更新

認定こども園とは?認定こども園の一日やかかるお金など徹底解説

認定こども園とは?認定こども園の一日やかかるお金など徹底解説

「認定こども園」は幼稚園と保育園の両方の機能を持ち、0歳から小学校入学前の子ども達に保育・教育を一体化して行う施設です。保護者の就労状況に関係なく全ての子育て家庭が利用できるのが特徴です。

認定こども園は『地域における子育て支援を充実させること』を目的として導入された制度で、認定基準を満たした施設は都道府県から「認定」を受けて運営をしています。

本記事では認定こども園の一日の過ごし方、費用、特徴などを分かりやすく解説しています。ぜひ園選びの参考にしてくださいね。

認定こども園の目的

認定こども園がスタートしたのは2006年。当初は認知度も低く数も少なかったのですが、2021年には全国で8585園に増えています。ところで認定こども園はどのような背景があって導入されたのでしょうか。目的や役割りを詳しく見てみましょう。

⚫︎内閣府所轄

認定こども園の所轄は内閣府です。文部科学大臣厚生労働大臣が運営基準を協議して決定します。二つの省の視点をバランス良く取り入れ、子ども達への最適な教育・保育の提供と保護者への子育て支援などを行っています。

また、認定こども園に関する細かいルールを決めるのは各市区町村です。つまり管轄の大元は「内閣府」で、実際の運営は各市区町村ということになります。

⚫︎認定こども園の目的「少子化対策&共働き家庭をサポート」

共働き家庭の増加により、全国で約2万人ほどいると言われている待機児童。その一方で、少子化や専業主婦の減少から幼稚園を利用する家庭は減少しています。

そこで生まれたのが認定こども園。幼稚園の一部機能に0〜2歳児を預かる延長保育を行うといった役割をもたせることで、さまざまな園児の受け入れを可能にしたのです。その結果、子どもにとって最適な環境の提供と、保護者にとって子育てしやすい状況を作ることができました。

また、公立幼稚園と公立保育所を一本化して認定こども園として運営する市区町村も登場しています。多様化する時代を意識して常に改善をしているのが、認定こども園なのです。

1日のスケジュールイメージと年間行事

認定こども園では、認定区分によって過ごし方が違います。それぞれの区分でどのような1日を過ごすのでしょうか。また、1年を通してどのような行事があるのでしょうか。
※認定区分については次の「認定こども園の種類」で詳しく解説しています

⚫︎1日のスケジュール

各園で少しずつ違いはありますが、大まかな流れとしては下記のタイムスケジュールで1日を過ごします。

【1号認定の場合】
7:30~早朝お預かり開始
8:30~通常登園。自由遊び
10:00~朝の会、午前の活動
12:00~昼食
13:00~午後の活動
14:00~帰りの会
14:30~降園
15:00~延長お預かり開始

【2号認定の場合】
7:30~順次登園。自由遊び
10:00~朝の会、午前の活動
12:00~昼食
13:00~お昼寝
15:00~午後の活動、遊び
18:00~降園、延長お預かり開始

【3号認定の場合】
7:30~順次登園。自由遊び
10:00~朝の会、遊び
11:00~昼食準備、昼食
12:00~お昼寝
15:00~おやつ、遊び
15:30~順次降園
18:00~延長お預かり開始

⚫︎年間スケジュール

認定こども園では楽しい年間行事がたくさんあります。一般的なスケジュールを見てみましょう。
なお、1号認定の場合は夏休みなどの長期休みがあります。ただし、別途料金を払うことで施設の利用が可能になるケースがあります。2号、3号認定の場合は長期休みがないので登園となります。

※長期休みや始業式の時期は各地域によって異なります

認定こども園の種類

認定こども園は主に4種類あります。幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地域裁量型です。それとは別に、保護者の就労状況などによって3つの区分に分けられます。
「種類」と「認定区分」で保育状況が細かく分けられる点が認定こども園の特徴でもあり、初めての場合には分かりにくい項目かもしれません。詳しく見ていきましょう。

⚫︎幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地域裁量型の特徴

まず、認定こども園の種類4つについてです。

1、幼保連携型
幼稚園と保育園の両方の機能を持つタイプ。「幼保連携型認定こども園教育」と「保育要領」を元にした教育・保育が行なわれます。0歳~就学前の異なる年齢の子ども達がふれあいながら成長できる環境です。

2、幼稚園型
既存の認可幼稚園をベースに、保育所的な機能(保育)を加えたタイプ。保育が必要な0歳~就学前の子どもを預かります。大元は幼稚園のため、3歳~5歳児に対しては「幼稚園教育要領」に基づいた教育を行います。

3、保育所型
既存の認可保育所をベースに、幼稚園的な機能(幼児教育)を加えたタイプ。大元は保育園のため、厚生労働省が制定する「保育所保育指針」に基づいた保育を行います。

4、地域裁量型
各自治体のニーズや条例に基づき「認可外施設」として運営するタイプ。教育・保育内容は通常の認定こども園と同じですが、開園日などを独自に設定できることが大きな特徴です。

⚫︎1号認定、2号認定、3号認定とは?

