冬おでかけの定番「イルミネーション」、パパ&娘で高崎一泊旅行へ!

冬おでかけの定番「イルミネーション」、パパ&娘で高崎一泊旅行へ!

旅行作家の吉田友和さんによるコラム。小学生のお子さんがいる吉田家。ママは出張が多いので、パパと子どもだけで過ごす日も。「ならば、旅をすればいい!」そんな吉田さんが語る「パパだけ子連れ旅」、今回のテーマは、冬おでかけの定番「イルミネーション」についてです。

夏と冬どちらが好きか長女に聞いたら、「夏」と即答された。「夏の方が楽しいことがいっぱいあるから」とのとこと。なるほど、と得心する。海に行ったり、山に行ったり。夏祭りもあるし、夏フェスもあるし。毎週のようにどこかへ出かけるのが我が家の夏で、確かに楽しいことが目白押しだ。

一方で冬はというと、確かに夏と比べると控え目である。季節の行事としてはクリスマスやお正月はあるものの、家にいる週末も多い。

冬ならではの楽しいスポットに連れて行ってあげたいな、と思った。そうして12月の某週末、娘たちを連れて向かった先が「あしかがフラワーパーク」(栃木県足利市)だった。同パークで冬の時期開催されるイルミネーションがお目当てだ。

冬の風物詩ともいえるイルミネーションなのだが、パパだけ子連れ旅で訪れるとなると、色々と悩ましい点もあった。そこで今回は、旅の模様を交えつつ、実際にどんな感じで計画を立てたのかなど紹介します。

夜遊びだからこそストレスなく楽しみたい

イルミネーションを観に行くうえで、まずポイントとなるのが、それが夜のアクティビティであるということだ。帰りが遅くなることは避けられないだろう。近所であればともかく、会場のある足利まで行くとなると日帰りはきつい。

実は、あしかがパークのイルミネーションへは、娘たちがまだ幼かった頃にも一度訪れたことがあった。そのときは日帰りで、東京の自宅からマイカーで行ったのだが、なかなかの強行軍だったのを覚えている。

これはやはり、一泊する方が無難だろうと考えた。ところが調べてみると、その週末、近隣に子連れで泊まれる手ごろなホテルが見つからなかった。

前回記事で書いた通り、パパだけ子連れ旅はできる限り電車で移動するようにしている。あしかがフラワーパークまでも行こうと思えば電車でアクセス可能なのだが、我が家からだと乗り換えがあるのが気になるところだった。

あれこれ思案して、結局どうしたかというと、高崎(群馬県高崎市)に宿をとることにした。なぜ高崎なのか。

電車でアクセスしやすい

まず、高崎へは新宿駅から湘南新宿ライン一本で行けるのが魅力だった。我が家からだと新宿駅へは出やすく、乗り換えなしで行けるのはありがたい。時間帯的に座っていけるだろうという淡い期待もあった(実際座れた)。

新幹線に乗ってもよかったが、うちからだと東京駅まで出るのは遠回りなのだ。新宿経由で大宮へ行き、そこから新幹線に乗る方法もあるが、それだと乗車時間が短すぎて、わざわざ新幹線に乗る意味があまりない。

湘南新宿ラインなら、在来線ながら1時間半ぐらいなのでほどよい移動時間に思えたのだった。

ホテルの選択肢が豊富

地方都市とはいえ、高崎ならホテルの選択肢が多いのも好条件である。個人的には結構お気に入りの町で、何かのついでの度にちょくちょく泊まっていたりする。適度に都会で過ごしやすく、土地勘もあるから宿泊するにはおあつらえ向きなのだ。

近ごろは都市部のホテル代が高騰しているが、高崎のホテルはまだ値頃感がある。駅近くのシティホテルのトリプルが朝食付きで2万円ぐらいだった。

カーシェアが利用しやすい

あしかがフラワーパークへは、高崎でカーシェアにより車を調達して向かうことにした。「タイムズカー」の会員になって、もう10年近くになる。

レンタカーだと夜は営業所が閉まっているので、イルミネーションを見終わったあと、その日のうちに返却できない。一泊すると、それだけレンタル料が高くつくし、駐車場代もかかるから、今回のケースではカーシェアの方が有利だ。

高崎駅周辺は、タイムズカーのステーションが充実している。アプリでざっと見た感じ、駅から徒歩圏内だけでも20か所以上はある。つまり、それだけ空車も見つけやく、利用しやすいというわけだ。

電車+カーシェアの旅が楽すぎる

カーシェアというと、マイカー代わりに使うという人も多いだろう。ちょっとした買い物や、子どもの習い事の送迎、あるいは介護で利用したり。日常生活の中で、車が必要な用事があるときに都度借りるようなイメージだ。

そういう使い方も便利だが、旅先で活用するのもありがたみが大きい。特に今回のような、電車で移動したあとに車が少しだけ必要というパターンで重宝する。

レンタカーと比較したときのカーシェアのメリットは、以下の通りだ。

  • 24時間貸し出し&返却可能
  • 直前でもスマホで簡単予約
  • 手続き不要ですぐ乗れる
  • 返却時に給油が不要
  • 車種を選べる

要するに、自由度が高く、面倒な手続きがいらないということだ。最後の「車種を選べる」に関しては、カラーまで事前にわかる。車を探すときの目印にもなるし、さりげなく子連れ旅向けと感じる。赤い車とか、かわいらしい外観の車だと、娘たちは喜んでくれるからだ。

