更新 :
すぐに受診?様子を見る?子どもの体調で対応に迷ったら…急変時から日常的な疑問まで相談できる【自治体ごとの相談窓口まとめ】
子育てをしていると、子どもの体調が急変することは珍しくありません。かかりつけの小児科が閉まってから熱が上がったり、いつもと様子が違うと対応に迷うことはよくありますよね。特に子どもが小さいうちは、言葉でどのくらい辛いのかがわからず、判断が難しいもの。そんな時はぜひ専門家に相談を。今回は各自治体が設けている、いざという時に頼りたい医療相談窓口をまとめました。
全国共通!住んでいる場所に関わらず知っておきたい医療相談の基礎知識
子どもの体調不良の際、「すぐに受診した方がいい?」「少し様子を見てもいい?」「救急車を呼ぶ?」など、迷うことが多いですよね。不安なときや判断に迷ったら、専門家に相談することをおすすめします。まず知っておきたいのが、全国共通で設けられている3つの相談窓口です。
総務省消防庁の「全国版救急受診アプリ」Q助
スマートフォンにダウンロードしておきたいのが、総務省消防庁が作成した「全国版救急受診アプリ」。愛称「Q助」としても知られています。該当する症状や症候を選択形式で答えていくと、「今すぐ救急車を呼びましょう」「できるだけ早めに医療機関を受診しましょう」「緊急ではありませんが医療機関を受診しましょう」「引き続き、注意して様子をみてください」と、必要な対応策が表示されます。
その後、医療機関の検索やタクシーなども含めて、病院を受診する手段も検索が可能です。医療機関は、その時の現在地だけでなく、隣県の情報も閲覧できるよう、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)にリンクしています。
今見てもらえる医療機関を探したい時は
受診できる病院を検索したり、休日・夜間など、救急外来・在宅当番医を検索するなら、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)をチェック。キーワード検索のほか、「急いで探す」「じっくり探す」など、目的に合わせて医療機関が検索できるほか、利用した端末のCookieを利用して、お気に入り病院や比較候補一覧を登録しておけるのも便利です。
電話で小児の専門家に相談したい場合は「子ども医療電話相談(15歳未満)#8000」
子どもの症状を口頭で細かくしっかりと説明して、より正確に判断をしたい人はプッシュ回線の固定電話や携帯電話から利用できる短縮ダイヤル「♯8000」へ電話相談をするのがおすすめ。「♯8000」に接続したエリアの医療相談窓口につながります。各自治体により受付時間が異なるので、詳細は各自治体ごとに確認をしてみてください。ダイヤル回線やIP電話を利用している人も、各自治体のホームページに記載されている電話番号に連絡をすれば「子ども医療電話相談」を利用できます。
こんな時におすすめ!
・看護師や小児科医師に口頭で相談をしたい
・症状に合わせて選択肢を選ぶのも迷う
・子どもの病気やケガに特化したアドバイスがほしい
もし、すぐに救急車を呼ぶ可能性が高い場合は下記でも紹介する「♯7119」に相談を。「♯7119」なら直接救急車を呼ぶことができますが、「♯8000」は相談後に「119」番へ電話をし直す必要があるのでご注意を。
子どもの症状に特化して検索できるサイト「こどもの救急」
電話で相談をするのが苦手、ひとまず事前にネット検索したい、という人は生後1ヶ月〜6歳までの子どもに特化したサイト「こどもの救急」もおすすめ。気になる症状をチェックすると、一次救命処置の手順から救急車の必要性、様子を見ても大丈夫な症状など、「今何をすべきか」を判断する目安が表示されます。
相談後にそのまま救急車が呼べる「救急安心センター事業(全年齢対象)♯7119」
急なケガや病気をしたとき、救急車を呼んだが方がいいか、今すぐに病院に行った方がいいかなど、判断に迷う場合は「♯7119」へ相談を。相談対応をしてくれる医師、看護師、トレーニングを受けた相談員等から、全年齢に対応したアドバイスをもらえます。そして必要な場合は直接救急車が手配できるのが特長です。
こんな時におすすめ!
