【子どもの食事】少食、好き嫌い、食べムラ、あそび食べ…気にしなくてOK!理想論に振り回されない、助産師HISAKO流脱力思考

助産師として多くの親子と関わりながら、プライベートでは12人の子どもを出産したHISAKOさんが『がんばらんでええ!』『テキトーでええ!』を合言葉に、キレイゴト抜きの方法論でみなさんの心を軽くするコラムをお届けします。
「子どもの食事」はいつもママの悩みのタネ…
私が聞いてきた中で、ママたちの悩みでトップ5に入るのが「子どもの食事」に関することです。「食べない」「食べすぎ」「栄養は足りてるの?」など、心配や不安は尽きませんね。「いつか必ず食べるようになる」という正論は、ときにママを苦しめます。だって、大事なのは「いつか」じゃなく「今」だから。やがて不安や心配はコントロールしづらい状態になり、「なんで食べないの!」と怒りの感情に変換されてしまいます。
若干の圧をかけながら言ってしまう「食べなさい!」という言葉。食事の時間が緊張や強制の場になると、ますます食べなくなり悪循環とわかっていても、つい言ってしまいますよね。でも、思うんです。「子どものペースを尊重する」という理想論に振り回されて、不安をなかったものにしようとすると、余計に怒りが湧いてしまいます。だったら「私、怒ってるな」というように、感情をそのまま受け止め開き直っちゃいましょう!
その上で、育児本にある正論をもう一度読んでみます。「子どものペースを尊重し、無理強いは避けることが大切。食事の環境を整え、楽しい雰囲気で食事ができるよう工夫する。また、生活リズムや間食にも注意し、少しずつ食べる量を増やしていく」どうでしょうか?そんな簡単にできたら誰も苦労しないわ〜って、ちょっと脱力して読めたんじゃないかな?(笑)
注目すべきは、わが子の様子
着目すべきは、「食べる食べない」という事象ではなくわが子の様子。これに尽きます!顔色はいい?パワフルに笑って、泣いて、怒って、動き回ってる?おしっこやうんちは出てる?
ママから見てわが子が元気そうなら、今の食べ方で問題ナシ。燃費がよくて少量の食事量でもいい子、代謝がよすぎていっぱい食べなきゃいけない子、いろんな体質の子がいます。
体重も気になると思いますが、幼児期は活動量が増えるため、現状維持か数百グラム単位で減るのも当たり前。どんどん減っていく、もしくは増えていくことがなければOK!チェックポイントは「食べる物、量」ではなく、「子どもが元気かどうか」これだけです。同じメニューが続いてもいいし、多少栄養が偏る時期もあっていいんです。
子どもの「食べムラ」「あそび食べ」は大切なプロセス
そもそも、子どもの「食べムラ」は正常な発達の一部です。1~6歳頃は初めての食べ物や見た目、微妙な苦み、酸味、エグみなどの味を警戒する本能的な反応が強くなる時期。これは人類が生き延びるために獲得した大切な防衛本能です。また、子どもの胃は小さく、大人が考えるよりも少ない量で満足することがあります。成長の速さにも波があり、食欲も連動して変化するのは自然なことですよね。
食べ物を触ってこねて投げる「あそび食べ」。お行儀が気になるのと、片づけが大変で困ってしまいますね。でもこれも大切なプロセス。子どもは全身の感覚を使って食べ物を理解していきます。手で触れることで温度や硬さを確かめ、いろいろな角度から観察することで「この食べ物は安全」と認識していくのです。
食べ物と楽しく関わる経験は、後の食への興味や意欲にもつながります。知的好奇心に溢れた子どもたちにとって、食事の時間は理科の実験!栄養を摂るだけでなく、世界を探求する大切な学びの機会だという視点を忘れないようにしましょう。
心配な場合は専門家に相談を!誰かにグチを吐くことも大切です
それでも心配な場合は小児科医や栄養士に相談したり、あなたの苦悩に共感してくれる人を選んでグチを吐くことも大切です。
今は少食でも、好き嫌いが多くても、遊び食べをしても、それは子どもの発達の一過程。成長に合わせて食の好みは確実に広がっていきます。だってほら、あなたが昔あんなに嫌いだったピーマン、大人になったら食べられるようになったでしょ?(笑)

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