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【2024年版「共働き子育てしやすい街ランキング」で全国1位】神戸市がスゴすぎる理由とは?最新の子育てサポートを紹介!

共働きのママ、パパにとって、子育てサポートが充実している街はとても魅力的ですよね。
兵庫県神戸市が、2024年版「共働き子育てしやすい街ランキング」(日本経済新聞社・日経BP)で全国1位を獲得したと耳にしたあんふぁん編集部は、神戸市こども家庭局こども未来課を訪ねました。
「神戸市は、妊娠・出産から学齢期までこどもの成長に応じた切れ目のない支援の充実に向け、地道にずっと取り組んできました。2022年度は全国36位、2023年度は4位、そして2024年度1位を獲得することができました。取り組みが評価されたことはとてもうれしいです」と、神戸市こども家庭局こども未来課係長の中村拓馬さんは話します。評価されたポイント、また今後の取り組みについて詳細をお聞きしました。
全園でICTシステムを導入!先生が子どもに向き合う時間の増加に
――神戸市が2024年版「共働き子育てしやすい街ランキング」全国1位と評価されたポイントを教えてください。
神戸市は人口約149万人の大都市ですが、保育施設の待機児童ゼロを2022年に達成。その後4年連続で達成しています。
また、園のICT化も積極的に進め、政令市で初めて全園にシステムが導入されています。登降園、預かり保育などの管理、オンラインでの連絡などをICTシステムが担うことにより、園の先生の事務作業の時間が減り、その分子どもたちと接する時間が増えました。また、急な発熱などでも預けることができる「病児保育」も、政令市ではトップクラスの市内24施設で実施。さらに増やしていく予定です。


また学童保育についても、市内に約250カ所あり、小学6年生まで希望者全てを受け入れています。夏休み限定での受け入れの要望も多く、現在対応している施設は20カ所ですが、この夏には50カ所に増加予定です。「夏休みの学童保育は昼食が困る…」という声にも応え、お弁当を児童館に届けるサービスも試験的にスタートしています。


――産後のサポートも充実していると聞きました。
出産後に産後うつになる、またはそれに近い状態になる人も含めると1割程度いるといわれています。授乳やげっぷなど一つとっても全てが初めてで、分からないことだらけ。困ることが多いですよね。
そこで、神戸市内では、35カ所の施設で「産後ケア」を実施しています。宿泊、日帰り、訪問などのタイプがあり、スマホから気軽に申し込むことが可能。産後のさまざまな悩み・相談に対応しているほか、お母さんが体を休めることができます。「産後ケア」の利用率は全国平均は約1割程度なのですが、神戸市は約3割と全国トップクラス。多くの方に利用いただいています。
昨年の秋からは、「こべっこウェルカム定期便」をスタートさせました。赤ちゃんの誕生をお祝いするプレゼント(1万円相当)にくわえ、おむつやミルクなどの育児用品を、子育て経験のある見守り配達員が毎月(最大10回)自宅に届けています。できるだけ配達員は同じ担当者にすることで、赤ちゃんの成長を見守ることができるように配慮しています。

また、神戸市には児童館が120カ所あり、全施設に「子育てチーフアドバイザー」(保育士、社会福祉士、教員免許所持者、保健師、助産師、または児童館で2年以上就業した人)が常駐。育児の悩み相談などができるほか、開館日には毎日乳幼児向けのプログラムを展開しています。ママ友のつながりづくりにも、活用いただいています。
さらに、無料のコワーキングスペース「あすてっぷコワーキング」を市内3カ所に設置。パソコンも無料で貸し出しているほか、保育士も各施設に常駐し、一時保育も無料です。こちらは子ども連れの男性の利用も可能なので、育児休業中のパパなどにもおすすめです。
――乳幼児だけではなく、「切れ目のないサポート」を重視されているそうですね。
神戸市は大きい都市なので、高校生の通学にかかる費用がかさんでしまう悩みの声も多くありました。そこで、神戸市は全国で初めて市内在住・在学の高校生の通学定期代の無料化を実施。2025年の4月から、市外の高校などに通う場合も通学定期代の半額の補助を行っています。
また、高校生以下は、博物館、美術館、動物園などの公共施設は無料で利用できるようにしました。そのほかボール遊びができる公園の整備に力を入れ、バスケットゴールも2026年度までに50カ所から100カ所に増やします。
カードゲームで子どもたちの意見を収集「こどものやってみたい」を支える取り組み
――2025年度からスタートした5カ年計画「神戸っ子すこやかプラン2029」について教えてください。
子どもたちが健やかに自分らしく成長でき、また誰もが安心してこどもを生み、育てることができるよう、切れ目のない総合的なこども・子育て支援の推進に向けて神戸市の基本的な方向性や共通する視点を定めたものです。「こどもまんなか社会」の実現に向けて、2023年にこども家庭庁が設立、「こども基本法」「こども大綱」が策定されましたよね。それを色濃く神戸市の計画には取り入れています。
特徴的なのは、柱の1つを「こどもの“やってみたい”を支える、こどもを主体にしたまちづくり」にしたこと。また、計画の策定にあたり、幅広く子どもたちの意見を収集しました。まず、2024年2月~4月にかけて小学校高学年~高校生世代の子どもたちにアンケートを実施。そこで出てきた意見をベースにカードゲームを制作しました。

・白のカード(聞いてカード)/子どもたちへのアンケートで出てきた意見・要望が書かれている
・黄のカード/神戸市がもつ資源が書かれている
<遊び方・ヒアリングの手法>
・白のカード・黄のカードをそれぞれ引く。白のカードに書かれた意見・要望を、黄のカードの資源を使って、自分たちならどう解決するかを考える
・遊びが慣れてきたら、何も書かれていないオリジナルの「聞いてカード」を子どもたちに渡し、自分自身の意見を書いてもらう
2024年の夏にこのカードを児童館や希望する子ども食堂に1セットずつ配り、小学生に遊んでもらいながら、さらに意見をヒアリング・集約しました。中・高生には、「自分(こども)の意見を取り入れたまちづくり、自分(こども)が主役なまちとはどんなまちなのか?」などをテーマに、直接意見を聴くワークショップも実施しました。
子どもたちの意見は計画の策定に反映されたほか、具体的に動いているものもあります。例えば、中・高生の「無料で自由に使える勉強スペースがほしい」という要望に対応し、この7月にまちなかのカフェのアイドルタイムを利用して「まちなか自習室」をオープン予定です。
この4月に神戸空港の国際化が実現。国際線が就航しました。都心・三宮の再整備も、今まさに進行中です。より魅力がアップしていく神戸の街で、より充実した子育てサポート体制づくりに励んでいきたいと思っています。
まとめ
関西エリアでも神戸は独自の文化を持つエリア。さらに都心でありながら、海も山も近く、豊かな自然がすぐ近くにあるなど、子育てファミリーにとっては魅力的なポイントが数多くあります。ぜひ「共働き子育てしやすい街ランキング」2連覇、目指してほしいですね!
企画・編集/&あんふぁん編集部