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宿泊型「産後ケア施設」ってどんなところ?サービス内容や利用方法、自治体の助成について紹介します

赤ちゃんと一緒に宿泊して、専門スタッフによる産後ケアを受けることができる宿泊型の産後ケア施設。ニーズの高まりとともに、日本でもその数や種類が増えています。今回は、自治体の助成が受けられる施設を中心に紹介します。

24時間体制で産後ケアが受けられるのがメリット

出産後6週間~8週間は「産褥期」といって、出産によるダメージを回復させるためにできるだけ安静に過ごすべき期間です。この時期に無理をしてしまうと、産後うつになってしまったり、体の回復が遅れてしまったりするリスクが高まるおそれがあります。産褥期を過ぎても、出産後のママは心身ともに不安定になりがち。赤ちゃんはかわいいけれど、育児への不安や疲労が蓄積すると心身の不調につながることも…。

そこで注目されているのが、産院を退院した後に利用することができる「産後ケア施設」です。産後ケア施設には「宿泊型」と「デイサービス(日帰り)型」がありますが、今回紹介するのは赤ちゃんとママが滞在する宿泊型。宿泊型のメリットは、24時間体制で食事や赤ちゃんのお世話などのケアが受けられること。

日本でも、まだ数は少ないものの、ニーズの高まりとともに宿泊型の産後ケア施設やサービスは増えつつあります。大きく分けると、①産後ケアの専門施設、②ホテルに併設されている産後ケアプラン、③病院や助産院に併設されている産後ケアプランがあります。サービス内容や利用できる期間、料金もさまざまなので、予算やニーズに合う施設が見つかったら出産前に見学しておくと安心ですね。

自治体が運営する産後ケアセンターも

産後ケア事業の一環として、提携する産後ケア施設の利用料を助成してくれる自治体も増えています。子育て利用券などを提携施設の利用料に充てることができる自治体もあるので、チェックしてみましょう。

たとえば東京都世田谷区には、区が運営する「世田谷区立産後ケアセンター」があり、母子のショートステイが可能です。利用日数は宿泊7日間まで、利用料の負担額は1日4500円ですが、「産後ケア事業クーポン券」を利用すると1日2000円となります。
※課税世帯の場合。クーポン券の利用は通算5日まで

東京都練馬区では、区指定の15の医療機関で母子のショートステイが可能。利用日数は7日まで。利用料の負担額は1泊2日7000円で、その後は1日ごとに3500円が加算されます。

東京都杉並区のホームページには、実際に宿泊型の産後ケア(1泊2日)を利用した人のレポートが載っています。食事やおやつ、アロママッサージが付いていてリフレッシュできたこと、日中も夜間も担当の助産師に育児相談ができて心強かったことなど、リアルな感想が参考になります。

助成が受けられる条件や利用方法をホームページでチェックして

現在は、自治体の助成が受けられる宿泊型産後ケアは、産院や助産院などの医療機関でのショートステイがほとんどです。中にはそこで出産した人のみ受け入れ可能という施設もあるので注意が必要です。また、助成を受けるには「育児への不安や体調不良がある」「家族から援助が受けられない」などの利用条件があるケースが多く、事前に面談が必要な自治体もあります。予約可能な時期も自治体によって異なるので、事前にホームページをチェックしておきましょう。

多くの自治体では、宿泊型と並行して、デイサービス(日帰り)型、アウトリーチ(訪問)型の産後ケア事業を展開しています。ママや赤ちゃんの体調や家族の状況、予算などに合わせて、必要なサポートを組み合わせて利用しましょう。

参考

東京都世田谷区ホームページ
https://www.city.setagaya.lg.jp/03648/1213.html#p2

東京都練馬区ホームページ

https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/hoken/sukoyaka/sango-keajigyou.html

東京都杉並区ホームページ

https://www.city.suginami.tokyo.jp/s053/3652.html

企画・編集/&あんふぁん編集部、取材・文/林優子

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