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【東京都】こどもを大切にする社会を目指す「こどもスマイルムーブメント」とは?“育業”についても発信中

東京都では、「チルドレンファースト」の社会の創出に向けて、「こどもスマイルムーブメント」に取り組んでいます。
今回はこのプロジェクトの意義や、知っておきたいイベント情報などを東京都 子供政策連携室 企画調整部 プロジェクト推進課長の渡邉貴志さんに聞きました。
東京都が進める「こどもスマイルムーブメント」とは?

――「こどもスマイルムーブメント」を立ち上げた背景や、目的について教えてください
渡邉さん:「こどもスマイルムーブメント」は「こどもを大切にする東京を、育てよう。」をコンセプトに、幅広い主体の方々、例えば都内自治体や企業、団体の皆様などと連携をしながら、社会全体でこどもを大切にする機運を一層高めるとともに、こどもの笑顔があふれる社会をつくることを目指す取り組みです。社会全体でこのムーブメントの理念を共有し、こどもの笑顔につながるアクションを促進しています。
――「こどもスマイルムーブメント」の中で、特に力を入れて発信しているポイントや、工夫している点を教えてください
渡邉さん:「こどもスマイルムーブメント」にはアンバサダーとして、いろいろなジャンルで活躍されている8名の方々に就任いただいており、ムーブメントを盛り上げていくため、この方たちを中心に様々な発信をしています。
またXやInstagramなどのSNSで、さまざまなイベントの開催情報も発信をしています。特に、ゴールデンウィークや夏休み期間中には、自治体や企業、団体などが主催するこどもたちが笑顔で体験できるような多種多様なイベント情報を、こどもスマイルムーブメントホームページの特設サイトにて紹介、発信しています。
この他「こどもスマイルムーブメント」では、「育業の推進」にも力を入れています。「育業」は、都が2022年に公募により決定した「育児休業の愛称」です。育児を「休み」ではなく「大切な仕事」として捉え、育業を社会全体で応援する気運醸成のために様々な取組を行っています。
愛称「育業」発表後、国による法改正も後押しとなり、現在では、都内企業における男性の二人に一人が育業するところまで来ています。今後とも企業・団体と連携しながら、望む人誰もが育業しやすい社会に向け、取り組みを行っていきたいですね。

――都民や企業・団体からの反響や参加状況について、印象的だったエピソードはありますか?
渡邉さん:毎年秋口から冬にかけて、「こどもスマイルムーブメント大賞」として、こどもの笑顔を育む先進的な取組を行っている企業・団体を表彰させていただいています。例年多くのご応募をいただいており、その中で最も優れた取り組みに東京都知事賞を贈呈しています。
2024年度は、こどもたちを笑顔にする「子供部門」と子育てをサポートする「子育て世代部門」の2つのカテゴリーで表彰を行いました。「子供部門」では、こどもたちによるフリーマーケット「キッズフリマ」に取り組むNPO法人キッズフリマが知事賞を受賞しました。
また「子育て世代部門」では、大手企業に先駆けて2022年から、育業する本人と同僚社員の両方を支える子育て休業応援手当制度を導入した株式会社GOOD PLACEが知事賞を受賞しました。表彰された企業・団体の皆様からは、受賞を経て、さらに活動や取り組みが活発になったという話を伺っています。
育業の推進に関する取り組みなどは、どちらかといえば社内向けの取り組みですが、受賞をきっかけにその企業の良さを広く知ってもらう機会にもなると思います。表彰等を通じて育業の推進に取り組む企業・団体の皆様の活動を後押しできたらと考えています。「こどもスマイルムーブメント大賞」が、社会全体でこどもを支えるということを改めて考えるきっかけになるよう、引き続きしっかりと取り組んでいきたいと思います。
小さなこどもたちから高校生までを対象にイベントも
――プロジェクトを進める中で、課題や、もっと取り組みを進めていきたいと思うことはありますか?
渡邉さん:「こどもスマイルムーブメント」がスタートした令和3年(2021年)12月時点では、参画いただいた企業は・団体は900ほどでしたが、今年度6月には2000を超えるに至りました。今後ともより多くの企業・団体に都のこどもスマイルムーブメントに賛同・参画いただきたけるよう、ムーブメントをさらに盛り上げていきたいと思っています。
また参画するだけでなく、持続性のある関わりを継続していきたいですね。現在参画いただいている方々からの、例えば「うちはこんなことやってるよ」といったいろいろな発信を積極的にしていただけるよう、さらにムーブメントがどんどん拡がる環境を作っていきたいと考えています。
また今年度新たに、中高生に職業体験の機会を提供する「TOKYO中高生職業体験サイト Job EX(ジョブイーエックス)」を開設しました。これは、昨年度に都が実施した「中高生政策決定参画プロジェクト」において、中高生が政策を考えて知事に提案した内容が事業化された取り組みです。
「こどもスマイルムーブメント」の参画企業・団体の中から、中高生の職業体験を受け入れていただける企業・団体を募集したところ、幅広い業種の皆様に手を挙げていただきました。現在、職業体験に参加する中高生を募集中で、将来の職業選択の一助となる魅力ある体験プログラムがそろっていますので、ぜひ多くの中高生に参加してもらいたいと思っています。
また、前述のアンバサダーには、今年度、秋以降に小中高や特別支援学校で特別な出張授業を開催していただく予定もあります。
――幼児でも楽しく参加できるようなイベントはありますか?
渡邉さん:夏休み期間中に実施される様々なイベントを集約した「こどもスマイル大冒険」という特設ページを7月18日に開設しました。対象年齢はイベントごとに異なりますが、0歳から未就学児、小学生、中学生、高校生まで、多くのこどもが参加できるよう幅広いイベントをラインアップしています。小さなお子さんですと、例えば、木登りや木工作、どろんこ遊び、昆虫採集などこどもたちが自然と笑顔になって、自由な発想で遊べる場所やイベントを紹介もしていますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
企業やNPOなど幅広い主体との連携し、「こどもの笑顔があふれる社会」「安心してこどもを産み育てられる社会」の実現を目指している「こどもスマイルムーブメント」。いまや都内男性の2人に1人が育業しており、望む人誰もが育業できる社会にも近づいています。
こどもと楽しめるイベント情報も盛りだくさんのホームページを活用して、こどもと一緒に毎日を楽しく過ごすヒントを見つけてみてくださいね。
企画・編集/&あんふぁん編集部、文/山田朋子