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捨てないで!サイズアウト服の循環で子育て家庭にうれしい「こども服の譲渡会」って?

捨てないで!サイズアウト服の循環で子育て家庭にうれしい「こども服の譲渡会」って?

子どもの成長はうれしいけれど、どんどん増えるサイズアウトした子ども服。まだキレイだから捨てるのはもったいないと思うものの、フリマアプリを活用する時間はなかなか取れないし、知り合いにあげるのも気を遣う…そんな悩みを一気に解決する「こども服の譲渡会」を発見!好循環が生まれる子育て支援の新しいかたちを紹介します。

まだ着られるのに…悩ましい子ども服の処分問題

子ども服がサイズアウトした際、まだ十分着られる服の処分を考えて心を痛めていませんか?かといってフリマアプリで売るのは写真撮影から発送まで手間がかかり、売れるまで保管しておく場所も必要です。

お下がりを知り合いや近所の人にあげるのも、趣味が合わなかったらどうしよう?などと気を遣ってしまうもの。気づけば着られなくなった子ども服がクローゼットを圧迫している…という家庭も少なくないのではないでしょうか。

そんな子育て家庭の悩みを解決する新しい取り組み「こども服の譲渡会」が今、注目を集めています。

互助の精神が根付く子育て支援の新しいかたち

この取り組みを全国で展開しているのが、クリーニング業界専門メディアを運営する「ゼンドラ」(東京都文京区)です。代表取締役の関誠さんは、この活動の背景についてこう語ります。

「子育て支援というのは、やはりみんなで協力しあってやっていくものだと思うんですね。服を集めてキレイに整える企業、場所を提供してくださる企業、運営費を協賛してくださる企業といったふうに、みんなで少しずつ持ち寄って、今日のこの形ができているんですよ」。

譲渡会で提供される子ども服は、事前に各地で行われた譲渡会やクリーニング店で回収されたもの。基本的には自宅で洗濯された清潔な状態で持ち込んでもらいます。集まった服はゼンドラの倉庫で検品が行われ、落ちそうなシミがあるような服は洗い直すこともあるそう。また服の畳み作業や仕分け作業は、障がい者の就労支援として行われており、地域の雇用創出にも貢献していると関さんは話します。

一期一会の服選び!実際の譲渡会をレポート

そこで2025年9月6日に川崎市のマルイファミリー溝口で開催された、譲渡会を取材しました。

会場の入り口付近には、譲渡を希望する服や絵本を入れるボックスが設置されています。服の回収ボックスには、譲渡する服を持参した人が次々と服の入った袋を入れていました。

会場に入ると新生児サイズのベビー服から小学校を卒業しても活用できそうな160cm以上までの子ども服がずらり。手袋や帽子などの小物類を集めたラックも用意されており、季節に合わせて夏物から秋物が中心に並べられていました。陳列されている服が減ると、スタッフが随時追加していく様子も見られます。

雰囲気はフリーマーケットのようで、同じものが並ぶ可能性は低いため、服を選ぶ際はちょっとした宝探し気分も味わえます。中にはブランドのタグがついた掘り出し物もありました。また値札を気にせず、子どもに「どれでも好きな服を選んでいいよ」と言えるので、ちょっとした開放感も感じられます。

持ち帰れる服は1世帯5着までで、簡単なアンケートにスマートフォンから回答するのが条件です。出入り口にあるカウンターでスタッフにアンケートの終了画面を見せてから、服をカウントしてもらい、持ち帰る仕組みでした。

会場内には持ち帰る服を広げて状態をチェックできる選別台や、毛玉取りコーナーの設置も。しみなどの汚れが気になる人は当日に限り、会場ビルに入っているクリーニング店で、しみ抜き1点無料のサービスも提供されていました。

絵本の譲渡や子どもが楽しめる催し物も

また「こども服の譲渡会」では衣類だけでなく、絵本の譲渡も行われています。会場に来た子ども1人につき1冊まで持ち帰ることができ、小さな子どもが絵本を読むスペースとしても活用されていました。

