私たちは「いのち」とどう向き合う? 大阪・関西万博シグネチャーパビリオンをプロデューサーの言葉で紹介! 25年後に食べられる梅干しプレゼントも⁉

大阪・関西万博がとうとう開幕しました!
ニュースなどで開幕の様子を見た人も多いのではないでしょうか。
今回の万博の目玉といわれているのが、シグニチャーパビリオン。
でもいったいどんな体験ができるの?
作り手となった8人のプロデューサーに、それぞれの推しポイントを聞きました!
開幕日のブルーインパルスの飛行は天候不良による中止で残念でしたが、当日は万博会場だけでなく、ルートだった大阪城、万博記念公園付近も雨にも関わらず大混雑でした。
ミーハーな大阪魂が垣間見えた(私もその一人)、、、気がします。
大阪・関西万博は、広大な土地に国内外のユニークな建築のパビリオンが並び、見どころは満載です。
&あんふぁん編集部でも開幕前に2回訪れるチャンスがあったのですが、ほんの一部しか回れませんでした。
万博をガッツリ満喫するためには、あと10回ぐらいいかねば!と思ってしまいました。
今回は、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を表現する8つのシグネチャーパビリオンにフォーカス。シグネチャーパビリオンの内覧会では、各分野で第一人者として活躍する8人のプロデューサーが、自身のパビリオンについて紹介。またそれぞれの視点で万博への意気込みを語る様子が、8人8様で面白く、とても興味深かったです。
作り手の思い、視点が少し念頭にあるだけで、それぞれのパビリオンの体験にぐっと深みが増す気がします。ぜひチェックしてみてください。

EARTH MART(アース マート)/プロデューサー 小山薫堂さん


◇テーマ
「いのちをつむぐ」
◇パビリオンの推しポイント
食を通して命を考えていただくパビリオンです。一つの人間が数十年間生きていくために、どれだけの命をいただいているのか、未来に向けて、どうやって食べていけばいいのか、それを体感し、考えてもらえたらと思います。来場者全員に、万博会期中に漬け込み、25年後に食べられる梅干し1粒の引換券をプレゼントします。
◇万博への思い
小さな島に集まった人たちが、命について考えるってとてもすてきですよね。万博は、子どもたちが命について考えられてる場。命について考えると、感謝の気持ち、それが優しさにつながる…。行動変容のきっかけになればと思います。

<パビリオンをのぞき見!>
一生分の卵の展示があったり、食用にされる動物が生まれた瞬間の映像があったり、未来の食の提案があったり…。親子で改めて「命をいただく」ことを考えるきっかけになりそうです。
いのちがめぐる冒険/プロデューサー 河森正治さん


◇テーマ
「いのちを育む」
◇パビリオンの推しポイント
「いのちは合体・変形だ!」が、コンセプトです。自分を魚が食べる、魚と合体して自分になっている、それが大阪湾の水、太陽の光とも合体して…、多様な生き物のいのちがどうつながり、共鳴するのかを体感していただけたらと思います。
◇万博への思い
私は55年前の大阪万博を体験し、多様性を知りました。あの体験がなければ今の自分がありません。あらゆる生き物と自分たちの関連性を流れの中で捉えることで、いのちの輝きが見えてくるのでは? テクノロジーといのちは違うベクトル。あらゆる命が輝き続けることがレガシーとなればと思います。

<内部をのぞき見!>
VRゴーグルを装着する「超時空シアター」は、入館に13歳以上と制限あり。一方、映像と音響、床からの振動が融合した空間体験「ANIMA!」は、小さな子どもも一緒に体験できます。個人的に両方体験した感想としては、スケールが大きくワクワク感が広がる「ANIMA!」に一票!
いのちの遊び場 クラゲ館/プロデューサー 中島さち子さん


◇テーマ
「いのちを高める」
◇パビリオンの推しポイント
丘の上『いのちのゆらぎ場』には、五感に触れ合いながら遊び、学べるおもちゃや楽器などがそろいます。また地下のフロア『いのちの根っこ」は祭りにフィーチャー。暗闇の中で音を聞く『わたしを聞く』、世界の祭り、郷土芸能の360度映像、生演奏、来場者が一体となって生まれる『わたしを祝う』体験ができます。
◇万博への思い
反万博的な万博、大きいもの強いものが目立つのが通常なのですが、今回の万博は弱かったり少なかったりするもののエネルギーが爆発する万博にしたいなと。多彩な、そしてどんどん変化する文化がいろいろ混じり合って、未来をつくっていけるようなコラボレーションをいっぱいしたいと思います。

<内部をのぞき見!>
今回、残念ながら地下の体験はできなかったのですが、丘の上の『いのちのゆらぎ場』は遊び心たっぷりのアート・音楽が楽しめます。
いのちの未来/プロデューサー 石黒浩さん


