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【大分県豊後高田市がスゴい!】誕生祝い金200万円、給食費・授業料が無料!? 全国トップレベルの子育て支援ができるヒミツとは?
子育て支援が充実している全国の自治体を独自にリサーチし「すごい!」と感じた自治体にインタビューする「この自治体がスゴい!」をスタート。
初回は、大分県の豊後高田(ぶんごたかだ)市。都市のベッドタウンでもなく、空港もJRの駅もない地域ですが、「住みたい田舎」ベストランキング(宝島社)では、人口2万人以上3万人未満のまちにおいて「総合部門」はじめ4部門すべてで1位を獲得。なんと11年連続でベスト3を達成しているというのです。
調べてみると、子育て支援に力を入れる同市では、「0歳児から高校生まで子育てに対するすべてを無料に」する取り組みを行っていました。保育料、幼稚園の授業料、学校の給食費、医療費、高校の授業料、そして塾まで…!
最近は、若い移住者も多いという同市の子育て支援課・今仁さん、学校教育課・岩本さん、地域活力創造課・大塚さんに話を聞きました。
――豊後高田市では、5人目を産んだら200万円もらえると聞きました。すごいインパクトですね
今仁さん:子育て応援誕生祝い金ですね。第5子が200万になったのは昨年です。国の支援金も含めて、第1・2子には10万円、第3子には50万円、第4子には100万円、第5子以降は200万円を支給しています。子育てにはたくさんのお金がかかるので、保護者の経済的負担の軽減を図るために、市全体で力を入れています。
――市民のみなさんの反応はどうでしょうか?
今仁さん:大変ありがたいという声をお聞きしています。
大塚さん:移住検討者の中には「豊後高田なら3人目を育てられるかも」と言って、実際に移り住んでいただいて3人目を産んだ方もいます。
――なんと、幼児から高校生を対象にした、市営の無料塾もあるそうですね。幼児だと例えばどんな授業が受けられるのでしょうか?
岩本さん:平成14年から実施している「学びの21世紀塾」のことですね。勉強、体験学習、スポーツを柱としています。そばの産地なのでそばをテーマにしたり、料理教室や、生け花、カヌーなど多岐にわたります。幼児だと英語や文字遊び、体操教室などもあります。
――普通に考えるとお金がかかる習い事ですよね!すごい。先生はどこからくるのでしょうか?
岩本さん:先生は、基本、市民のみなさんにお願いしています。いろんなスキルを持った方や元教師、老人クラブのみなさんなどです。
大塚さん:移住者の中にもおられますよ。「英語話せます」とかスキルの高い方が多い印象です。
――高校生の塾まで無料だと聞いたのですが。
岩本さん:はい。高校生を対象にした塾は、今年で2年目ですね。難関大の合格を目標にしています。1年生から通った子が効果が出るのはこれからで楽しみです。
――それは楽しみですね! というか、そもそも高校の授業料も無料化になったんですよね。
岩本さん:はい。この10月から高田高校の授業料分(月額9900円)を支給し、実質的に無料化しました。市内在住で、市外の高校に通っている人にも同額を上限に支給します。所得制限はなく、高校生全員が対象となります。豊後高田市内には高田高校1校しかないので、豊後高田に残ってほしいという思いもあります。
――それらの財源はどこから?
岩本さん:国と県からの補助金や、ふるさと納税です。特に、わが市では、ふるさと納税の使い道はすべて子育て支援にあてています。
――職員のみなさんはどんな苦労がありますか?
岩本さん:そうですね、「こんなことがやりたい」となれば、どんな補助金を使えるかとか、財源をどこから持ってくるかを考えるのは職員の仕事になります。21世紀塾の講師を見つけたりするのもけっこう苦労はしています。事務局は一人なので、横の情報網は大切にしています。
大塚さん:常に考えるというモットーはみんな持っています。毎年同じことをしていてもだめ、やりたいことがどうやったら実現できるかを常に考えるようにしています!
まとめ
お話をお聞きして、ふるさと納税の使い道がはっきりしている点、職員のみなさんの、まちをより良くしたいという熱い思いが伝わってきました。自分の住んでいるまちだけでなく、他の自治体の子育て支援に興味を持ってみると世界が広がりそうですね。