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【さいたま市がスゴイ!】「子育てが楽しい」を実感できる!親子の絆を育める街・さいたま市の魅力

&あんふぁん編集部では、子育てが楽しくなる街として注目を集めている「さいたま市」を取材。「子育てを心から楽しめる」「親子の絆をじっくりと育める」と市民から多くの声が上がる一方、全国的には意外と知られていない、充実した子育て施策と担当者の思いを聞きました。
さいたま市は子育て施策が充実!父親はもちろん祖父母世代も育児の担い手に
――父親の育児参加を促す「パパサンデー」が人気のイベントになっているそうですね?
内野さん(子ども未来局 子ども育成部 子育て支援課 主事):はい。以前は母親からの誘いで参加する父親が多かったんですが、最近では父親自身が申し込み、父子だけで参加する方が非常に増えています。講師へ積極的に質問する方も増えましたし、「日曜日に子どもと出かけられる場所があってよかった」「同じ悩みを持つ人がいると分かって安心しました」という声もたくさんいただいています。
育児休業を取得する方も増えましたし、「パパサンデー」の時間に合わせてお子さんと遊びに来る方も多いようですね。今後も引き続き、日曜日だけではなく、平日や土曜日にも父親が参加しやすいイベント等の充実に取り組んでいく予定です。
――さいたま市では父親だけでなく、祖父母世代にも「孫育て」の情報を積極的に発信されていますね
内野さん:そうですね。以前より現役で働いている祖父母世代の方が増え、子育て世代と同居している家庭が減っているため、最近では子育て世代が祖父母世代に頼ることを遠慮している様子が見られます。祖父母世代にとっても、子育て世代や孫との関わり方に不安を感じている方も多いようです。
そこで最新の子育て情報を紹介した「祖父母手帳」を発行し、子ども家庭総合センターや各区役所などで配布しています。さらに電子ブックでも読んでいただけますので、ぜひ気軽にチェックしていただけたらうれしいですね。

鈴木さん(子ども未来局 子ども育成部 子育て支援課 主事):さらに祖父母世代の方々には、地域の子育ての担い手として、積極的に地域との関わりを持っていただくことも期待しています。「祖父母手帳」にも「地域の祖父母になってみませんか?」ということで、活躍の場を紹介しているのですが、「さいたまファミリー・サポート・センター」の提供会員として登録していただいたり、子育ての援助を受けたい会員のサポートをしていただいています。
今後はより多くの方に提供会員として参加いただき、提供できるサービスの幅を広げていきたいと考えています。
さいたま市は教育都市としても有名!全国1位の英語教育や充実した食育も
――さいたま市の英語教育が、都道府県及び政令指定都市で英語力トップ(※)の座を守り続ける秘訣を教えてください
伊澤さん(教育委員会 学校教育部 教育課程指導課 主席指導主事 兼 係長):2016年より、小学1年生から中学3年生までの9年間で一貫した英語教育として、さいたま市独自の「グローバル・スタディ」がスタートしました。「グローバル・スタディ」は英語で授業を進めていますが、小学校の低学年では担任の先生が授業を担当するケースが多いので、「ALT」と呼ばれる外国語指導助手を全校に配置することで、より質の高い授業を展開することができています。
最近では小学校でも英語専門の教員が配置されることが増えてきましたが、グローバル・スタディ科の非常勤講師など、さまざまな人材を配置して、指導の充実を図っています。昨年度は小学校の教科書、今年度は中学校の教科書が新しくなったことを受けて、市独自のカリキュラムも改定し、さらにコミュニケーションを重視した授業を展開していく予定です。
※文部科学省実施の令和5年度英語教育実施状況調査の結果より

――実際に体験している子どもたちや保護者からの反応はいかがですか?
実際に見学した学校の授業では、児童から「先生が明るく授業してくれるから楽しい」、「英語で自分の好きなものを伝えたり、質問に答えたりできるとうれしい」「将来の役に立ちそう」という声が聞けました。また保護者からも「帰宅後に習ってきた英語を一緒に言ってみるなど、子どもと一緒にもう一回英語を勉強しています」という声もありましたね。
――全ての小中学校で自校方式の給食が提供され、食育にも力を入れているそうですね
西川さん(教育委員会 学校教育部 健康教育課 主任指導主事 兼 係長):さいたま市では2015年7月から全ての小中学校で、学校内で調理した給食を提供する自校方式での学校給食が開始されました。さいたま市の総合振興計画の中で、各学校や地域の特色を生かした給食の実施や、きめ細かい食の指導、さらなる食育の推進をはかることを決め、児童生徒により安全でおいしい給食を提供するために、全ての小中学校に単独の調理場を設置しました。
自校方式による学校給食のメリットとしては、出来立ての温かくおいしい給食が提供できることはもちろんですが、食物アレルギーに対しても細やかな対応ができます。さらに地場産物を活用したメニューや、地元で活躍するシェフ考案のメニューを提供できるなど、さまざまな食育に資する活動を展開することもできます。