◇テーマ
「いのちを拡げる」
◇パビリオンの推しポイント
『いのちを拡げる』をテーマに3つのゾーンで構成しました。一つ目は、過去から日本人がモノにいのりを宿してきいた歴史を展示するゾーン。2つ目がメインで、50年後の未来、人間がアンドロイドたちと共存しながら暮らす様子を物語形式で展示しています。ゾーン3は1000年後の未来です、ビジュアルが一番きれいなので、ぜひ見ていただけたらと思います。
◇万博への思い
みんなで責任を持って人間の未来、人間社会の未来を考えるものになればと。一人一人が未来をどうしていきたいか、どういう進化をしていきたいか、それを次の50年に引き継いでいく。そのヒント、可能性を感じてもらえれば…。その上で考えていく、その結果がレガシーとして残っていければと思います。

<内部をのぞき見!>
人とアンドロイドが共存する暮らしを具現化。最後のゾーンはまさに石黒先生の美学!という世界でした。
null²/プロデューサー 落合陽一さん


◇テーマ
「いのちを磨く」
◇パビリオンの推しポイント
いのちはどう変わっていくのか? AIと人間の違い、AIが私たちの仕事を替わってする時代に、どうやって生きていったらいいのか? 今回は、万博ということで、鏡の膜の壁面が伸びたり縮んだり…どでかい、でえらいもの、万博でしかできないものを作ろうと思いました。このパビリオンでは、自分のアバターを持って帰ることができます。
◇万博への思い
ヌル=何もないものという意。ヌルヌルなので、何もないものから何もないものになる。博物館、美術館は箱があり、そこに別に展示物を入れますよね。一方、万博は建物も展示物も一緒につくる、そして潰す、とても特別なこと。AIと人間が融合、また東洋の考え方などを持って帰ってほしいですね。

<内部をのぞき見!>
建物自体もうなり声をあげたり、ブルブル震えたり。内部にも鏡が張り巡らされ、人がデジタルに生まれ変わる(?)、肌がゾワゾワする体験ができます
Better Co-Being(ベター コービーング)/プロデューサー 宮田裕章さん


◇テーマ
「いのちを響き合わせる」
◇パビリオンの推しポイント
パビリオン名、Better Co-Beingは、未来への共鳴を意。万博の静けさ森と一体化し、共鳴する展示物を作りました。屋根も壁もないパビリオンは、今回の万博でも唯一です。アート体験を軸に、共鳴の中で未来をどう歩むか、という問いを投げかけます。虹を一緒に作るイベントも実施。天気がいい日はぜひ体験してください。
◇万博への思い
高度経済成長期の真っただ中だった1970年の大阪万博と違うのは、今はどういう未来になるのか、誰も提示できていない、でもそれを世界が持ち寄っている万博だと思います。かなり踏み込んだ問いを向けていて、それをみなさんが感じる万博なのかなと。いのちの輝き、灯火を消さない、今まではそうだった。でも今の時代は死なない支援ではなく、輝きを消さない支援が有効なのかなと思います。

いのち動的平衡館/プロデューサー 福岡伸一さん


◇テーマ
「いのちを知る」
◇パビリオンの推しポイント
プロデューサーの中で唯一の生物学者として、生命とは? いのちとは?といったことに向き合いました。絶えず変化しながらもバランスが取れている状態=動的平衡がいのちの本質であり、いのちは流れの中にあり、自分のいのちを作りつつ、他のいのちに渡す…。命がどこからきてどこへ行くのか、体験型のインスタレーションで表現しました。
◇万博への思い
「いのち輝く未来社会のデザイン」が今回の万博のテーマですが、なぜいのちが輝くのか、命は有限だから輝くのです。生命学者として、死の問題を問いかけなければならないと考えました。死の意味を肯定的に捉える展示、一緒に感じてほしいですね。
Dialogue Theater -いのちのあかし-/プロデューサー 河瀬直美さん


◇テーマ
「いのちを守る」
◇パビリオンの推しポイント
ダイアログシアターでは、約150人が同時に入るのですが、シナリオのない対話を体験していただきます。ここから一歩踏み出して外に出て、対話をアウトプットすることができたら…。建物は、廃校になった校舎を移築。古い時代に育んでくれたものにフォーカスし、記憶を移築。そこに新しい記憶が刻まれていければと考えました。
◇万博への意気込み
世界の国から人々が一同に集まるなんて、とても素晴らしいことです。開幕に世界中の人が集まり、集まったことを喜び合い、また184日間後、10月13日には「また会おうね!」と別れることができればと思います。
これらのパビリオンは注目度も高く、とても人気なので、満喫したい人はしっかり事前予約して訪れてくださいね。
※一部、予約なしで体験できるものもあります。
【番外編】話題のお土産を試食!
まったくシグネチャーパビリオンとは関係ないのですが…。オフィシャルショップで「コレ面白い!」と購入したお土産が、テレビなどでクローズアップされていたので、さっそく開封して試食してみました。

変幻自在のミャクミャクさま、もはやさきいかにもなっちゃっています。
そして、ちゃんと紅生姜、そしてラムネはほんのり、どころかしっかり味がしました。おいしいかどうかは…よければご自身で試してみてください。