続いて認定区分についてです。認定こども園への入園を希望する時、保護者は各自治体に申請を行い、「支給認定」を受けます。この認定には1号から3号までの3つの区分があります。認定された区分により施設を利用できる時間や利用料金、保育内容が変わってきます。

※「認定が無い」とされた場合でも、園の子育て支援などを受けることができます。

⚫︎費用は認定区分によって異なる

認定こども園の費用は主に認定区分、子どもの年齢、きょうだいの有無、世帯収入などの要素を元に市区町村が決定します。仮に国が定める上限額をオーバーした場合でも、自治体によって独自の補助金制度があるケースも多いようです。ぜひ住んでいる市区町村に確認してみましょう。
費用についての一例は下記の通りです。

【1号認定の保育料】
幼児教育・保育の無償化により、利用者負担額(保育料)は無償です。ただし、上限2万7500円を超える場合は自己負担になります。
注意点として、利用状況によっては別途費用が実費となります。実費となる一例は以下の通りです。
・食材費(主食費400円/副食費3,600円)
・送迎費(園バス)
・行事費
・教材費
・一時預かり料金(300円/1時間)※時間外保育を利用する場合

【2号認定の保育料】
基本的には1号認定と同じですが、世帯収入が高い場合は費用が変わってきます。事前に市区町村の窓口へ問い合わせることでおおよその金額が分かりますよ。
実費ではおやつ代などがプラスされる場合があります。

【3号認定の保育料】
基本的には2号認定と同じです。実費ではおやつ代、おむつ代などがプラスされる場合があります。

認定こども園は何時から預けられる?

認定こども園は認定区分によって子どもを預けられる時間が違います。それぞれの時間を見てみましょう。

⚫︎子どもを預けられる時間

【1号認定の預かり時間】
9:00~14:00 / 基本的に4時間
早朝や延長のお預かりを利用できる園もあります。その場合は別途料金が発生します。

【2号認定の預かり時間】
7:30~18:30 / 基本的に11時間
親の就労状況によっては「保育短時間」の対象となり、8時間以内のお預かりになります。

【3号認定の預かり時間】
2号認定と同じです。

⚫︎夏休みなどのお預かりはできる?

先述にもあるように、1号認定の子どもは夏・冬・春休みがあります。土曜日もお休みです。対する2号、3号認定の子どもは「保育」が目的であるため登園です。ただし、1号認定の子どもは別途料金を払うことで長期休み期間も預かり保育を利用できるケースもあります。

幼稚園、保育園との違い

わが子を預ける場所として認定こども園の他にも幼稚園、保育園があります。ここでは認定こども園・幼稚園・保育園の違いを見てみましょう。

上の表からも3つの園の特色がお分かり頂けたのではないでしょうか。簡単にまとめると以下のようになります。

・認定こども園とは
幼稚園と保育園の両方の機能を持った施設。0歳から利用でき、親の就労状況に関係なく利用することが可能です。保育料は自治体が決めます。

・幼稚園とは
学校教育法のもとで教育を受ける「学校」。各園が設定するカリキュラムに沿った活動が行われます。保護者は家庭の方針や子どもに合った幼稚園を自由に選ぶことができます。

■幼稚園とは:詳しくはこちら

・保育園とは
両親が働いている等の理由で保護者の代わりに保育を行う「児童福祉施設」。0歳から入園可能ですが、親の就労状況など条件や優先順位があり、必ず入れるとは限りません。

■保育園とは:詳しくはこちら

認定こども園、幼稚園、保育園はそれぞれ特長や教育・保育内容が異なります。家庭の状況や、どんな環境で子どもを育てたいかを考えて選ぶことが大切です。

認定こども園の特色を知り、仕事を続けながら充実した子育てを

それぞれの認定こども園では特色のある教育を実施し、遊びを通してうまく人と関われるようになったり、自然の美しさや不思議さに気付いたりすることによって、その後の学習の基盤を作っています。
みなさんのご家庭環境に合わせて、最適な園の選定に役立てば幸いです。

子育て支援:新着記事

電子書籍

幼稚園児とママ・パパの情報誌

親子の保育園生活を応援する情報誌