また子ども達や保護者から好評を得ているのは、学校で育てた野菜を給食で提供していることですね。このような経験をすることによって、食習慣や食文化などを学ぶきっかけになったり、給食に携わる人々に感謝をする気持ちを感じられるようです。
――フランス料理を取り入れたメニューが登場する日もあるそうですね?
西川さん:はい。さいたま市では自転車競技イベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」を開催しておりまして、このイベントに合わせてフランスの料理を取り入れた学校給食を提供しています。シェフ給食やさいたま市産の食材を使用した「さいたま市民の日給食」と合わせて好評ですね。
ポイント施策で利用者増!プッシュ型アプリでの広報に注力
――情報をプッシュ型で広報するアプリの利用者が増えてるそうですが、秘訣を教えてください
上高原さん(経済局 商工観光部 地域活性化推進室 主査):さいたま市では、スマートフォンアプリとコミュニケーションアプリLINEで同様の情報発信をしています。どちらを使っても、ご自身に必要な情報のジャンルを選べる機能をつけています。例えば子育ての情報は欲しいけど、高齢者向けの情報は必要ないとかですね。
このスマートフォンアプリ「さいたま市みんなのアプリ」には、情報発信以外にも色々な便利でお得な機能をまとめています。デジタル地域通貨「さいコイン」「たまポン」の機能もあり、これを使える加盟店も2100店を超えました。
このアプリではこれまでに、利用額の一部がポイントとして還元される期間限定のキャンペーンなどを実施してきていて、実際にアプリをダウンロードして使っている方も約17万人となっています。こういう施策をきっかけに、より多くの子育て世帯の方々にもアプリを使っていただいて、行政からお知らせしたい子育て情報などをプッシュ型でお届けすることを目指しています。
アプリ利用者の方々からは、加盟店を増やしてほしい、普段使っているお店で使えるようにして欲しいという要望をいただいていますし、地元の商店やコンビニ、スーパーなど、さらに利用できるお店を拡大していきたいと考えています。

――いかに子育て世帯とつながり、情報を届けていくかということに尽力されていますね
松本さん(子ども未来局 子ども育成部 子ども・青少年政策課 課長補佐 兼 係長):若い方々にはチラシなどで広報しているだけではなかなか情報が届かないということを痛感しています。長い文章ではなく、短く端的に伝えて、興味があればリンク先に誘導するという形に変えていかないと響かないんです。
だからこそ、LINEやSNSなどを中心とした情報提供を追加して、なるべく多くの方とのアクセスルートを確保していく必要性を強く感じています。SNSのほかにも、子育てポータルサイト「さいたま市子育てWEB」では、子育てに関する情報や相談先などが検索できるようになっていますし、それぞれの高機能化を進めていきたいですね。
さいたま市は子育て対策に関して結構頑張っているところはたくさんあるのですが、なかなかそういう印象を持ってもらえていないと思うんですね。こういったことは今後メディアを通じて強くPRしていく必要があると考えています。
――最後に&あんふぁんの読者へメッセージをお願いします
松本さん:今の世の中、インターネットで「子育て」と検索ワードを打ち込んだ時、「大変」だとか「辛い」とか、ネガティブなワードがたくさん出てきますよね。確かにそういうこともたくさんあるなと思う一方で、やっぱり子どもって「かわいいな」とか「成長がうれしい」とか、楽しさを感じるプライスレスな気持ちもたくさんあると思うんです。
行政からの情報発信では、子育ての「大変な部分を支援します」という表現になりがちですが、さいたま市は「子育て楽しいさいたま市」というキャッチフレーズを掲げ、親子の絆を育めるような子育て支援を推進していきたいと考えています。
これからも、子育て中の皆さんに「子育て楽しい!」と感じてもらえる市でありたいですね。
まとめ
今回うかがった施策の一つひとつが、きちんと子どもや子育て世帯を中心に据えて行われているという印象を持ちました。子どもが小学校に入学をする前に定住するエリアを探している人には、ぜひ注目してほしい施策がたくさん。子育てのしやすい街を超えて、「子育てが楽しい街」といえそうです。
企画・編集/&あんふぁん編集部、取材・文/山田朋子