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子どもの「好き」から見えてくる わが子の得意を発見!
![子どもの「好き」から見えてくる わが子の得意を発見!](https://enfant.media/wp-content/uploads/2024/10/2203_tokushu_00.jpg)
子どもの得意なことは、見つけて伸ばしてあげたいと思うのが親心。
実は意外なところに、子どもの素晴らしい能力が隠れているかもしれません。
それを見つけるカギは、「子ども自身が好きなこと」にありました。
イラスト/田仲由佳
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お話を聞いたのは… 岡田 涼先生
香川大学教育学部准教授。専門は教育心理学で、特に学習意欲や自己調整学習について研究を行っている。大学で学校教員の養成に携わると同時に、子どものやる気を支える方法や関わり方について学校現場に携わりながら研究を進めている。2児のパパ。
https://sites.google.com/view/ryo-okada/
勉強だけじゃない 子どもの幅広い能力を見つけよう
子どもが得意なことってなんだろう? それを見つけるヒントになるのが、アメリカの発達心理学者であるハワード・ガードナー氏が提唱した、「多重知能理論」。従来の学業的な頭の良さだけではなく、「人のすごいところを幅広く捉えよう」という考え方です。ここで言う「知能」とはIQではなく、幅広く社会の中で価値があるとされる能力のこと。言語的・数学的能力だけではなく、他人の心情を思いやれる「対人的知能」や、物の違いを見分けて理解できる「博物的知能」など、下記で紹介している8つに分類されます。
この理論を子どもに当てはめて考えるときにポイントになるのが、「子ども自身が好きなこと」。幼児期は、得意なことを好きになる傾向があります。そのため、日頃の様子から子どもが好きなことを見つけて、その背後にある知能を認めてあげることが大切です。親として、「将来のためにこの能力を伸ばしてあげたい」と思うこともあるかもしれませんが、子ども自身が興味のないものは、大人がやらせてもなかなか身に付かないもの。いろいろな機会を設けて、子どもが何が好きかを観察してみましょう。その結果、得意なことを見つけられたら、あとはほんの少しサポートしてあげるぐらいで十分です。
子どもの得意を見つけるヒントになる8つの能力
1.言語的知能
言葉に関する幅広い能力。言語学習が得意で、人に話すのが上手という特徴があります。言葉への感受性も、この能力。面白い言葉遣いを「いいな」と思えることも、能力なのです。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 絵本の独特の言い回しに面白さを感じる
● 幼稚園で先生が言ったことを他の子に教えられる など
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2.論理的数学的知能
いわゆる数学に関する能力。筋道を立てて把握できる論理的な思考力があり、自分で工夫して計算したり、プログラミングなどの数学的な操作が得意だったりします。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 数字や足し算に興味を持つ
● 自ら工夫して計算しようとする など
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3.音楽的知能
音楽に関する能力全般を指し、音楽への感受性が豊かだったり、作曲のスキルがあったりします。例えばピアノを弾くときに、「やわらかく弾く」などのあいまいな指示にも対応できます。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 音を聞いたときに、面白さを感じる
● 音の出し方や演奏の仕方を自分で工夫できる など
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4.身体運動的知能
体を自分の思った通りに動かすことができる能力。スポーツなどの大きな動きはもちろん、「ハサミを上手に使える」「折り紙をきれいに重ねて折れる」など、細かい動きに関する能力もこれに当たります。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 上手に走ったりダンスしたりすることができる
● 手先を使う作業を器用にこなすことができる など
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5.空間的知能
方向感覚のような、空間把握能力のこと。道順や建物の場所を上手に理解する力に加えて、「こうするときれいに見える」と気付けるような、デザインなど美術的センスもこの能力に含まれます。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 積み木を崩さず上手に積める
● 絵を描くとき、物の配置やバランスにセンスがある など
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6.対人的知能
他者と上手に関われる能力。一般的に「ソーシャルスキル(対人関係を円滑にする技能)」と呼ばれるものに近いです。他者の心情を把握し、うまく話を進めることができます。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 人懐っこく話す
● 物おじせず、大人と話すことができる など
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7.内省的知能
自分を客観的に見て、理解する能力。「自分はこういう人間だ」と正確に把握することができます。この能力は発達するタイミングが遅いので、幼児期のうちはまだ目立たないことがほとんどです。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 自分のことを客観的に話す など
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8.博物的知能
物事を判別・分類する能力。たくさんの種類があるものを、自分なりに違いを見分けて整理することができます。突き詰めた先は、博物学者のようなイメージです。
こんな子どもは能力が高いかも!
● 動物・昆虫などの特徴や違いを上手に説明できる
● 恐竜や電車など、数多くあるものを分類し、見分けることができる など
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