【東京都がスゴい!】男性の家事育児を応援する情報が満載!ありそうでなかったWebサイト「TEAM家事・育児」

【東京都がスゴい!】男性の家事育児を応援する情報が満載!ありそうでなかったWebサイト「TEAM家事・育児」

子育て支援が充実している全国の自治体を独自にリサーチし、「スゴい!」と感じた自治体に、あんふぁんWeb編集部がインタビューするコラム「この自治体がスゴい!」。第5回は、東京都の生活文化スポーツ局を取材しました。
東京都では、男性の家事育児を推進するため、Webサイト「TEAM家事・育児」をスタート。「名もなき家事」の普及啓発など、今後の取り組みについて、東京都 生活文化スポーツ局都民生活部 女性活躍推進担当課長の池野谷さんに話を聞きました。

「TEAM家事・育児」とは?

――Webサイト「TEAM家事・育児」を立ち上げた経緯や意図を教えてください

池野谷さん:まず背景に、日本では男性の「育業」(※)が徐々に進んできてはいますが、まだまだ女性の家事・育児の負担が大きい状況が続いています。このような中で、男女問わず東京に住む人々がイキイキと豊かに暮らすためにはどうしたら良いのか、と東京都は考えました。まずは社会全体で長時間労働の是正に取り組んでいくとともに、男性が日常生活を大切にする時間を増やし、家族や子どもと触れ合う、家族の一員として家事を分担する時間を増やすことが不可欠だと考えています。

そこで、男性の家事・育児を当たり前のこととして定着させることを目的にWebサイト「TEAM家事・育児」を立ち上げました。このサイトでは社会全体を“チーム”に見立て、家事や育児をチームで進めていくために、視野を広げたり、気づきを得られるような情報やアドバイスを発信しています。

※東京都は、「育休」を「仕事を休む期間」ではなく「社会の宝である子供を育む期間」と考える社会のマインドチェンジに向けて、育児休業の愛称を募集し「育業」と決定しました。この記事では、「育休」を「育業」と表記しています

旬な人へのインタビューや気になる話題を発信

――サイトではさまざまな著名人が登場していますね。情報発信で工夫していることはありますか?

池野谷さん:家事や育児に積極的に取り組まれているスポーツ選手や芸人さんなど話題の方、旬の方にインタビューしたり、マイナビニュースとタイアップをするなど、より多くの方にサイトを知っていただく機会を増やすようにしています。記事へのアクセスランキングを見える化していますので、今まさに気になっている人が多い情報、話題になっている情報にすぐアクセスできるようにしていますね。これはサイトに掲載する記事の参考としても大いに役立っています。

アクセスランキングでいえば、私たちの予想を超えてアクセスが伸びたという記事もあります。例えば男性の産後うつをテーマにした記事ですね。女性の産後うつの情報はよく目にしますが、男性にもあるということがあまり知られておらず、皆さんの共感を得たのではないかと思います。また、パパイラストレーターによるクスッと笑えて役に立つ子育てマンガも好評をいただいています。

「男性の産後うつ」についての記事はこちら

池野谷さん:男性の産後うつもそうですが、意外と埋もれている問題などをピックアップできるよう、常にアンテナを張るようにしています。さまざまなセミナーに参加したり、テレビや新聞などを読んでいるときも、これ関係あるかな?というものを覚えておいて、題材にできるかどうか検討したりしていますね。

――ユーザーからはどのような反応がありますか?

池野谷さん:こちらのサイトは2021年10月に開設しまして、おかげさまで最近はだいぶ認知度も上がり、PV数にも結果が出てきています。最近は男性の育業も進んでいますし、男性の家事や育児に関する関心が高まっているのかな、というところは本当にうれしく思っています。

「名もなき家事」の普及啓発を通してさらなる家事・育児促進を

池野谷さん:今まさに進行しているのが、「名もなき家事」の普及啓発です。「名もなき家事」とは「具体的な名前はついていなけれども欠かすことのできない家事」のことで、例えばトイレットペーパーの交換・補充などがあげられます。

東京都が2年に1度行っている「男性の家事育児実態調査」(※)では、妻が夫に分担してほしい家事で「名もなき家事」が最も多いという結果となる一方、その認知度や分担状況について男女間で大きな差が生じていることも分かりました。そこで、この「名もなき家事」を広めていこうということになり、皆さんからの声・アイディアを募集する事業を開始しました。

※「男性の家事育児実態調査」東京都

池野谷さん:12月中旬に入選作品の結果発表を行い、男性に「名もなき家事」の存在をもっと知っていただくために、人気格闘漫画の「範馬刃牙」と入選作品がコラボレーションした動画を作成し普及啓発に取り組んでいます。また特設サイト(2025年3月末まで)で、「名もなき家事」を広めよう!キャッチフレーズや「名もなき家事」に名前をつけてみた、の入選作品のほか、皆さんから寄せられた家族のエピソードなどを公開中です。

「名もなき家事」普及啓発特設サイト

――最後に&あんふぁんの読者へメッセージをお願いします

池野谷さん:「TEAM家事・育児」では、家事や育児に奮闘されているパパ・ママに役立つ情報や、夫婦間コミュニケーションについてのアドバイスなどを分かりやすく発信しています。ほっと一息ついて、楽しく読んでいただけるよう取り組んでまいりますので、ぜひご覧ください。

まとめ

家事に協力的ではないパートナーに家事や育児を促すのは、思いのほか大変なもの。第三者の視点から発せられた情報を介して夫婦のコミュニケーションを図ったり、家族それぞれのスタイルを模索するのにもWebサイト「TEAM家事・育児」は役立ちそうです。夫婦団らんのひとときに、ふたりで見てみるのも良いかもしれませんね。

Webサイト「TEAM家事・育児」

取材・文/山田朋子

ライター

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こどもりびんぐ &あんふぁん編集部

「子育ての迷いに、頼れるコンパスを。」子育て中のママ・パパの気持ちを楽にする記事を発信中。未就学児〜小学生を子育て中の現役ママ・パパも多い編集部です。

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