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幼稚園、保育園、認定こども園の費用と違いは?自分に合った園選びの方法

幼稚園、保育園、認定こども園の費用と違いは?自分に合った園選びの方法

子どもの預け先として挙げられる幼稚園、保育園、認定こども園ですが、家庭の状況によってどのタイプの園がよいか悩みますよね。特に費用について気になるという保護者は多いようです。そこで本記事では各園の費用面の違いを中心に解説します。また、幼稚園、保育園、認定こども園の特徴やメリット・デメリットについても分かりやすく紹介しているので園選びの参考にしてください。

幼稚園、保育園、認定こども園の違い

まずは幼稚園、保育園、認定こども園の特徴や内容についてです。家庭の状況と照らし合わせて見てみましょう。

上の表からも3つの園の特色がお分かり頂けたのではないでしょうか。目的、対象年齢、保育時間など園によってだいぶ異なることが分かります。

・幼稚園

幼稚園は文部科学省が管轄する「学校」です。私立幼稚園と公立幼稚園の2種類があります。園ごとに独自のカリキュラムがあり、義務教育へ向けた学習と生活の基礎を子ども達に指導することが目的です。

【メリット】幼児教育、遊び、生活習慣の基礎をバランスよく学ぶことができます。保育時間が終わった後にピアノ、英語、サッカー教室などを外部から招いて習い事を受けられる園もあります。
【デメリット】基本的な預かり時間は10時~14時頃までと短め。保育参観や親子リクリエーションなどの行事があり、園へ足をはこぶ機会は多めです。長期休みがあるので保護者または祖父母など、子どもの面倒を見る人が

・保育園

保育園は厚生労働省が管轄する「児童福祉施設」です。保育が必要と判断され、保育認定を受けた家庭が利用できます。
「保育」を目的としているため、給食やおやつといった食事面も安心です。また、トイレトレーニング、お昼寝などの成長に関わる点も保育士による適切なサポートが受けられます。

【メリット】保育時間が長く、長期休暇がないためフルタイム勤務の保護者が働きやすい環境です。
【デメリット】世帯収入によって保育料が変動。3歳未満の子どもは「幼児教育・保育の無償化」の対象にならないため、家庭によっては負担額が大きくなります。

・認定こども園

認定こども園は内閣府が管轄する施設で、幼稚園と保育園の機能をあわせ持っている点が特徴です。
・幼保連携型
・幼稚園型
・保育所型
・地方裁量型
この4タイプがあり、自治体による認定区分によって利用時間や費用が異なります。保育園のように長時間預かることができ、幼稚園のように教育を受けられるという点から、共働き世帯を中心に認定こども園の人気が高まっています。

【メリット】すべての子育て家庭が入園可能なので、共働きでなくても保育園のように夕方まで預けることができます。
【デメリット】幼稚園としての機能があるため、平日に参観や発表会といった行事が入ることが多いようです。

園は子どもが初めて経験する集団生活の場で、幼児期の大半を過ごすことになります。そのため子ども、保護者どちらにとっても園選びは重要です。上記で解説した幼稚園、保育園、認定こども園のポイントを知ることで、家庭の状況に合った預け先を見つけやすくなります。

※保育園、認定こども園の利用料は各市区町村によって異なります。
※保育園、認定こども園の住民税非課税世帯の0歳児~2歳児クラスは利用料が無料です。

・それぞれの園のこと、もっと知りたい!

■幼稚園とは:詳しくはこちら ■保育園とは:詳しくはこちら ■認定こども園とは:詳しくはこちら

幼稚園、保育園、認定こども園の費用まとめ

幼稚園、保育園、認定こども園でかかる費用はそれぞれいくらなのでしょうか? まず知っておきたいのが2019年にスタートした無償化制度です。これにより3歳から5歳までの就学前までの子どもを対象に、園の利用料が無償となりました。ただし幼稚園は上限額2万5700円、認可外保育園は上限額3万7000円となっています。また、0歳~2歳児は無償化の対象外のため費用は保護者の負担となります。