また、お菓子や小さなおもちゃがもらえるプチイベントも実施。この日は「こども服の譲渡会」初の試みとして、協賛企業の協力により地元アイドルの登場もあり、会場を盛り上げていました。

持ち帰ったら次は持参したくなる好循環、全国各地で広がる取り組み

前出の関さんに会場でお話を伺うと、「このイベントに参加すると、互助の精神がうまく回りだすんですよ」と笑顔。

「初めて譲渡会に訪れて服を持ち帰る方に、たびたび『次はいつやるんですか?』って聞かれるんです。みなさん『うちの服も持ってくればよかった』って思われるようなんですね。日本にはもともとお下がりの文化があったじゃないですか。でも最近はあげたら迷惑かなとか、もらったら着ないといけないかなとか、あげる方ももらう方もいろいろ考えてしまいますよね。でもこういうところで活用してもらえるなら、といってダンボールで2箱も3箱も持ってきてくださった方もいましたよ」。

さらに「こども服の譲渡会」は、ゼンドラの本社がある東京都周辺だけでなく、全国各地で開催されているのもうれしいポイントです。過去には秋田、群馬、栃木、新潟、富山、長野、岐阜、静岡、京都、広島などでも実施されており、各地域で集められた服を地域内で循環させることを目指しているのだそう。

洋服を持ち込んでくれる一般の人はもちろんのこと、この催しを一緒に取り組んでくれる行政機関や企業も随時募集中だといいます。詳細が気になる場合はぜひゼンドラのホームページをチェックしてみてくださいね。

今後の開催予定は?会場以外の回収拠点へ持ち込みや送付もOK

衣替えの季節にクローゼットをスッキリさせたい、ゴミを減らすエコ活動に参加したい、無料で服を手に入れて節約したい…そんな思いを持つ子育て家庭にとって、「こども服の譲渡会」はいくつもの悩みを一気に解決してくれる画期的なイベント。善意の好循環を育むサステナブルなイベントの開催予定は以下の通りです。

**2025年の開催予定**

9月22日(月)・23日(火・祝) 【三重県】イオンタウン伊勢ララパーク

9月27日(土)・28日(日) 【広島県】LECT1Fイベントスペース

10月4日(土) 【神奈川県】ラ チッタデッラ

10月5日(日) 【千葉県】市川住宅公園

10月11日(土) 【埼玉県】上尾ハウジングステージ

10月11日(土)・12日(日) 【愛知県】イーアス春日井

10月12日(日) 【埼玉県】三郷ハウジングステージ

10月13日(月・祝) 【埼玉県】所沢ハウジングステージ

10月19日(日)  【東京都】ボートレース多摩川

10月19日(日)・20日(月) 【千葉県】アトレ新浦安

10月27日(月) 【神奈川県】新百合ヶ丘OPA

11月1日(土)・2日(日) 【静岡県】ベイドリーム清水

11月8日(土)・9日(日)  【栃木県】おやまゆうえんハーヴェストウォーク

11月8日(土)・9日(日)  【群馬県】ベイシアおおたモール店

11月15日(土)・16日(日)  【栃木県】宇都宮PASEO

11月30日(日) 【神奈川県】さがみ湖MORIMORI

12月6日(土)・7日(日)  【栃木県】VAL小山

譲渡会の会場には行けないけれど、子ども服を譲渡したい!という人は、回収拠点に持ち込めるほか、送付でも受け付けてくれるので、ぜひチェックを。無料の回収拠点は、東京都文京区と、千葉県成田市の2カ所。送付する場合は、元払いの宅配便などを利用して送ることができますよ。

譲渡会の詳細な開催情報や、送付方法の詳細は公式ホームページで確認してみてくださいね。

「こども服の譲渡会」開催情報はこちら

子ども服の常時回収についてはこちら

取材・文/山田朋子

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