ゴールデンウィークは九州へ!超ハイシーズンの予約、どうすればいい?

ゴールデンウィークは九州へ!超ハイシーズンの予約、どうすればいい?

旅行作家の吉田友和さんによるコラム。小学生のお子さんがいる吉田家。ママは出張が多いので、パパと子どもだけで過ごす日も。「ならば、旅をすればいい!」そんな吉田さんが語る「パパだけ子連れ旅」、今回は長期休暇に父娘で九州へ出かけたお話です。

ゴールデンウィークにママが海外出張へ行くことになった。計12日間の長期出張で、大型連休をまるまる全日程不在にするという。小学生の娘たちは学校が休みの日は、日中もずっと家にいることになる。ワンオペには慣れているものの、かつてないレベルの壮大なミッションに思えた。

さて、どうしたものか――せっかくの連休だからどこかへ行きたい。例年GWは旅行に出かけるのが我が家のお約束なのだ。家にいても、旅行にいてもワンオペであることは変わらない。ママがいないのなら、パパだけで連れて行けばいい。そんなわけで、パパ&娘2人の3人で旅行することにしたのだった。

行き先は九州、福岡県と大分県に決めた。理由は単純で、パパが行きたかったからだ。福岡では実物大νガンダム立像を見たいし、大分では温泉に入りたい。ママに気兼ねせず、自由に旅プランを決められるのはパパだけ子連れ旅のメリットだ。

「ラーメンは豚骨が一番好き」という長女は、美味しい博多ラーメンが食べられると言ったら喜んで付いてきてくれた。次女は「可愛いお土産を探そう」と物で釣って連れてきた。こうして3泊4日のGW旅行を敢行したのだった。

超ハイシーズンの航空券予約

いまからちょうど1年前、2024年のGWの話である。この年のGWは5月3日~6日の4連休となっていた。連休をフルに活用する3日出発、6日帰りの日程で飛行機を抑えたが、トップシーズンだけあって結構いいお値段がした。まあ、こればかりは致し方ない。

行きか帰りを1日でも平日にずらすことができれば、大幅に安く抑えられるのだが、そんな芸当ができたのも娘たちが保育園に通っていた頃までだ。小学生になると学校を休ませるわけにはいかないから、暦通りに旅の計画を立てるほかない。

ただ、それでもANAの「スーパーバリュー75」という正規割引運賃としては最安クラスの料金ではあった。国内線の運賃は、早く予約すればするほど安くなる仕組みだ。出発が近づくにつれて料金は高くなるし、いい時間帯の便は座席が埋まってしまう。

GW以外にも、お盆期間や年末年始なども旅行代金が高騰する。必勝法としては、とにかく早く動くのがセオリーだ。ざっくりした目安としては、ひとつ前のハイシーズンが終わる頃までには予約を済ませるようにしている。例えば、GWに旅行したいのであれば、年末年始が終わったぐらいのタイミングがリミット。

記録を見返すと、今回の航空券は1月9日に予約していた。まさに正月が明けた頃で、このタイミングではまだまだ空席状況にも余裕があった。

座席指定を忘れずに

無事航空券を確保でき安心したのだが、肝心なことを忘れていた。座席指定である。うっかりミスに気が付いたのは、出発日が近づいてきた頃だった。慌てて予約画面から座席を指定しようとしたら、もう空席がほとんどない。3席並びはおろか、2席並びで空いているところさえない。

このままでは、子どもたちとバラバラに座る羽目になりそうだった。なんとかなるだろうか。羽田から福岡までは2時間弱。それぐらいなら子ども一人でも大丈夫そうな気もするが、心配なのも正直なところだった。何より、せっかくの楽しい旅行なのだから、親子・姉妹一緒の方がいいに決まっている。

ダメ元で航空会社に相談してみることにした。電話をかけて事情を伝えると、やはり座席は空いていないとのこと。ただし、最前列や非常口座席などブロックしている座席が一部存在し、出発2日前に開放される可能性があると教えてくれた。

自分のようなうっかり者にとっては、救済手段といえそうだった。今度は忘れないようにとスケジュールに登録し、2日前にチェックすると本当に空席が出てきたから速攻でポチっと確保。なんとか事なきを得たのだった。

超ハイシーズンのホテル選び

3泊4日の九州旅行において、宿泊先は3泊すべて違う宿を選択した。理由としては、単純にあちこち行きたかったことに加えてもうひとつ。トップシーズンに限っていうと、ホテルは連泊するよりも、複数の宿を転々とする方が安く済むことがあるからだ。

基本的に、GWのホテルはどこもかなり高い。高いのは大前提なのだが、それでも日程によって料金が結構変動する。同じホテルでも、例えば5月3日、4日はお高めだけれど、5日だけ妙に安い、なんてことがままある。

そういう穴場的な日程を狙って、1泊ずつ別々の宿を組み合わせていくと、トータルでお得に予約できる可能性が出てくるのだ。もちろん行き先にもよるし、逆に連泊だと割引というケースもあるのだけれど、1つの小技として覚えておいて損はないだろう。

添い寝無料のホテルを狙う

1泊目は博多市内、街の中心部にある某シティホテルを予約した。キャナルシティという大きなショッピングモールに隣接し、何をするにも便利な場所にある(一応ホテル名は伏せたが、こう書くと簡単にバレそうだ)。

