目で見ながら向かったのは…。

大阪・関西万博会場の真ん中にある、「シグネチャーパビリオン」が並ぶエリア。

「シグネチャーパビリオン」は各界で活躍する8人のプロデューサーが主導するパビリオン。
全体で「いのちの輝きプロジェクト」と呼ばれ、いずれのパビリオンも「いのち」をテーマに掲げています。
訪れる人々が「いのち」について改めて考え、その概念をアップデートする場になることを目指しているそう。

そもそも、大阪・関西万博のテーマが「いのち輝く未来社会のデザイン」なので…。
つまり8つの「シグネチャーパビリオン」は、同万博のメイン事業の一つという位置づけになっています。

今回お披露目されたのは、「シグネチャーパビリオン」の一つ、生物学者・福岡伸一さんがプロデュースする「いのちの動的平衡館」です。
建物はこちら!

淡いピンクと流線形の屋根が目を引く、不思議な建物です。
建築家・橋本尚樹さん設計によるもので、福岡さんの生命哲学を建築の視点から具現化したものだとか。
まるで1つの細胞のようにふわりと浮かんだ大きな丸い屋根が、生命がうつろいゆく流れの一瞬の状態のように力学的なバランスを取りながら浮かび上がる…。
柱は一本も使っていない「うつろう建築」なんだそう。

屋内に入ると、インスタレーションの準備も進められていました。

同館での展示内容は、福岡さんが提唱する生命の「動的平衡」を、双方向的な光・音のインスタレーションによる演出。
「いのち」はたった一つの細胞から出発した壮大な流れの中にある…。
よりよい社会と地球の未来に向けて、「いのち」捉え直すには?
38億年前の原始の細胞からの、“利他”の生命史、共生のドラマが表現されるとのことです。

と聞くと、小さな子どもには難しい?と思ったのですが、その疑問を福岡さんに尋ねてみると…。
「小さな子どもでも、0歳の子どもだって十分に体験を楽しめます。小さな子どもならではの感性でいろいろと感じ取ってもらえたら…。そして大きくなったら福岡先生みたいになりたい!って思ってもらえたらうれしいです」と、素敵な笑顔で語ってくださいました。

写真右がプロデューサーの福岡伸一さん、左が建築家の橋本尚樹さん。
お二人ともさすが、個性的で存在感バツグンでいらっしゃいました。


トイレ一つとってもこだわり満点 !「残念石」ってどういうこと?

次に訪れたのは、「残念石トイレ」。
そのネーミングに、え、どういうこと?って思っていたのですが、実は「残念石」とは、江戸時代、約400年前の大坂城再建の際に使うために切り出されたが、結局使われなかった石のことを指すのだそう。

高さ2.5~3m、重さ7~13トンという石がそそり立つトイレは迫力満点!

「10万年前以上前に生まれた花崗岩に、人間が切り出すという行為がプラスされた石たちには命が宿っていると考えます」とは、同トイレの共同設計者の一人、竹村優里さん。
400年の時を超え、大阪、それも万博の地にやってきた石たちは、今どう感じているのでしょうか…。
竹村さんは当時の大工たちによる石を割るために打った楔(くさび)の跡などを指し示してくれました。

各国の魅力を表現する海外パビリオンの工事も進行中!オランダパビリオンと韓国パビリオンをチェック

次はオランダと韓国、2つのパビリオンを案内していただきました。

<オランダパビリオン>

共に分かち合い、新しい価値を生み出す「コモングラウンド」がテーマ。
建物内では、水から生まれる次世代のクリーンエネルギーを、映像と音などを使い、頭だけでなく、心を使って感じることができるインスタレーションで紹介予定とのことです。

建物のファサードは波をモチーフにしたデザインで、その奥には丸い球体がみえます。
水から登る太陽は、日本を示し、鎖国時代も出島の貿易で続いてきた、オランダと日本のつながりを象徴しているのだそう。
ちなみに、1970年大阪万博のシンボル、「太陽の塔」には、3つの顔があり、背面の顔、お腹にあるのは現在、頭にある黄金の顔は未来を象徴でしたが、その未来の顔は直径11m、今回のオランダパビリオンの太陽も直径11mなのだとか。

また、同建物の全ての資材は分解して活用できるようにシステムに登録。
ありとあらゆる備品に個別番号が付けられ、今のままの形で移設させるか、別の形で活用予定とのこと。
限られた資源の中で今求められる循環型建築、サーキュラー建築を実現させた建物になっています。

<韓国パビリオン>

建物の壁一面に設置された巨大なビジョンは、なんと高さ10m、幅27mというサイズ。
さすが!IT技術を誇る韓国らしい演出です。
周りの人と比較してみると…、その大きさ実感できませんか?

韓国の文化、新しい魅力を同スクリーンや建物内での展示によって、紹介予定だそう。
K-POPアーティストによるイベントなども企画中とのことで、今後の発表も要チェックです。

世界最大級の木造建築から一望できる万博会場 。多様化の時代、「大屋根」に込められた思いとは?

ラストに紹介するのは、1周約2km、外径約675m、高さ12~20m、世界最大級の木造建築の「大屋根」です。
下の様子はこんな感じ。

柱と梁(はり)が交差している様子がとても美しく、迫力バツグンです。
柱には国産ヒノキや欧州アカマツ、梁には、国産のスギとが使われ、京都・清水寺の「清水の舞台」と同じ、伝統工法「 貫(ぬき)工法」が採用されているのだとか。

実はこれらの木々は無垢材ではなく集成材。
薄い木の板を張り合わせて柱や梁を作っていて、小さな木材まで丁寧に使用しているそう。
またヒノキは福島産のヒノキを使用。
福島県浪江町に工場があり、震災復興の一役を担っているとのことです。

上にのぼってみると…。

「大屋根」がぐるりと海の方へせり出していて、いたるところで工事中の万博会場が一望して見えます。
「大屋根」には、世界で生きる人々の価値観や生き方が多様化する時代に「多様でありながら、ひとつ」という思いが込められていて、世界各国のパビリオンは「大屋根」の中にレイアウトされているそう。

世界161の国・地域が参加する大阪・関西万博。
今回紹介した施設はほんの一部でです。
実際には、東京ドーム33個分・155ヘクタールという会場に、多彩なパビリオンそろい、各エリアでイベントが毎日繰り広げられます。

メインテーマである「いのち」の在り方を考え・体験する、ユニークな建築を鑑賞する、世界の文化に触れる、世界のグルメを楽しむ、イベントを満喫する…など、楽しみ方は人それぞれです。
何回訪れても、毎回違った切り口で楽しめそうです。
子どもにとっても、大人にとっても、刺激満載の体験になりそうですね。

開幕まで約4カ月!
家族のとっておきの思い出に、大阪・関西万博を訪れてみませんか。

【大阪・関西万博 開催概要】
■開催期間
2025年4月13日(日)~10月13日(月)、184日間
各日9:00~22:00
■開催場所
大阪 夢洲(ゆめしま)
■公式HP
https://www.expo2025.or.jp/

ライター

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こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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