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幼稚園と保育園の違いは?家庭に合った園選びのポイント

幼稚園と保育園の違いは?家庭に合った園選びのポイント

幼稚園、保育園、認定こども園は子どもが初めて体験する集団生活の場です。保護者は「わが子を預けるならどのタイプの園がよいか?」と悩みますよね。本記事ではこれら3つの園の特徴やメリット中心に、園選びのポイントを分かりやすく解説しています。それぞれの違いを知って、ぜひご家庭に合った園を見つけてくださいね。

幼稚園、保育園、認定こども園。それぞれの特徴とまとめ

まずは幼稚園、保育園、認定こども園の特徴や内容を比べてみましょう。ポイントは家庭の状況と照らし合わせて確認することです。目的、対象年齢、保育時間などだいぶ異なることが分かります。

上の表からも3つの園の特色がお分かり頂けたのではないでしょうか。続いて、各園の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。

⚫︎幼稚園

特徴は、学校教育法に基づく「学校」であることです。園ごとに独自のカリキュラムがあり、義務教育へ向けた学習と生活の基礎を子ども達に指導することが目的です。

<メリット>幼児教育、遊び、生活習慣の基礎をバランスよく学ぶことができます。保育時間が終わった後にピアノ、英語、サッカー教室などを外部から招いて習い事を受けられる園もあります。
<デメリット>預かり時間は午前中~14時頃までと短め。保育参観や親子リクリエーションなどの行事が多めです。長期休みがあるので保護者または祖父母など、面倒を見る人が必要です。

⚫︎保育園

特徴は、認定を受けた家庭だけが利用できることです。「保育が必要」と判断された後、2号または3号の保育認定を受けることで利用時間や費用が決定します。
「保育」を目的としているため、給食やおやつといった食事面も安心です。また、トイレトレーニング、お昼寝などの成長に関わる点も保育士による適切なサポートが受けられます。

<メリット>保育時間が長く、長期休暇がないためフルタイム勤務の保護者が働きやすい環境です。
<デメリット>世帯収入によって保育料が変動。3歳未満の子どもは「幼児教育・保育の無償化」の対象にならないため、家庭によっては負担額が大きくなります。
※保育園の利用料は各市区町村によって異なります
※住民税非課税世帯の0歳児~2歳児クラスは利用料が無料です

⚫︎認定こども園

特徴は、幼稚園と保育園の機能を併せもった施設であること。教育と保育どちらも受けられる点が魅力です。幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4タイプがあり、子どもの性格や家庭状況に合わせて選ぶことができます。

<メリット>全ての子育て家庭が入園可能なので、共働きでなくても保育園のように夕方まで預けることができます。
<デメリット>幼稚園としての機能があるため、平日に参観や発表会といった行事が入ることが多いようです。

⚫︎それぞれの園のこと、もっと知りたい!

■幼稚園とは:詳しくはこちら ■保育園とは:詳しくはこちら ■認定こども園とは:詳しくはこちら

家庭の環境に合わせた、選び方のポイント

幼稚園、保育園、認定こども園の中で「わが家はどのタイプの園がいいの?」と迷ってしまう保護者は多いようです。選び方で悩んだら、下記の4つのポイントをもとに優先順位を決めるといいでしょう。
1.時間
2.距離
3.お金
4.子どもへの影響

1.時間

幼稚園、保育園、認定こども園はそれぞれ預かり時間が異なります。そのため就労状況に合わせて入園先を選ぶという保護者が多いようです。

【幼稚園】
基本的に14時頃降園です。降園後、保護者や祖父母が面倒を見れる状況だったり、延長保育は時々利用するぐらいで大丈夫という家庭は幼稚園がおすすめです。

【保育園】
基本的に朝7時半頃から18時頃、場合によっては延長保育を利用して20時頃まで子どもを預けることができます。仕事や介護などの事情で長時間保育を希望する家庭は保育園がおすすめです。長期休みがないこと、土曜保育(園によってない場合も)などもメリットです。

【認定こども園】
最短で8時間、最長11時間のお預かりです。認定こども園は基本的にどんな家庭状況でも入園が可能なので、保護者が転職や時短勤務などへの切り替え、退職などの可能性がある場合は認定こども園がおすすめです。

2.距離

送迎の距離については「無理なく毎日通えるか?」がポイントになります。ベビーカーや徒歩、自転車で登園する場合はできれば自宅から近い園がおすすめ。小さな子どもを連れて、真夏の炎天下や真冬も毎日通うことになるため、アクセスが良い園だと親子どちらにも負担が少なく済みます。