・子どもから大人まで全年齢に対応した相談をしたい
・病状に緊急性を感じる
・直接救急車を呼べる窓口に相談したい
「♯8000」と同様に、通話を受信した基地局のエリアの医療相談窓口につながるため、県境などは近県につながる場合もあるので注意してください。確実に希望のエリアにいる専門家に相談をしたい場合は、下記の各自治体のホームページに記載されている電話番号に連絡を。ダイヤル回線やIP電話を利用している人も同様です。
東京都で知っておきたい医療相談窓口
◆「♯8000」「♯7119」の個別電話番号や受付時間はこちらからチェック
【♯8000】子供の健康相談室(小児救急相談)
【♯7119】東京消防庁救急相談センター
◆東京都保健医療局が運営する「東京都こども医療ガイド」
子どもの病気や発熱・ケガ、子育ての情報が簡単に見つかるWebサイト。症状別に対処法をチャート図でチェックできたり、事故やケガの対処法、麻しんや水ぼうそうなどで知っておきたい対処法なども紹介。子育てでぶつかりやすい「よくあるお悩み」や子育てアドバイス、流行している病気が発信されるなど、子育てによる不安や、子どもの不調に対する情報がひとまとめになっています。
◆Web上で受診の必要性を検索できる「東京版救急受診ガイド」(回答形式)
「全国版救急受診アプリ」Q助同様、救急車を呼ぶか迷った際に利用できるサイト。東京消防庁・救急相談センターが運営しており、アプリをダウンロードしなくても、Web上で閲覧することが可能です。
神奈川県で知っておきたい医療相談窓口
◆「♯8000」「♯7119」の個別電話番号や受付時間はこちらからチェック
【♯8000】かながわ小児救急ダイヤル
【♯7119】かながわ救急相談センター
神奈川県では今まで「♯7119」を利用できるのは横浜市内のみでしたが、2024年11月より、神奈川全域で24時間利用可能になりました。
◆神奈川県の医療相談情報がまとまっているサイト
医師の働き方改革を掲げる神奈川県は、医師の長時間労働を防ぐ観点から、県民に「上手な医療のかかり方」を提案。こちらのページでは、「♯8000」「♯7119」のほか、かかりつけ医や薬剤師の見つけ方や各市町村の健康相談・医療機関案内など情報がまとまっています。
神奈川県の医療相談情報がまとまっているサイトはこちら
◆過去に話題になった医薬品情報や誤飲の対処法などをまとめた「クスリミニガイド」
神奈川県が2010年までにQ&A方式でわかりやすくまとめた冊子をWeb上でも公開。インフルエンザの予防薬、やけどに対する熱さまし用冷却シートの使用についてや、リップクリームの誤飲、子どものワクチンについてなど、実際に相談窓口に寄せられた内容を中心に、具体的な事例が掲載されています。
◆「話を聞いてほしい」レベルでもOK!「神奈川県立こども医療センター」の福祉相談
病気や医療安全面の不安・不満から、子どもの入院や通院、退院後の過ごし方について、診療材料について、セカンドオピニオンについてなど、広く相談を受け付けてくれます。「誰かに話を聞いてほしい」という理由でも相談ができるので、一人で抱え込まずに気軽に活用してみて。
◆Web上で受診の必要性を検索できる「横浜市救急受診ガイド」(回答形式)
救急車を呼ぶか迷った際に利用できる検索サイト。横浜市が運営しており、アプリをダウンロードしなくても、Web上で閲覧することが可能です。
千葉県で知っておきたい医療相談窓口
◆「♯8000」「♯7119」の個別電話番号や受付時間はこちらからチェック
【♯8000】こども急病電話相談(小児救急電話相談)
【♯7119】救急安心電話相談
◆救急時に役立つ方法がまとまっている「ちば救急医療ネット」
休日や夜間などに役立つ、千葉県の救急医療情報システム。「♯8000」「♯7119」の案内掲載のほか、休日・夜間の病院探しや、AEDの設置場所や救急蘇生方法についても紹介されています。
◆Web上で検索できる「千葉市救急受診ガイド」(回答形式)
救急車を呼ぶか迷った際に利用できる検索サイト。千葉市が運営しており、アプリをダウンロードしなくても、Web上で閲覧することが可能です。
埼玉県で知っておきたい医療相談窓口
◆「♯8000」「♯7119」の個別電話番号や受付時間はこちらからチェック
【♯8000】【♯7119】埼玉県救急電話相談
◆さいたま市で利用できる「さいたま市子ども急患電話相談」
さいたま市に居住または滞在している子どもの急病で困った場合、看護師からアドバイスを受けるならこちら。
◆子どもの急な病気やケガの対処法がまとまっている「子どもの救急ミニガイドブック」
県政情報センターで有償配布されている「子どもの救急ミニガイドブック」をWeb上で閲覧できるサイト。子どもの急病やケガの対処法がまとまって掲載されています。
◆Web上で受診の必要性について検索できる「埼玉県AI救急相談」(回答形式)
受診をしたほうが良いか迷った際に利用できる検索サイト。埼玉県が運営しており、アプリをダウンロードしなくても、Web上で閲覧することが可能です。
茨城県で知っておきたい医療相談窓口
◆「♯8000」「♯7119」の個別電話番号や受付時間はこちらからチェック
【♯8000】【♯7119】茨城県救急医療情報ポータルサイト
上記のポータルサイトのほか、「♯8000」「♯7119」についての詳細は、「急な病気やケガで救急車を呼ぶか迷ったときは」というページでも紹介されているので、合わせてチェックを。
◆あわてずに子どもを救う「こどもの救急手引き」
突然やってくる子どもの病気やケガに、あわてず適切な対処法や情報が簡単に見つけられる情報サイト。日常的に読みたい「上手なお医者さんのかかり方」や「子どもの事故を防ぎましょう」といった情報や、いざという時の救命処置まで紹介されています。
まとめ
子どもの体調は「なんだかいつもと違う」というパパ・ママの気付きが、適切な処置につながることも少なくありません。一人で悩んでいても不安が募るばかりです。注意深く子どもの様子を観察するとともに、迷わず専門家のアドバイスも取り入れて、子どもにとってベストな判断をしてあげたいですね。
文/山田朋子