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認定こども園の入園から年間費用まで。無償化によって実費はいくらかかる?

認定こども園の入園から年間費用まで。無償化によって実費はいくらかかる?

認定こども園は幼稚園と保育園の機能が一体化した施設です。最近すこしずつ数が増えてきたことで気になっている保護者も多いのではないでしょうか。そこで気になるのが費用です。今回は認定こども園で必要な費用の平均値についてご紹介します。また、無償化によって実際に発生する金額も分かりやすく解説していますので、子どもの預け先に認定こども園を検討している方はぜひ参考にしてください。

認定こども園とは?

認定こども園とは、幼稚園と保育園の機能をあわせもった施設です。認定こども園の所轄は内閣府ですが、保育料や規模など園の運営に関する細かいルールを決めるのは各市区町村になります。子どもの年齢や地域によって若干異なりますが、保育園とほぼ同じ費用で利用できる点がメリットです。
特に大都市では待機児童が多いため、保育園のように長時間預けることができ、幼稚園のように教育を受けられるという点から、認定こども園の人気が高まっています

・認定こども園4つの種類と特長

認定こども園は次の4種類に分かれます。

1、幼保連携型
幼稚園と保育園の両方の機能を持つタイプ。「幼保連携型認定こども園教育」と「保育要領」を元にした教育・保育が行なわれます。0歳~就学前の異なる年齢の子ども達がふれあいながら成長できる環境です。

2、幼稚園型
既存の幼稚園に、保育所的な機能(保育)を加えたタイプ。保育が必要な0歳~就学前の子どもを預かります。大元は幼稚園のため、3歳~5歳児に対しては「幼稚園教育要領」に基づいた教育を行います。

3、保育所型
既存の認可保育所に、幼稚園的な機能(幼児教育)を加えたタイプ。大元は保育園のため、厚生労働省が制定する「保育所保育指針」に基づいた保育を行います。

4、地域裁量型
各自治体のニーズや条例に基づき「認可外施設」として運営するタイプ。教育・保育内容は他の認定こども園と同じですが、開園日などを独自に設定できることが大きな特徴です。

・認定区分とは?1号認定、2号認定、3号認定の内容

認定こども園への入園を希望する場合、各自治体から「支給認定」を受ける必要があります。認定には次の1号から3号までの3種類があります。

・1号認定:3歳以上で、保育を必要としない子ども
・2号認定:3歳以上、保育を必要とする子ども
・3号認定:3歳未満、保育を必要とする子ども

上記の認定された区分によって施設を利用できる時間や利用料金が変わってきます。

認定区分別の保育料はいくら?

それぞれの認定区分における保育料の上限金額を見てみましょう。
認定こども園の保育料は、認可保育園と同じく国が定めた上限額をベースに、各自治体が料金を設定します。

・1号認定の場合:0~2万5700円
・2号認定の場合:0~10万1000円
・3号認定の場合:0~10万4000円

このように利用料金は認定区分によって幅があります。

「家族に小学校低学年以下のきょうだいがいる場合は保育料が半額になる」、「第3子以降は保育料が無料になる」など、自治体によって保育料の減額が行われているケースも多いようです。
認定こども園の料金は住んでいる市区町村、世帯収入、保育時間、子どもの人数(きょうだいの有無)などによって金額が変わるため複雑に感じるかもしれませんね。安心して利用できるよう、認定こども園に興味がある場合は各自治体の窓口へ確認すると明確な金額を教えてくれますよ。

参考までに、東京都世田谷区と神奈川県横浜市のモデルケースをご紹介します。なお、3歳児以上は無償化制度の対象になるため、保育料は無料になります。ここでは保育料が自己負担となる認定区分3号(3歳児以下)の、第1子の場合で見てみましょう。

3号認定(3歳児以下)第1子のケース

<世田谷区>
・世帯年収が470万円以上の場合(所得割課税額12万2000円以上、16万2000円未満)
認定こども園の利用料金=2万7000円(保育標準時間の場合) / 2万6600円(保育短時間の場合)