【幼稚園】
多くの園で登園バスがあるため、遠くても希望する園に通わせることができます。ただし遅刻早退や行事の際は保護者の送迎が必要です。

【保育園・認定こども園】
登園バスを所有する園もありますが、基本的には保護者による送迎が多いようです。年齢が小さいうちは急な発熱や体調不良でお迎え要請が多いため、自宅から行きやすい距離がいいでしょう。送迎を家族(パパや祖父母)と分担する場合も近い方が便利です。
稀なケースですが、会社の建物の中や近辺に職場と提携している保育園が用意されていることもあります。

3.お金

幼児教育・保育の無償化により3歳以上の子どもの利用料は基本無料です。ただし、幼稚園は月額2万5700円を超える場合は実費です。また、保育料は世帯収入や住んでいる地域によって変わるため、自己負担が発生する場合もあります。自治体によってはオーバーした金額を負担してくれる市区町村もあります。

「無料で通うことができるの?」と喜びたいところですが、無償化の対象は利用料のみ。他に保護者負担となる出費が発生します。例えば登園バス代、給食費、教材費などは実費です。さらに、幼稚園、保育園、認定こども園でそれぞれかかる実費内容は違います。

【幼稚園】
入園金、指定の制服やカバン、靴類、体操着といった初期費用が高額です。

【保育園】
私服登園の場合、着換え用の衣類費が意外とかかるようです。他におやつ代、おむつ代などが発生します。

【認定こども園】
認定区分によっては3歳以降に制服やカバンの購入が必要なケースもあります。

幼稚園は入園時の出費が高額な傾向に。保育園、認定こども園の場合、0歳から6歳まで長い期間を過ごす子どももいます。そうなると毎日必要となる着替え、おむつ代、おやつ代などの実費負担額も積み重なりますので、総合的に見ても金銭面な大差はないのかもしれません。
費用について詳しく知りたい場合は希望する園や住んでいる市区町村に聞くと教えてくれます。

4.子どもへの影響

入園から卒園まで大切な幼少期を過ごす場所だからこそ、子どもへの影響は気になりますよね。以前は幼稚園と保育園では小学校入学後に差が出るのでは?と心配する保護者が多いようです。
しかし、最近の幼稚園、保育園、認定こども園では年長を対象にした「幼保小連携」が行われているので安心してください。これは小学校と各園、そして家庭が連携して取り組む入学準備のことです。

具体的な指導内容は
・生活習慣(食事・睡眠・トイレ・着替え・整理整頓など)
・時間を意識する
・学習の基礎(座学)
などが行われます。遊び中心だった園生活に少しずつ小学校生活の要素を取り入れることで、入学後に安心して学習や生活を送れるようサポートする役割があります。
また、保育園に通う保護者が心配する学習面についてですが、2018年に改訂された「保育所保育方針」では、保育園も「幼児教育施設」という認識になりました。今では幼稚園と保育園のどちらでも学習の基礎を身に付けることができるので心配はいりません。

⚫︎「悩んで結論が出せない」その場合はまず現状に合わせて園選びを

もしどうしても園選びができないと悩んだら、現状を優先して選ぶことをおすすめします。幼稚園、保育園、認定こども園にはそれぞれ申し込みの締め切りがあるからです。仕事をしている、これからするという保護者は入園先が決まらないと働けなくなってしまいます。

入園して実際に数か月過ごしてみるとさまざまなことに気がつきます。このまま登園を継続するのが難しいと判断したら、保護者の仕事状況や家庭環境、子どもの様子に合わせて再度選び直すという方法もあります。

保育園の場合は一度退園すると次の入所は難しいかもしれませんが、子どもを長時間預かるという意味では「認定こども園」という選択肢があります。子育てと仕事を両立するのは大変ですが、諦めずに各家庭に合った園を選ぶことで小学校入学前の大切な時間を充実させることができます。

幼稚園、保育園、認定こども園の特徴を知り、申込み時期までに探そう

どの園に入れるかを最終的に決めるタイミングは秋頃です。幼稚園は10~11月頃に願書受付があり、年内には入園が決まります。保育園は10~11月に入園案内があり、12月頃までに申請受付、入園先の決定が2月頃という流れです。認定こども園は1号認定の場合は幼稚園と同じ流れで行われ、2・3号認定の場合は保育園と同様です。

また、本格的な入園に先立って、「プレ幼稚園」「プレ保育」「未就園児クラス」と呼ばれる、幼稚園での生活を体験できるクラスを用意している園もあります。詳しくは、通園を希望する園や候補にしている園に確認することをおすすめします。

一番大事なのは、園に通うのは子ども本人だということです。本記事で得た情報を参考に、ぜひ各家庭に合った園を見つけてくださいね。ステキな園と出合えますように。

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