実費負担となる内容の一例は、下記のとおりです。
・入園料
・教材費
・送迎バス
・施設費
・給食費

など。ほかに特別活動費やPTA会費など利用する園によって実費が発生します。

・「入園」にかかる費用はどう違う?平均値と詳細

ここからは入園と通園で発生する費用について解説します。まずは入園費用について各園の違いを見てみましょう。

【幼稚園】
私立:15万円~20万円
公立:7万円~8万円

幼稚園は入園時にまとまった金額が必要になります。特に入園料が高額で、都市部では10万円を超える園もあるなど出費の大半をしめています。また、制服・靴・体操服・バッグなど指定のアイテムが多いことも高くなる要因のひとつ。
節約方法としては、幼稚園のバザーや卒園児から制服を譲ってもらうなどおさがりを上手に活用することで出費を抑えられます。

【保育園】
例 0歳児クラス:2万円

保育園は入園料が無い場合がほとんどです。そのため初期費用は抑えることができます。入園時にかかる費用の内容は、0歳児クラスの場合だと哺乳瓶、着替え一式、寝具といった園生活で必要なアイテムを買い揃えることが多いようです。

【認定こども園】
0歳~2歳児クラス:2万円
満3歳~5歳児クラス:18万4000円

認定こども園は3歳児クラスから入園料がかかるうえに、制服や教材費などまとまった金額が必要になります。園によっては1号認定の子どものみ入園料の支払いが発生する場合や、認定区分に関係なく入園料を徴収される場合もあるなど、園によって線引きが違います。

このように、幼稚園、保育園、認定こども園では入園時の費用がだいぶ違います。幼稚園と認定こども園の認定区分によっては入園時の費用が高額なため家計の負担が大きいのも事実です。しかし、自治体によって補助金減額制度があり、費用の大半をカバーできる場合もあるので、市区町村のホームページなどを確認することをおすすめします。

・「通園」にかかる費用はどう違う?平均値と詳細

続いて通園にかかる費用についてです。無償化によって負担は減ったものの、実費負担がどのくらいなのか気になるところです。毎月かかる費用なので家計のバランスと照らし合わせて確認しましょう。

【幼稚園】
私立:2万500円
公立:1万2500円

私立は園ごとに独自のカリキュラムがあったり、お預かり保育や習い事などが充実していることから費用が高い傾向に。公立は基本的に課外保育(お預かりや習い事)を行っている園が少ないことや給食が無い園が多いことから費用は安くなります。

【保育園】
2万6979円(2歳児1人の場合)

保育園の費用は、世帯収入や自治体、子どもの人数など条件によって異なります。1点注意が必要なのが保育料の切り替え時期です。これは6月までに届く納税通知書に書かれた『所得割課税金額』を元に、9月からの保育料が決まります。そのため収入状況によっては9月から保育料が変わるというケースがあります。

【認定こども園】
0歳~2歳児クラス:3万円~5万4000円
満3歳~5歳児クラス:2万円

金銭的に負担が大きいのは無償化の対象外となる0歳~2歳児クラスです。子どもの月齢が小さいうちは発熱や体調不良などで休みや早退など突発的な対応が必要になります。そういったことも考慮して入園時期を検討したいですね。

家庭の環境に合わせた選び方のポイント

幼稚園、保育園、認定こども園の中で「わが家はどのタイプの園がいいの?」と迷ってしまう保護者は多いようです。選び方で悩んだら、下記の4つのポイントをもとに優先順位を決めるといいでしょう。
1.時間
2.距離
3.お金
4.子どもへの影響

・1.時間

幼稚園、保育園、認定こども園では預かり時間が異なります。就労状況に合わせて入園先を選ぶという保護者が多いようです。

【幼稚園】
基本的に14時頃降園です。降園後、保護者や祖父母が面倒を見れる状況だったり、延長保育は時々利用するぐらいで大丈夫という家庭は幼稚園がおすすめです。

【保育園】
朝7時半頃から18時頃、場合によっては延長保育を利用して20時頃まで子どもを預けることができます。仕事や介護などの事情で長時間保育を希望する家庭は保育園がおすすめです。長期休みがないこと、土曜保育(園によって異なる)を行っている点もメリットです。

【認定こども園】
最短で8時間、最長11時間のお預かりです。認定こども園は基本的にどんな家庭状況でも入園が可能なので、保護者が転職や時短勤務などへの切り替え、退職などの可能性がある場合は認定こども園がおすすめです。

・2.距離

送迎の距離については「無理なく毎日通えるか?」がポイントになります。ベビーカーや徒歩、自転車で通う場合は自宅から近い園がおすすめです。小さな子どもを連れて真夏の炎天下や真冬も毎日通うことになるため、アクセスが良い園だと親子どちらにとっても負担が少なくなります。