もちろん、旅の内容によってはカーシェア向きではないこともある。たとえば飛行機で現地に着いて、その旅行中はずっと車で移動するような場合にはレンタカーの方が適しているだろう。というより、そもそも空港にカーシェアのステーションがあるケースは少ない(ゼロではない)。

カーシェアでは、利用時間に応じて料金がかかる仕組みになっている。タイムズカーでは、最小15分単位から利用可能だ。6時間までいくら、12時間までいくら、みたいな最大料金は設定されているものの、6時間を超えると走行距離に応じて追加料金も発生する。どちらかといえば、短時間利用の方がコスパは高い傾向にある。

今回は約5時間の利用で4,000円ぐらいだった。激安というわけではないが、高すぎるという感じもしない。

仮にコストを抑えたいのなら、自宅からマイカーで行く方がおそらくトータルで安く済むだろう。あくまでも、どちらが我々の旅スタイルに合っているか、ストレスがないか、という基準で判断しているのだ。

週末はほぼ確実に道路が渋滞する。ある程度都心から離れてしまえば大丈夫だが、都内を出るまでの道中や、都内へ戻ってきたタイミングで渋滞に巻き込まれる可能性が高く、これが大きなストレスになっている。

それゆえ、混雑する都内は電車でサクッと脱出し、現地での移動にだけカーシェアで車を用意するやり方は、精神的に楽なのだ。

「うちの車よりきれい!」と言われ少し複雑な気持ちになったり。

花より団子? 関東最大級のイルミネーションへ

あしかがフラワーパークへ到着すると、入場ゲートの前に食べ物の屋台が並んでいた。子どもたちにとっては、足が止まるトラップ的な存在でもある。

「ふりふりポテトがある!」
目ざとく見つけたのは長女だった。おなかが空いていたのもあるのだろう。次女もぬるっと吸い寄せられていく。
「何味がいいかな?」「コンソメでしょ」
さっさと中へ入ろうよ、という父親の助言は完全に無視して姉妹で食べる気満々で意見のすり合わせをしている。これぞまさに、「花より団子」である。

渋る娘たちをなんとか説得し、改めてパークの入場券を購入する。最近はアミューズメント施設などでは事前予約が必須だったりするが、あしかがフラワーパークは当日券のみ。それなりに混雑はしているものの、予約制にするほどではないのかもしれない。

中へ入った途端、光の世界に圧倒された。約10万平方メートルの園内が、500万球を超えるイルミネーションで装飾されている。この「電球数」というのは、イルミネーションの規模を図る尺度になっていて、各地のスポットがその数を競い合っている現状がある。

500万球というのは全国的に見てもトップクラスの大スケールだ。少なくとも、関東最大級のイルミ—ネーションといって過言ではないだろう。その名の通り、もともとはフラワーパークであることも大きな特徴で、藤棚が光の花で満開になっているさまはとくに幻想的だ。

娘たちも大興奮である。お姫様が出てきそうなメルヘンな光のお城があったり、大きな地球と動物たちが水面に映りこんでいたり。子ども向けの入場者特典として、光るネックレスをサンタさんが配っていた。それを首にかけながら、一通り園内を見て回った。

冬の旅もいいものだなぁとしみじみ。かなり寒いので、防寒対策はしっかりしていくことを強くおすすめしたい。

ふりふりポテトは帰りにしっかり買わされました。

今回のまとめ

あしかがフラワーパークへイルミネーションを観に行った話を紹介した。ちなみに、同イルミネーションは2025年2月16日(日)まで開催中だ。

一泊して翌日は、高崎白衣大観音を観に行ったのだが、これがまた意外なほどに子ども向けで楽しめた。見た目が巨大でインパクトがあるし、中に入ると神様がたくさんいたりして子ども心にも響くものがあるようだった。

山の上にそびえたつ、高崎のシンボル的存在である大観音を観に行くにあたっても、再びカーシェアを活用した。路線バスもあるが本数が少ないし、かといってタクシーで行くのももったいないので、車があると便利だと感じた。

前日に乗ったのとは別の車を借りたら、それだけで子どもたちも少しうれしそうだった。昨日は青で、今日は赤。車が違うだけでも刺激的なのだろう。

高崎駅の駅ビルに「おぎのや」のレストランが入っている。駅弁として名高い「峠の釜めし」を炊き立てで味わえる現地ならではのお店だ。大の釜めし好きの長女のために、そこで昼食を食べつつ帰路に就いた。

彼女はよほど気に入ったのか、学校の宿題の作文に、イルミネーションがきれいだったことと同じぐらい、釜めしが美味しかったことを書いていて、思わず笑ってしまった。

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おでかけ・旅行

旅行作家 吉田友和

1976年生まれ。人生初の海外旅行は世界一周。その後、旅行作家として国内外を旅して回りながら執筆を続ける。妻が出張で長期間家を空けることが多く、近年はパパだけで2人の娘たちを連れて旅へ出るパターンが増えている。『3日もあれば海外旅行』(光文社)、『夢と冒険の旅 世界一周ガイド』(小学館)、『東京発 半日旅』(ワニブックス)など著書多数。

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