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【動画で解説】子どもが打撲をしたら。知っておきたい「打撲」の応急手当方法
子どもはいろんなところに体をぶつけます。そのたびに親はヒヤヒヤしますよね。今回は、頭、手足、背中、お腹など、万が一のときに知っておきたい「子どもの打撲」の応急手当法を動画で解説します。
動画で解説【子どもが「打撲」をしたときの応急手当方法】
打撲とは?
体をぶつけることを「打撲」といいます。打撲の結果、症状によって捻挫や骨折に発展します。関節の周囲の組織にレントゲンでは確認できない障害が起きると「捻挫」、骨が折れると「骨折」と診断されます。
体をぶつけたときのそれぞれの応急手当方法
頭をぶつけたとき
頭をぶつけたときは、ぶつけた箇所の確認はもちろん、全身の状態を確認することが大事です。
- 一瞬意識が無くなったり、朦朧としている
- 元気がない、顔色が悪い
- 嘔吐やけいれんがある
- 患部を触るとひどく痛がる
このような症状があれば、頭の中で出血が起こっていたり、骨に異常が起きている可能性が考えられます。すぐに救急車を呼び、病院へ行きましょう。
高いところから落下して頭を打った場合、目安として、2歳未満であれば1メートル以上、2歳以上なら1.5メートル以上の高さであれば、医師の診察を受けましょう。
ぶつけたところを確認し、切れていれば止血し、切れていなければ、ぶつけた部位を冷やすことも有効です。元気があり、普段と変わらない様子で頭にたんこぶができている程度なら、冷やして様子を見ましょう。冷やす時間は15分から30分が目安です。
「たんこぶができているから大丈夫」「ぶつけてすぐ泣いたから大丈夫」と判断せずに全身の状態をしっかり観察してから、適切な処置を行いましょう。
手足をぶつけたとき
ぶつけたところが大きく切れていたり、ひどく腫れていれば、骨折の可能性があるので、すぐ病院へ行きましょう。腫れもなく問題なく動かせるようであれば、すぐに病院に行く必要はありません。患部を15分から30分冷やして様子をみましょう。
子どもの骨は柔らかく、木がしなるように骨折する「若木骨折(わかぎこっせつ)」 を起こすことがあります。一見すると異常はなさそうでも、ひどく痛がっているようなことがあれば、医師の診察を受けましょう。
また、よくあるのは、車のドアや蝶番(ちょうつがい)の部分に手を挟んでしまう事故。親が注意をしていれば防ぐことができる事故でもあるので、普段から目を離さないようにしましょう。(※危険な場所を再確認しておきましょう)
背中や首をぶつけたとき
背中や首は、よほど大きな事故でない限り、頚椎や骨髄損傷などの大事には至りません。もし、ぶつけたあとに手足のしびれがあったり、うまく歩けないなど「おかしいな」と思うことがあれば、病院へ行きましょう。しびれもなく、体も動かせるようであれば、まずは安静にして様子を見ます。患部を15分から30分冷やすことも有効です。
でんぐり返しや逆立ちをしようとして、首からぐにゃっと曲がったり…。そばで見ていると心配になるシーンは多くありますが、子どもの首は大人と比べてとても柔らかくできています。目を離さないことは大切ですが、そこまで神経質にならずとも大丈夫です。
※ダウン症候群のお子さんの場合は、頚椎(けいつい)の一部が不安定になっている場合もあるので注意が必要です
お腹をぶつけたとき
お腹は、ぶつけたとしても大事にいたることは少ないですが、まれに注意が必要なときもあります。例えば、自転車の運転中に転倒したときに、ハンドル部分がお腹に押し込まれてしまった場合、肝臓や脾臓に出血が起こることがあります。
とがったものをお腹にぶつけてしまったあとは、子どもの体調を注意深く観察し、もし異常を感じたら、病院へ行きましょう。
対処のポイント
何科を受診すればいい?
骨折が分かるような症状であれば整形外科に行くのもいいですが、個人で判断が難しい場合などは、まずは小児科に相談してみましょう。背中や首をうち、明らかなしびれがあったり歩行が困難な場合は、整形外科へ行きましょう。
見逃しやすい子どもの骨折
子どもの骨折で見逃しやすいのは、鎖骨の骨折、肘の骨折です。「腕を上げようとすると痛がったり、脇の下を持って抱こうとすると痛がるようであれば病院へ。上腕骨の下端部、ひじの近くの骨折は、子どもに比較的多いです。
また、手をついて倒れたときなどに、手首を骨折することもよくあります。うまく動かせなかったり、いつまでも痛がるようであれば、医師の診察を受けましょう。
1日~2日は様子を見て
ぶつかった直後はあまり症状がなくても、時間の経過とともに悪化する可能性もあります。どこをぶつけたか、どのくらいの衝撃だったのかをきちんと把握しておき、子どもの様子を1日~2日は注意深く観察しましょう。
子どもの「もしも」のときために
子どもの様子が普段と違っているかどうか、おうちの方の直感が一番の判断基準になります。少しでもおかしいな?と思ったら躊躇せず病院へ。子どもの様子をよく観察して適切な処置ができるよう、イメージトレーニングをしておきましょう。
監修:横田俊一郎(小児科)
制作:株式会社こどもりびんぐ/株式会社照林社/株式会社エイトリンクス
ナレーション:神路めぐみ(株式会社ヴイ・フォーク)