・世帯年収が640万円以上の場合(所得割課税額29万5000円以上、31万円未満)
認定こども園の利用料金=4万7800円(保育標準時間の場合) / 4万7000円(保育短時間の場合)

<横浜市>
・世帯年収が470万円以上の場合(所得割課税額12万601円以上、13万8600円未満)
認定こども園の利用料金=3万4000円(保育標準時間の場合) / 3万3400円(保育短時間の場合)

・世帯年収が640万円以上の場合(所得割課税額29万1701円以上、30万1000円未満)
認定こども園の利用料金=6万1000円(保育標準時間の場合) / 5万9900円(保育短時間の場合)

このように3号認定の子どもを預ける場合は費用に大きな差が発生します。3歳児未満はお世話をする保育士の人数が必要なので、料金も高くなります。3歳になったら無償化の対象となるので、それまでの負担額を頭に入れておくといいでしょう。

認定こども園は無償化制度の対象。区分で保育料に違いが発生

2019年10月、子育て世代の家計負担の軽減を目的として「幼児教育・保育の無償化」制度がスタートしました。認定こども園も幼稚園や保育園と同じく無償化の対象となり、月額2万5700円を上限に保育料が無料となります。
ただし、0歳~2歳児クラスは対象外となり、保護者の負担になるため注意が必要です。

<0歳~2歳児>(3号認定)
子どもが満3歳になるまで保育料は保護者負担です。ただし住民税非課税世帯の場合は無償となります。

<3歳~5歳児>(1号認定・2号認定)
1号認定と2号認定の子どもは3歳以上のため無償化の対象です。1号認定の場合、降園後のお預かり保育料は1万1300円まで補助が出ます。ただし「保育の必要性の事由に該当すること」が条件であるため、面倒を見る家族が家にいる場合は対象外となります。

無償化の上限額2万5700円以上に保育料がかかってしまった場合は保護者の負担となります。費用は認定こども園の種類や自治体によって異なるので、詳しく知りたい場合は市区町村または希望する認定こども園へ問い合わせてみるといいでしょう。

年齢ごとに実際にかかる費用はいくら?

ここからは、認定こども園の「入園」と「通園」でかかる一般的な費用について解説します。認定こども園の費用は認定区分、住んでいる市区町村によって異なります。また、無償化の対象も年齢によって違うことから、0歳~2歳児クラスの場合と、満3歳~5歳児クラスの場合に分けて解説します。

⚫︎「入園」にかかる費用はどう違う?平均値と詳細

<0歳~2歳児クラス>
・お昼寝用寝具代
・着替え用衣類一式
・食事セット代

0歳~2歳児クラスは入園料はかかりません。

<満3歳~5歳児クラス>
・入園料
・制服、バッグ、体操着、靴など(指定の場合)
・教材費
・送迎バス(利用者のみ)

3歳児クラスからは入園料がかかるうえに、制服や教材費などまとまった金額が必要になります。

入園にかかる費用の平均は、0歳~2歳児クラスが約2万円満3歳~5歳児クラスが約18万4000円です。
ただし、園によっては1号認定の子どものみ入園料の支払いが発生する場合や、認定区分に関係なく入園料を徴収される場合もあるなど、園によって線引きが違います。

※入園料は園によって異なります
※同迎バスは利用状況によって料金が異なります

⚫︎「通園」にかかる費用はどう違う?平均値と詳細

毎月かかる通園費用については、無償化の対象外となる0歳~2歳児クラスと、無償化の対象となる満3歳~5歳児クラスでは金額が異なります。先述にもありますが、認定こども園の費用は自治体や世帯収入によって異なりますので、ここでは東京都江東区の一例を参考に解説します。

東京都江東区のケース

<0歳~2歳児クラス>
保育にかかる費用は0歳児クラスが39万円・1歳児が21万円・2歳児が19万円です。
「高い!」と驚くかもしれませんが、このうち保護者が負担するのは月額3万円ほどで、差額は区が負担しています。住民税非課税世帯は無料となる他、自治体によっては第2子は半額、第3子以降は無料などの制度があります。

