イライラしない子育てなんて無理!12人育てたHISAKO流、“ありのまま”子どもと向き合うヒント

イライラしない子育てなんて無理!12人育てたHISAKO流、“ありのまま”子どもと向き合うヒント

助産師として多くの親子と関わりながら、プライベートでは12人の子どもを出産したHISAKOさんが『がんばらんでええ!』『テキトーでええ!』を合言葉に、キレイゴト抜きの方法論でみなさんの心を軽くするコラムをお届けします。

「深呼吸する」「子どもと距離をとる」…そんなことできますか?

子どものために奮闘する日々は、ハプニングの連続です。広い心で対処しようと意識しても、あまりにも言うことを聞いてくれないとだんだんイライラ…。「いい加減にして!」と雷ドカーン!と落として、「なんであんな言い方しちゃったんだろう」と自己嫌悪に陥る切ない夜を私は星の数ほど経験してきました。

子育て関連の本などでは、感情的にならない方法として「深呼吸」「自分の時間を確保」「その場を離れて子どもと距離をとる」などが紹介されていますよね。でも、20年前の私は怒りのボルテージが上がっている時に、悠長に深呼吸などできませんでした(笑)。ワンオペで子どもと距離をとることが難しい環境の中で、どうしろと!?どんなアドバイスも全てキレイゴトに聞こえました。

そして12人育てた今、感情的なママの「怒り」は無理して抑えなくていいという結論に達しました。一日中、子どもの命を守り育てるためにフル回転。寝不足で体はクタクタ、ご飯もゆっくり食べられない、トイレに行く時間もない。そんな中で、子どもの突拍子もない行動に、いつも笑顔を絶やさず対処し続けることを求められても酷な話です。イヤイヤ期なんてもはや、バトルロワイヤルのようなものだしね!(笑)

子どもはママの本質を見抜いている!

「子どもの心に取り返しのつかない傷を負わせるのでは?」と心配になる気持ちもよく分かります。でも、子どもというのは、私たちが思っている以上にママの本質を見て、感じ取っています。いつもニコニコしているだけが「良いママ」ではないということも、ちゃんと見抜いています。

もちろん、四六時中子どもを傷つける言葉や行動を繰り返すのなら問題ですが、ほとんどのママは一日のうち「たまに」感情的になってしまうだけではありませんか?うれしい時に笑い、悲しい時に涙し、そして、時には怒る。そんな人間らしいママの姿を、子どもたちは丸ごと受け入れているものです。

「ママも人間なんだな」という、大切な学びの機会でもあると私は思うのです。むしろ、ママが自分の感情を押し殺して、いつも笑顔の仮面を被っていたら、子どもは「感情を出さないことが正しい」と学んでしまうかもしれません。そしてそれは、子ども自身の感情表現の幅を狭めてしまうことにもつながりかねません。

たとえきつく叱りつけてしまっても、後でギュッと抱きしめて、「さっきはごめんね。ママ疲れてて、つい大きな声出しちゃった」と、正直な気持ちを伝えてあげれば、「ママは自分の気持ちをごまかしたりせずにちゃんと伝えてくれるんだ」という安心感にもつながるはずです。

感情的になるのは、一生懸命向き合っている証拠!しんどい時はSOSを出そう

積もり積もった疲労やストレス、不安や孤独感。心と体がキャパオーバーになった時、コップの水が溢れるように、怒りとしてブワッと噴き出してしまうのは自然なことです。感情的になってしまうのは、あなたがそれだけ一生懸命子どもに向き合っているから。決してあなたが「悪いママ」だからではありません。

そして、そんなママのことを、子どもはちゃんと受け止めてくれています。だからどうか、ご自身を責めないでくださいね。それでもどうしてもしんどい時は、一人で抱え込まずにSOSを出すようにしましょう。ご主人でも、ご実家でも、ご友人でも、地域の支援センターでも、誰でも良いので頼ってください。

「助けて」と言えるママこそ、本当の意味で強くて素敵なママだと私は考えます。ママが自然体でいることこそが、家族みんなにとって何よりも最高の幸せなのですよ。

感情的になってもOK!自然体のママは素敵です

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助産師 HISAKO

1974年生まれ。看護師・助産師資格取得後、総合病院、産婦人科クリニック勤務を経て2006年大阪市阿倍野に「助産院ばぶばぶ」開設。同院での母乳育児支援・育児相談を中心に、大阪市育児支援訪問・妊婦教室を15年にわたり担当。政府や自治体依頼による講演活動や、日本全国の幼小中高校、大学、各発達段階に合わせた教育現場における出張授業「いのちの授業(性教育授業)」を展開。プライベートでは1998年から2020年の間に12児を出産。2020年沖縄県うるま市に移住、助産院移転。YouTube登録者数約57万人『【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル』を配信中。

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