ホテルから一歩外に出ると、そこはもうキャナルシティ。買い物や食事など、なんでもござれだ。我が家の娘たちは意外と都会好きなので、まずは欲望にまみれてみようという魂胆である。連休ということでかなり混雑していたが、疲れたらすぐに部屋に帰れるのがうれしい。

ホテルには屋内プールがあるのも特徴で、このために水着を持参した。GW期間は予約制ということで、事前に電話で予約しておいた。水深1.1メートルと、そんなに深くないので、まだ背の低い次女でも安心だ。

このホテル、実は子連れには狙い目である。前にこの連載でもおすすめした、「小学生以下添い寝無料」の条件を満たすホテルなのだ。それも大人1人、子ども2人で泊まった場合でも、子どもが2人分添い寝扱いで無料になる。

ただ、その場合にはベッドが1つになるので注意が必要だ。セミダブルぐらいのサイズのベッドで正直かなり狭いが、大人1人分の宿泊費しか払っていないので文句は言えない。3人で領地の取り合いをしながら眠りについたのだった。

福岡といえばガンダムだ。もちろん、お土産にガンプラも買った

ガンダム、ハンバーグ、温泉・・・レンタカーで旅する

一泊して翌日からはレンタカーで移動する作戦だ。博多市内の営業所で車を借りて、最終日に空港の支店に乗り捨てする形で返却する。やはり地方を旅する際は、車がある方が機動力が増す。

出発して一路南へ。途中ららぽーと福岡に立ち寄り、実物大νガンダム立像を見学した。お台場にある実物大ユニコーンガンダム立像とはまた違ったカッコよさがある。オタクなパパは感激していたのだが、娘たちは全然興味がないようで、ちょっぴり悲しかった。

ららぽーと福岡へ来たらぜひ立ち寄りたいのが、「ぎゅう丸」という、本店が佐賀県嬉野市にあるハンバーグ・レストランだ。ひとつひとつ手作りの「手仕事ハンバーグ」と、パイ生地でカップを覆った「バルーンスープ」が名物。このお店と、静岡の「さわやか」が自分としてはハンバーグ店の二大巨頭である。

それから県境を超えて大分へ入った。「温泉県」ということで、とにかく楽しみなのが温泉だが、今回は別府でも湯布院でもなく日田に泊まることにしていた。日田天領水で知られ、酒蔵が立ち並ぶこの街が実は結構お気に入りなのだ。別府や湯布院と比べると、宿泊費の相場が抑えめなのもありがたい。

日田といえば、日田焼きそばの名店「想夫恋」もある。当然のように食べに向かったが、人気店だけあって行列ができていた。ぎゅう丸も相当並んだのだが、ここもやはりという感じ。さすがはGW、なめてはいけない。

パパだけ子連れ旅ならではの悩み

2泊目は日田の温泉宿に泊まったのだが、ここで一つ問題が生じた。それは、温泉にどうやって入るか、という問題だ。

パパと娘2人の旅である。幼児の頃ならともかく、娘たちももう小学生。男湯に連れて行くわけにもいかない。当然女湯に入るべきなのだが、ママ不在だから引率する大人がいないということになる。

少し悩んだが、娘たちだけで女湯に行かせることにした。というより、それ以外の選択肢はなさそうだった。我が家では娘たちが小さい頃からあちこち連れまわしているので、彼女たちも大浴場のような施設には慣れている。

娘たちを送り出したことで、結果的にパパにとってはフリータイムが生まれた。一人でのびのびと男湯を満喫。長いワンオペの日々の中で、久しぶりに訪れた束の間の一人の時間を噛み締めたのだった。

何かトラブルが起きていないか心配したが、娘たちはけろっとした顔でお風呂から上がってきた。しっかりドライヤーまでかけてきたから感心感心。この日以来、娘たちだけでも温泉に入るようになった。

何歳になっても貝殻拾いはやめられない、らしい

今回のまとめ

一泊した後、歩行者専用の橋としては日本一の高さを誇る「九重“夢”大吊橋」を渡った。ここ数年、日本全国のおもしろい橋を巡る旅をしている。日田から割と近い距離にあったので、ついでに訪れたのだ。スリルたっぷりの橋に腰が引けていたら、娘たちに置いて行かれてしまった。

そこから北上して再び福岡方面へ。3泊目は志賀島のホテルを予約していた。志賀島といえば、金印が発見された島としてあまりにも有名だろう。島とはいえ、陸地で繋がっているので車で行くことができる。

こぢんまりとした島だが、だからこそのんびりした雰囲気を味わえる。博多からそんなに遠くないのに、ずいぶん遠くへ来たような気になる。ホテルの前がビーチになっていた。時期的にまだ泳げないが、波打ち際を散策するだけでも心が洗われる。

結局トラブルらしいトラブルもなく、楽しいことをいっぱいして、美味しいものをたくさん食べた。パパだけ子連れ旅では過去最長となる3泊4日があっという間に感じられたのだった。

ナビゲーター

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担当カテゴリー

おでかけ・旅行

旅行作家 吉田友和

1976年生まれ。人生初の海外旅行は世界一周。その後、旅行作家として国内外を旅して回りながら執筆を続ける。妻が出張で長期間家を空けることが多く、近年はパパだけで2人の娘たちを連れて旅へ出るパターンが増えている。『3日もあれば海外旅行』(光文社)、『夢と冒険の旅 世界一周ガイド』(小学館)、『東京発 半日旅』(ワニブックス)など著書多数。

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