ほかに0歳~2歳児クラスで実費負担となる項目は下記のとおり。
・おむつ代
・PTA、保護者会費
・着替え一式
・延長保育

<満3歳~5歳児クラス>
子どもが満3歳以上になると保育料は無償化で上限2万5700円まで無償となります。他に満3歳~5歳児クラスで実費負担となる内容は下記のとおり。
・施設費(冷暖房、園施設の管理費など)
・給食費※認定区分や園によって負担額は異なる
・PTA、保護者会費
・教材費(絵本や毎月の教材など)
・園外活動費(遠足や運動会など)
・課外保育、習い事教室など

通園費用の平均は、0歳~2歳児クラスが約3万円~5万8500円満3歳~5歳児クラスが約2万500円です。
例でご紹介した江東区は親の負担額が3万円ほどですが、他の自治体で同様の補助や減額制度があるかは住んでいる町によって異なります。そのため0歳~2歳児クラスは通園費用が割高の傾向に。対して満3歳児クラスからは費用負担が減ります。そこで園選びのポイントとしては、

・0歳~2歳児クラスの実質負担額を知る
・家計や仕事とのバランスを見る

この2点を軸に、0歳~2歳児クラスに預けて仕事をするのか、3歳児クラスになるまでは時短勤務などで保育料を安く抑えるのか、など家庭内で検討するといいでしょう。

子どもの月齢が小さいうちは発熱や体調不良などで休みや早退など突発的な対応が必要になります。そういったことも考慮して入園時期を検討したいですね。

なお、ここでご紹介した費用はあくまで一例です。認定こども園の費用は認定区分や利用内容によってだいぶ異なります。詳しい金額を知りたい場合は市区町村の窓口や希望する園に直接問い合わせることをおすすめします。

幼稚園、保育園との違い

子どもを預ける場所は認定こども園の他にも幼稚園、保育園があります。それぞれどのような特色があるのでしょうか。各園の違いを見てみましょう。

上の表からも3つの園の特色がお分かり頂けたのではないでしょうか。簡単にまとめると以下のようになります。

・認定こども園とは
幼稚園と保育園の両方の機能を持った施設。0歳から利用でき、親の就労状況に関係なく利用することが可能です。保育料は自治体が決めます。

■認定こども園とは:詳しくはこちら

・幼稚園とは
学校教育法のもとで教育を受ける「学校」。各園が設定するカリキュラムに沿った活動が行われます。保護者は家庭の方針や子どもに合った幼稚園を自由に選ぶことができます。

■幼稚園とは:詳しくはこちら

・保育園とは
両親が働いている等の理由で保護者の代わりに保育を行う「児童福祉施設」。0歳から入園可能ですが、親の就労状況など条件や優先順位があり、必ず入れるとは限りません。

■保育園とは:詳しくはこちら

費用については施設によって変わります。中でも認定こども園、保育園は世帯収入をベースに自治体が最終決定をするため各家庭によって異なるのが特徴です。
せっかく入園したのに思った以上に費用がかかって家計を圧迫してしまうなんてことがないように、園選びを進める段階で、住んでいる市区町村の窓口へ問い合わせをしてみましょう。

認定こども園にかかる費用の特徴を知り、各家庭に合った園を選ぼう

認定こども園の場合、無償化の対象となる年齢、金額には例外があるので注意が必要です。実際にかかる月額費用は0歳~2歳児クラスが約3万円~5万8500円満3歳~5歳児クラスが約2万500円という結果に。認定こども園の費用設定は自治体・園が決めるため複雑な一面があります。また、認定区分によっても変わってきます。家庭の状況、園の方針と合わせて、最適な園選びに役立てていただけると幸いです。

※費用の平均額については内閣府の子育て支援新制度、各市区町村の例、認定こども園の費用にまつわる記述・情報を元に算出。実際の費用と異なる場合がありますので、あくまで参考としてご覧ください

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