【幼稚園】
多くの園で送迎バスがあるため、遠くても希望する園に通わせることができます。ただし遅刻早退や行事の際は保護者の送迎が必要です。

【保育園・認定こども園】
送迎バスを所有する園もありますが、基本的には保護者による送迎が多いようです。※
年齢が小さいうちは急な発熱や体調不良でお迎え要請が多いため、自宅から通いやすい距離がいいでしょう。送迎を家族(パパや祖父母)と分担する場合も近い方が便利です。
稀なケースですが、会社の建物の中や近辺に職場と提携している保育園が用意されていることもあります。
※認定こども園の場合、認定区分によって送迎バスを利用できるケースもあります。

・3.お金

先述にもありますが、幼児教育・保育の無償化により満3歳以上の子どもの利用料は無償です。ただし入園費用や送迎バス代、給食費、教材費などは実費となります。注意点として0歳~2歳児クラスは無償化の対象外で、保育料は保護者の負担になります。

そこで考え方のポイントとしては、
・無償化対象外の年齢(0歳~2歳児)で預けた場合の実質負担額を計算してみる
・家計や仕事とのバランスを見る
この2点を軸に、子どもが0歳~2歳児の期間の働き方を検討したり、3歳児クラスになるまでは時短勤務などで保育料を安く抑えるのか、などを家庭で話し合うといいでしょう。

費用については自治体独自の助成金や負担軽減の制度がある場合も。園選びをする前に調べておくと選択肢が広がります。

・4.子どもへの影響

入園から卒園まで大切な幼少期を過ごす場所だからこそ、子どもへの影響は気になりますよね。最近の幼稚園、保育園、認定こども園では年長を対象にした「幼保小連携」が行われているので安心してください。これは小学校と各園、そして家庭が連携して取り組む入学準備のことです。

具体的な指導内容は
・生活習慣(食事・睡眠・トイレ・着替え・整理整頓など)
・時間を意識する
・学習の基礎(座学)
などが行われます。遊び中心だった園生活に少しずつ小学校生活の要素を取り入れることで、入学後に安心して学習や生活を送れるようサポートする役割があります。
また、保育園に通う保護者が心配する学習面についてですが、2018年に改訂された「保育所保育方針」では、保育園も「幼児教育施設」という認識になりました。今では幼稚園と保育園のどちらでも学習の基礎を身に付けることができるので心配はいりません。

・「悩んで結論が出せない」その場合はまず現状に合わせて園選びを

どうしても園選びができないと悩んだら、現状を優先して選ぶことをおすすめします。幼稚園、保育園、認定こども園にはそれぞれ申し込みの締め切りがあるからです。仕事をしている、これからするという保護者は入園先が決まらないと働けなくなってしまいます。

入園して実際に数か月過ごしてみるとさまざまなことに気がつきます。「いざ入ってみたら通うのが難しい」と感じることもあるでしょう。万が一の場合、保護者の仕事状況や家庭環境、子どもの様子に合わせて再度預け先を選び直すという方法もあります。

保育園の場合は一度退園すると次の入所は難しいかもしれませんが、子どもを長時間預かるという意味では「認定こども園」という選択肢があります。子育てと仕事を両立するのは大変ですが、諦めずに各家庭に合った園を選ぶことで小学校入学前の大切な時間を充実させることができます。

幼稚園、保育園、認定こども園の費用を知り、家庭に合った園を選ぼう

無償化制度の導入により家庭の負担額はだいぶ減りましたが、実際の費用を見てみると差があることが分かります。月額の自己負担額の平均は、私立幼稚園で2万500円、公立幼稚園で1万2500円です。保育園は2万6979円(2歳児の場合)。認定こども園は0歳~2歳児クラスが3万円~5万4000円、満3歳~5歳児クラスが2万円という結果でした。
なるべく家計に負担が少なく、子どもにとって最適な環境の園を選んであげたいですね。家庭の状況、園の方針と合わせて、最適な園選びに役立てていただけると幸いです。

※費用の平均額については内閣府・文部科学省・厚生労働省のデータと、幼稚園・保育園・認定こども園の費用にまつわる記述ならびに情報を元に算出。実際の費用と異なる場合がありますので、あくまで参考としてご覧ください
※費用について正確な金額を知りたい場合は、お住まいの市区町村窓口または希望する園の入園案内などをご確認ください

■参考資料

・文部科学省 令和3年度子供の学習費調査の結果 ・統計局「小売物価統計調査(動向編)2021年」

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