おむつが外れない?ほっときなはれ!【トイトレ】は子ども自身の成長+親の心のゆとりが肝心

助産師として多くの親子と関わりながら、プライベートでは12人の子どもを出産したHISAKOさんが『がんばらんでええ!』『テキトーでええ!』を合言葉に、キレイゴト抜きの方法論でみなさんの心を軽くするコラムをお届けします。
数々の自立の中で、なぜ排泄だけ「訓練」!?
こんにちは!助産師HISAKOです。子育て中のママ・パパ共通の悩みといえば、「トイレトレーニング」ですよね。「トレーニング」なんて聞くと、つい力が入ってしまうけど、実は私、12人の子どもを育ててきて、誰一人としてトイレトレーニングをしたことがありません(笑)。
子どもの発達は本当に様々です。歩き出す時期も、おしゃべりする時期も一人ひとり違うように、おむつが外れる時期だって、その子のペースというものがあります。3歳を過ぎてもおむつが取れない子なんて、山ほどいます。わが家の第12子は保育園では3歳からパンツだったけど、家では4歳過ぎてからようやくトイレと親友になりました。それが彼女のペースだったんですね。
いつか必ずできるようになる数々の自立の中で、なぜ排泄だけ、「訓練!」と騒ぐのでしょう?脳も体も準備ができていないのに、親が焦って無理強いしても、良いことなんて一つもないんです。
排泄の自立には体の成熟が必要
よく「おむつが濡れて気持ち悪いから、子どもはトイレに行きたがるようになる」と言われますが、これは違います。排泄の自立に本当に必要なのは、おしっこが膀胱に溜まっている感覚と、「出る」という瞬間の感覚。この二つが脳でしっかり感知できるようになること。体が成熟して、脳と膀胱が「おっ、そろそろか?」と連携プレーできるようになって初めておむつが外れます。
また、紙おむつはサラサラだからパンツに移行しにくいという説も聞きますが、濡れる感覚が発達を促すわけではないので、布おむつでも紙おむつでも、子どもは然るべき時期が来たら、勝手にトイレに行くようになりますよ。
そして、時間を決めてトイレに連れていく「時間決めトイレ誘導」は無駄足!と断言します。これでは子どもは自分で「おしっこが溜まっているな」という感覚を学ぶ機会を失ってしまいます。親が良かれと思ってやっていることが、子どもの自立を邪魔しているなんて、なんとも皮肉な話ですね〜。
親がすべきは「背中を押してあげること」
じゃあ、ママ・パパは何をすればいいのでしょう。子どもが『トイレ行きたい!』『パンツ履きたい!』と言った、その絶妙なタイミングを見計らって、背中を押してあげること。これに尽きます。
子どもが自分で服を脱ごうとしているのに「早く!」と手伝ったり、自分でご飯を食べようと頑張っているのに「汚れる!」と横から食べさせたりするのと同じで、先回りして「訓練」するのは、子どもの「やりたい!」という芽を摘み取ってしまうことになります。
そして、もし子どもが失敗しちゃっても、どうかため息をつかないであげて。その自信がないママ・パパは、トイレトレーニングなんて本当〜っにやめといたほうがいい!子どもが排泄に対してネガティブなイメージを持ってしまったら、かえって自立が遠のきます。プレッシャーは敵ですよ!

肩の力を抜いて、時期が来るのをのんびり待ちましょう
さあ、肩の力を抜いてください。そもそも、「早くおむつが外れた子が優秀」みたいな世間の風潮が、評価基準としてズレているんです!ピリピリしながら「訓練!訓練!」と躍起になるよりも、子どもといっぱい話して、いっぱい遊んで、子どもの「なんで?」「どうして?」という好奇心や、豊かな心を育んであげることのほうが、よっぽど大事です。
フツーにありのままに日々過ごすこと。その時期が来るのをのんびり待つこと。親がやるべきことはそっちです。トイレトレーニング無縁のわが家の4歳児は最近、「ママ!何が出たか教えてあげようか?」と、トイレで出たモノを自慢げに報告してくれます(笑)。大丈夫! 心配いりません。私が断言します。
おむつなんて、そのうち必ず外れます。ほっときなはれー!

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